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2008年5月19日 (月)

春の嵐のような/ピアソラが好き

Astor_piazzolla_005

外は嵐だ。台風4号だって。

台風が来るのは今季これで2回め。なんでこんな時期に? と思う。

咲いたばかりの私のバラに、容赦なく吹きつける暴風雨!

あぁ、最低 ・・・・

気を取り直して書くと、最近私はすっかりJAZZ漬け(新種の漬物で

す)なのだけれど、毎日それだとやっぱり少々疲れてきて違うものが

聴きたくなる。で、何を聴いているかというとアストル・ピアソラだ。

ピアソラというと今までもっと別の季節のイメージがあったのだけれど

これが春先のはっきりしない天気の日に聴くと思いのほか合う。春の

酷薄として儚く移ろってゆく感じに、とても。特に黄昏時。

この場合、春にとても合うと言っているのはタンゴ、ではなくて、あく

までアストル・ピアソラだ。

ピアソラのCDは好きで何枚も持っているけれど、ピアソラのCDには

今のところ1枚として失敗はない。上のCDは安物の輸入盤なので詳

細はよくわからないけれど79年の録音で、めずらしく一部オーケスト

レーションが使われている。そのせいなのか、単純に選曲によるもの

なのか、ピアソラの他のアルバムに較べると明るく軽快で、そのせい

でよけい春に合うのかもしれない。あのヨー・ヨー・マがやって一世を

風靡したリベルタンゴが入っているので買ったのだと思うけれど、古

い音源のためか録音レヴェルがとても低くて、今まであまり聴いたこ

とはなかった。それが先日、気まぐれにCDラックから取り出してヴォ

リュームをマックスにして聴いたらハマった。折りしもあのときも風の

強い夕暮れ。ちょうど春用のセレクトCDを作った後で、作ってしまっ

てから足りないキーワードを見つけて、何曲か入れ替えようと思って

いたのだった。週末、そんなことをする時間もないままCDを送った相

手から感想メールをいただいた。そこには、『やさしく穏やかで、かつ

新緑へエネルギーを増していく春という季節は大好きでわくわくしま

す』と書いてあった。でも私の春はそれだけじゃないのだ。先日CDを

作るのに足りなかったキーワードは、『春は落ち着かない』、『春雷』、

『春嵐(はるあらし)』だ。

春には固まった何かを破って生まれる強力なエネルギー、開花へと

高まり充溢するエネルギーがあって、ざわざわと落ちつかない。それ

は一方では破壊のエネルギーでもあって、既存のスタイルを壊して

生まれ続ける、かつ壊れて消えてゆくものにも充分な愛惜が感じら

れるピアソラの音楽が春に合うというのも、そのあたりにもあるのか

もしれない。

ついでに書くと、夕暮れ時にピアソラを聴く具体的な効用は他にもあ

って、私は食事の支度をするときには必ず音楽が必須なのだけれど

夕方、だいぶ疲れて眠くなってきたときにピアソラを聴くと目が覚め

る。料理に集中できる。前に、何かをしながら音楽を聴くと音楽に集

中できないというコメントをいただいたけれど、私の場合、音楽を聴

きながら料理をするのは、料理にも集中できるし、音楽にも集中でき

る。スピーカーから離れたところで雑音混じりに聴くのでディティール

までは聴こえない代わりに、新たな発見をしたりして。

そんなわけで、天候不順で天気も頭もはっきりしないこの季節には、

ピアソラはお薦め。ピアソラ音楽の嵐のような激しさの後にやってく

る、なんともいえない(首筋がぞくぞくするような)至福感は、極上の

快楽。

いま、もうすぐ日付けが変わるところ。

窓の外はますます酷い暴風雨だ ・・・

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