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2008年2月22日 (金)

222で今日は猫の日

Nekobiyori_3

こないだ、何かを検索しててこの本にぶつかった。

猫本らしいんだけれど、中身がちょっとだけ紹介してあって、趣のある

文人と猫のモノクロ写真に惹かれた。翠ちゃんの好きな大佛(おさら

ぎ)次郎に始まって、漱石や幸田文や武田泰淳らの猫との写真と、

猫にまつわるエピソード。で、さっそく近所の本屋に行くことにする。

本屋に行く必要があるときは、私はいつも例のおじいさんが1人でや

っている本屋に行く。売り上げにちょっとでも貢献って気持ちもあるけ

れど、おじいさんの安否確認も含めて。だからこの本屋にはいつでも

行けるわけではなくて、気持ちと時間の余裕がなければならない。

こんちわ、と言いながら店に入って、新書の雑誌の棚をひととおり見

回す。他の棚も見る。でも目当ての本はない。

私:「出たばかりの『猫びより』って雑誌が欲しいんだけど、ないね」

店主:「猫びよりか、ありゃあ、○○だから、本屋には置いてないよ」

店主、即答。いつもながらの記憶力に感心する。○○っていうのは

本屋の業界用語らしいいんだけれど、なんだか忘れた。

私:「○○って何?」

店主:「本屋では売らない本のことだよ。直接、出版社に申し込んで

    年間購読料払わないと読めない本のこと」

私:「げ。そうなの? じゃあ、ここでは買えないってこと? 話になら

   ないな。いったい出版社はそんなんでやっていけるのかしらね」

ぶつくさ言う私に、店主は「猫びよりは確かそうだと思ったよ」と言っ

て何かを確認しながら、「返って受注したぶん作ればいいんだからい

いんじゃないか」と言っている。

そして下を見たまま、「猫が好きなのかい?」と訊いた。

私:「猫も好きだけど『文人が愛した猫たち』って特集をやっていてね

   私はむしろそっちが好きなんだと思う。昔の文人が。文人がな

   ぜそんなに猫が好きなのかも興味がある」

文人のほうかい、ふふふ、なんて笑っている店主に「ごめん!おじさ

ん無いなら駄目だ。また来るね!」と言って店を出た。おじいさんは、

ああ、そうだね、と鷹揚に言って、ゆっくりもといたレジの前に座った。

そう、私はいつだって動物より人間のほうに興味があるのだ。時に煩

わしく厄介に思いつつも避けて通れない。だから、そうきち歩けば人

にぶつかる、なのだ。私がこの本屋に行くのだって、単におじいさん

に情をかけているわけではない。このおじいさん、お顔こそ長老のニ

ホンザルのようだけど、年上なのに私の父よりずっと矍鑠としていて

晩年のヘルマン・ヘッセのように聡明なのだ。何より本が好きで、本

をたくさん読んだ人のようなのが見てとれるし、どこで生まれたかは

知らないけれど、共通の東京っ子気質みたいなものを感じて、私は

ラクに話せる。この話せるってのが何より大事。

それで今日2月22日は、にゃんにゃんにゃんで猫の日だって。

さて、猫好きさん、本日のご予定は?

あたしは、今日もピーカンだけど、とりあえず、これから、長らく電池

も入ってなかったCONTAX T2持ってカメラ屋に行く。

私が昔愛用してたイルフォードのフィルムは今でも売ってるかな?

ええい! 雨よっ! 降れっ!!!

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コメント

先日はありがとうです。ご心配をかけました。
頑張って、剪定したのですね。気持ちもすっきりね。
「猫びより」って、変わりやすいことかなと単純に思って、猫の日があるのは初めて知りました。
ほどほどに太って、頭がよさそうでいい猫顔。
ネコもワンコも情は通じても、喋らないとこが人間と
付き合える最大の喜び、「飯」「散歩」なんて催促されたら・・。神様はすべて、おみとうしでございます。

投稿: みちこ | 2008年2月22日 (金) 18:40

こんばんは。

イルフォードって・・・「白黒フィルム」ですか???
まだ作っているかな???

雨は降りそうに有りませんね。
乾いてます。

投稿: ルイ | 2008年2月22日 (金) 21:12

 そうだ、今日はネコの日らしいね。1月11日は犬んの日?
 この町に来た頃は小さな本屋さんが会って、私もそこへ行って本買ってたけど、なくなっちゃった。なかなかないよね。寂しいね~。

投稿: angelseed | 2008年2月22日 (金) 22:50

みちこさま、
ハイ、剪定しました(^-^)
あとは自分を剪定する(美容院に行く)だけ!(笑)

でも、犬猫を飼っている人に言わせたら、人間並に「はやくおきろ!」「ごはん!」「さんぽ!」と言うって言ってましたよ。
確かに人語は喋らないけど。

投稿: soukichi | 2008年2月24日 (日) 00:43

ルイさま、
そうです。モノクロフィルム。
生意気なことに私は昔、イルフォードとトライXしか使ったことなかったんです。
イルフォードが柔らかな諧調を持ったモノクロフィルムで、逆にトライXは粗い粒立ちが独特な味のあるモノクロフィルムです。
どちらも今でも作ってるけど、近所のカメラ屋さんにはなかった。
大きいところに行かないと。
でも、カメラ屋さんで馴染みの店員さんと話して、いまだにフィルムカメラで写真を撮っている人がいっぱいいることを知って、ちょっと安心しました。
デジカメは便利だけれど、私はデジカメにはやっぱりあまり思い入れられない。

乾燥も花粉もひどいし、そろそろ雨が降るといいですね。

投稿: soukichi | 2008年2月24日 (日) 00:50

angelさま、
そう、ほんとにいい本屋が次々なくなって寂しい限りです。
でも日本では本屋も出版社も儲からない。
それは日本の出版業界の致命的なシステムにあるみたいで、それを改善しない限り無理みたいです。
一方、私はまだ行ったことがないけれど、都心では普通のマンションの1室を借りて、小さくてユニークな書店を開く人なんかも出てきているようですよ。
行ってみたいね!

投稿: soukichi | 2008年2月24日 (日) 23:59

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