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2007年11月28日 (水)

竹内直@吉祥寺SOMETIME

Sometime_01

火曜の午後7時15分。

サムタイムの暗い階段を降りていったらもう友達は来ていて、私を見

つけると軽く手を振った。彼女は私がコートを脱ぎ始めると、「ステー

ジ前のテーブル席は予約でいっぱいで、もうあそことこの席しか空い

てなかったのよ。だったらミュージシャンに近いこっちのほうがいいか

なと思って」と言う。そう言われて店の中を見回せば、ほんとにいっぱ

いお客さんが入ってる。竹内直さんてやっぱり人気あるのね、なんて

言いながら座る。昨日も実は私は仕事のことで頭がいっぱいで、彼

女が「やっぱり行くのやめる」とでも言ったら自分もやめるつもりでい

たのだけれど、彼女が行けると言うので慌てて支度して出てきたの

だった。目の下にクマできてるけどスマンとメールで言うと「私もヒド

イ顔してるけどごめん」と返ってきた。じゃ、お互いお疲れってことで、

まずは乾杯。この日は7:30~/9:00~/10:30~の3ステー

ジ。平日だから終電の時間にそれほど神経質にならずにいられる。

そして、この夜の竹内直カルテットは、竹内直(sax)、清水絵理子

(p)、俵山昌之(b)、江藤良人(ds)というメンバー。時間になってメン

バーが出てきて、直さんがカウントを取って演奏が始まり、サックスを

吹き始めると、なんともいえない音世界が広がる。結局のところ、私

は竹内さんの出す音が好きなんだな、と思う。一言で言ってカッコイ

イ。そういうものについては私はもう何も説明したくないので、この記

事もいつになくあっさり終ると思う。

ただ驚くべきはこの日のドラムスで、私はほんとにびっくりしてしまっ

た。多彩で立体的なドラムス。江藤良人さんて、ルックスはスキンヘ

ッドでちょっとコワモテだけど、そんなルックスからはとても想像でき

ないほど繊細なドラム・ワークをする人なのだ。なんて言ったらいい

んだろう、芯があって硬く、でもしなやかで軽い、気持ちのいい音。

抑制が効いていて、過剰に叩くことなく、他のメンバーの音を引き立

たせるドラムで、なおかつ確実に他を牽引していく推進力もあって。

そしてどんなにパワフルに叩いても全然うるさくない。とにかくとても

気に入りました。(午前様で家に帰ったのに、それから延々ネットで

江藤さんのCDを探してしまったほど。)

そして、直さんと江藤さんに聞き惚れている間にあっという間にファ

ースト・ステージは終わり。リーダー・バンドを聴きに来たのはまだ2

回目なのに、演奏を終った直さんは何故か私を憶えてくれていて、

「あ、今日はどうも」なんて言うから、私も思わず「もう惚れてますか

ら」なんて言ってしまった。「ハズカシー!」と言ってムンクの叫びみ

たいなポーズをした直さんが可笑しかった。それにしても私はなん

でそういうことをしゃらっと言ってしまうんでしょうか。キミには恥って

もんが無いのか? いつも言ってから恥ずかしい私。

さて、下はお許しをいただいて撮ったこの日の直さんです。

Nao_takeuchi_03

フルートを吹く直さん。

その向こうでピアノを弾いているかわいい人は清水絵里子さん。

Nao_takeuchi_05_2

途中、i -mode で終電を調べつつ、結局3ステージまで聴いてしまっ

た。堪能。曲名がわかって印象に残ったところでは、CDでもさんざん

聴いた『Mission』、『So Many Stars』、『Miles Mode』、それからス

ティーヴィー・ワンダーの『Lately』、私にはイヴァンの歌でお馴染みの

スタンダード・ナンバー、とろけるような音色だった『All The Things

You Are』 がよかった。私は竹内さんの選曲も好きなんだなあ。

ラスト3曲に、遊びに来ていた(?)ドラムスの本田珠也さんがゲスト

出演して、そのハードでやんちゃな叩きっぷりにライブハウスは大盛

り上がり。でも私は江藤さんのドラムスの方が断然よかった。

さすがに思い切り3ステージもやればアンコールは無しで、バタバタ

立ち上がった私たちに、直さん、「これからもよろしくお願いします」

なんて言うのです。NYでも活躍されて、もうすっかり有名な方なのに

なんて腰が低いんでしょうか。もちろん、お願いされなくたって来月も

行きますとも! なんたって惚れてるんですから。

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2007年11月26日 (月)

よくあるはなし

November_sky

そう、ただのよくあるはなし ただ一瞬の熱狂

単に、気まぐれなベルが鳴っただけ それだけのこと


そう、ただのよくある夜に

もろい翼で月を目指したおとぎばなし それだけのこと


ふたりが世界をつくり始めたころに

もしも少しでも”世界の終わり”を考えていたなら

この恋は冷めるには熱すぎると思ったはず


さよなら、親愛なる人よ

気まぐれなベルが鳴ればいいのに

最高に楽しかった、でも、ただのよくあるはなし

(Words & Music by Cole Porter / 対訳:土岐麻子)


***************************************************

コール・ポーターっていう人はとっても粋な人だと思う。

これはこのあいだ友人が持って来た土岐麻子のCDに入ってた曲。

この詞の感じはよくわかる。

宝物だと思って大事にしていたものが、ただの石ころだとわかった

瞬間。あれほど空しいものってないもの。

気持ちよく晴れた10月のある朝、彼女に電話をすると、

彼女はものすごくテンションの低い声で出てきて,、妙にぎこちなく、

あまりに不自然なので、ははぁ~近くに彼氏でもいるのか、と思って

後でそう言ってメールで謝ると、そうではなくて、

少し前に彼氏と別れたんだと言う。

今はまだそのことについて話すと駄目になりそうだから、

落ち着いたら、そうきちさんには話そうと思ってた。

いまは軽い(と、自分では思ってる)鬱と闘ってる毎日。

なんて言うのだ。やれやれ。実に馬鹿げた夢だったけど、ちょっと長

かったから、それは辛かろうね。

それからしばらく経った頃、彼女をライブに誘ってみた。

そこは暗くてインティメートな場所だから、きっといつもの私たちのよう

にくつろげるでしょう。

彼女はまだとてもこの歌を歌えるような状態じゃないだろうけど、でも

彼女もヴォーカリストなら、そんな恋も肥やしにして、いつかこんな風

に軽やかに歌えるようになって欲しいと思う。若かった頃みたいに。

そのライブは明日。

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2007年11月25日 (日)

ホリデイ・スペシャル♡

Kudou_01

金曜日、月光荘を出てきたらもう2時をまわっていて、すっかりお腹がぺこぺこ。

でも、そこは勝手知らない銀座。

私は基本的に家で食べる自分が作る『おうちご飯』がおいしいと思っている人で、珈琲

にしたってかなり(相当)おいしいのを飲んでいると思うし、外で、たとえ珈琲1杯だっ

て不味いものにお金を出したくない、というのがあるのだ。なので、少々時間はかか

るけれど、勝手知ったる表参道まで行く。ここは私の古巣みたいなもの。

年頃の女の子はお洒落でかわいいカフェでランチしたりするのがいいのかなと思った

からなんだけれど、あいにくマディ・カフェはもうランチ・タイムを終了していて、なんと

和風らーめん屋の『だるまや』になってしまった。

結局、だるまやで食べた高菜そばはすごく美味しくて温まってOKだったのだけど。

私が好きで(足繁く、とまではいかないものの)行く店は、地味だけどずっと変わらず

独自の持ち味を守り続けている店なんだなあと思う。この南青山・骨董通り裏の一角

ではもう、うどん屋の『権兵衛』と『カフェ・レジュ』とこの『だるまや』と、そしてケーキの

『クドウ』だけ。そして、だるまやを出たときに思ったのが家で留守番している息子のこ

とで、「ちょっと贅沢だけどクドウでお土産買っていこうか」ということだった。甘いもの

ならなんだって好き、という娘が「いらない」というわけはなくて、さっそく入る。

ここも前に紹介したけれど、昔と全然変わらない。

娘はただただショー・ウィンドーを眺めて迷うばかりなので、私が昔から大好きな『ショ

コラ』と『キルシュ・トルテ』を買った。

Kudou_2

私と息子はどちらかというと甘いものフリークではなくて、変に甘いものを食べるくらい

なら銀杏の炒ったのやピスタチオ、おいしい焼き鳥なんかが食べたいといつも思って

るような、まるで酒飲みみたいな嗜好なんだけれど、クドウのケーキだけは別。

一度に2つだって食べられる。

(娘はこれならホールでも食べられると言った。恐るべし甘党。)

娘はクドウのショー・ウィンドーのケーキ、ぜーんぶ美味しそうで、全部食べてみたいと

思ったそうだ。いつかお金持ちになったらやるんだそうです。私も昔はそういう浅はか

でくだらない、かわいい夢をいっぱい持っていたものだけど。お気に入りのブティック

やセレクト・ショップに入って、「この棚のここからここまで全部いただくわ」、とかね。

あの頃から見たら今の私は仙人みたいです。

さて、クドウにもいろいろケーキはあるけれど、ちょいとそこのお嬢さん、トッピングや

見た目の華やかさに騙されちゃいけねぇ。このショコラのシンプルにして味わい深い

味こそ、クドウってもんでしょう。ものすごくしっとりしてほろ苦さのあるチョコのスポン

ジに包まれた、濃厚で上等なミルクの味のする生クリーム。ほんとに口に入れてしば

らく飲み込みたくないくらいのおいしさです。変に甘いだけのお菓子が好きな輩には

わからんだろうけど。

本当によいもの、本当においしいものにも間違いなく幸せの力があるよなぁ、と思っ

たこの休日。おいしいデザートも食べたことだし3連休最後の今日は私は仕事です。

働け! そうきち!!

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2007年11月24日 (土)

月光荘にゆこう!

Gekkousou_2 

さて、3連休初日の昨日はかねてより行きたいと思っていた『月光

荘』に行って来た。最近は娘も学校にアルバイトにと予定が詰まっ

ていて、なかなかお互いの都合が一致しないのだ。

地下鉄の駅っていうのは降り口ひとつ間違うととんでもない所に出

てしまって困るのだけど、若い頃は恋人と銀座に映画を見に行って

(私の見たい映画というのはたいてい単館上映で分かりづらい場所

にある小さな映画館だったりするから)、さんざん歩き回って結局上

映時間までに映画館にたどり着けず、最後は喧嘩して帰る、なんて

ことがよくあったっけ。そんな不案内な銀座だけれど、銀座なんても

ともとハイエンドな所得層の人の街で、私みたいなローエンドの人が

行くところじゃないと思ってるところがある。なので誰かと出かけると

きは慎重です。銀座のA2出口を出て鳩居堂を右手にして中央通り

をまっすぐ行き、フェラガモを通り越して『資生堂パーラー』と『ザ・ギ

ンザ』の間を入った花椿通りにあるのが『月光荘』。

いつもは『ザ・ギンザ』は見ても小物のとこしか見ないのだけれど、こ

の日は最上階から見ながら降りてきました。

何かを買うため、というよりは娘の物づくり心を刺激するためです。

ザ・ギンザのショー・ウィンドーはすっかりクリスマス!

Ginza_01

ブルー・フォックスをまとったトナカイさん。

私がジャミロクワイのように成功したリッチなロック・スターだったら、

こんなのをしたフォクシーでゴージャスな女の子を連れて歩きたいと

思うかな? でも私はジェーン・バーキンみたいなのが好みだしな、

などとワケのわからんことを思いつつ・・・

Ginza_03

これは資生堂のショー・ウィンドー。

ペーパー・クラフトの巨大なツリーです。

Ginza

そして何やら天麩羅を揚げるいい匂いがしてきたなと思ったら、うど

ん屋の『木屋』さんでした。確かその向かい(つまり通りの左側)だっ

たよな、と思って見たらありました。ホルンマークの月光荘の看板。

そして矢印に沿って行くと、これが入り口。アンティークであたたかい

雰囲気です。

Gekkousou_01

お店の中の雰囲気は月光荘のホームページを見ていただくとして、

中に入ると、わざわざこのためだけに銀座に来た者としては拍子抜

けしてしまうほどの狭さ、簡素さなのでした。置いている画材も実に

シンプルなら、銀座だからってけして高くない! むしろ小さな町の画

材屋さん、て風です。娘がスケッチブックの棚の前に立って眺めてい

ると、すぐに店員の女の子が用途を訊いてくれました。月光荘のスケ

ッチブックは虹の七色でできているそうなんだけれど、紙の厚さも薄

いのから特別に厚いのまであって、水彩画に使うと言った娘は特ア

ツを薦められていました。お店の店員さんはみんな現役の美大生か

画生のよう。じゃないと実際に画材を使った感じを説明できませんも

のね。以下、娘の買ったもの。

Gekkousou_02

赤とピンクの特アツのスケッチブックに、ヌメ皮のキャップの付いた

太い8Bの鉛筆に専用の鉛筆削り、それに『よく消せる』消しゴムに

水彩画用のパレット。ぜんぶ普通のものだけれど、でもよく見るとひ

とつひとつこだわりのあるもの。たとえば鉛筆だっていい感じです。

Gekkousou_03

持ちやすくて、濃くも薄くも自在に描ける。使うほどに飴色になってい

くヌメ皮のキャップもいい。ひとつひとつにきちんとホルンマークが付

いてるのも可愛いですね。6歳まで物心ともに恵まれて育った長男と

違い全然違う育ち方をした下の子は、あまり物を欲しがったりねだっ

たりするということがなくて、あるもので間に合わす、無ければ自分で

作る、ということが徹底した子なんだけれど、この日も赤いスケッチブ

ックを1冊選んだだけだったので、滅多にここまで来ることはないんだ

し、と言って後は私が選びました。パレットはお会計をして店を出ると

きになって見つけて、店員さんの説明を受けて買ったもの。月光荘の

パレットとイーゼルは全部アルミ製なんだそうです。パレットは絵の具

が滲みることなくいつまでもきれいに使えるし、返ってこのアルミの地

の色は絵の具の色が正確にわかるのだとか。イーゼルは木製より重

みを持たせている分しっかりしていて、野外で使うときにもちょっとの

風じゃ倒れないそう。しかもこのパレット、特別高いものじゃないのに

止め具に不具合が生じたら持って来てくれたら直します、とのこと。

素晴らしい! そしてもっと素晴らしかったのは、お会計を済まして

「何か入れる袋をお持ちですか?」と訊かれたこと。そういえばホー

ムページでチラッと見た記憶があるんだけれどすっかり忘れてた! 

月光荘では『ショップバッグの紙袋にお金をかけたりしない代わりに

少しでも安く画材を売る』という創業者橋本兵藏さんの想いから、創

業以来ずっとお客さんにマイバッグを持って来てもらうようにしている

のだそうです。この日私たちは何も持ってなかったので、あり合わせ

の袋(たぶん『銀座あけぼの』の袋)に入れてくれました。

月光荘は地味だけれど知っておきたい、また知っていることが誇りに

なるような素敵なお店だと思いました。そしてこのスケッチブック。

美の黄金率にのっとって作ってあって色がきれい、というだけじゃな

いの! 表紙の裏にはこんな可愛い絵入りで、色の説明になるショ

ート・ストーリーが書かれてありました。岩崎ちひろさんもこの月光荘

のスケッチブックを愛用されていたそうです。

Gekkousou_04

Gekkousou_05

そして、こんな言葉が書いてありました。

幼児教育の基本は色と音、教育の始まり。それをあやまったら

こんなにみじめな物はない。教育は金では買えぬ。

レーニンの第一声 ー 子供には最良の物を与えよ。

これって実にそうだと思う。

私は結婚生活をしているときからそれほど裕福ならざる暮らしをして

いたのだけれど、幼稚園前の長男は近所のアートスクールに週3回

通わせ、幼稚園ではアフタースクールに絵画教室に行かせ、小学校

に入ってから国立に本校がある『アトリエ・ラパン』の出張教室に行か

せ、と、お金が無いなりにアートにはお金を払ってきたし、子供に与え

る紙や画材も、できる限り良いもの、自分が見て使いたい物を与えて

きたつもりだ。それは自分が子供の頃に絵(とピアノ)をやりたかった

のにやらせてもらえなかったこともあるし、何より絵を描く小さい子供

が好きだったから。裕福な家庭の方からしたらそれほど大したことで

はないかもしれないけれど、それはそれなりに子供の中に何かしら

残ったように思う。事実、この日も娘は月光荘をとても気に入っていた

ものね。

アートする子供は素敵だ。

それを見られる私はしあわせだなぁ、と思う。

ちょっとでも絵を描く人は月光荘を訪ねてみて欲しいなと思う。

こんな地味なことをして銀座で創業90周年にはわけがある。

地下ではおいしい珈琲が200円で飲めるし。

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2007年11月23日 (金)

思いつき料理/お豆腐のグラタン

Toufu

昔、新宿にヘルスマジックっていうヘルシーフード・レストランがあっ

て、大好きだった。女友達と待ち合わせるのも男友達と待ち合わせ

るのもそこ。ここでは何を食べてもおいしかったし、何よりオーナー

の大らかな人柄と、椰子の木に電飾が付いたトロピカルな店の雰囲

気がとても良かった。あんまりよく行くので、オーナーに顔を覚えられ

ちゃったくらいだ。特に休日にここでランチをするのが好きだったけど

夜は夜でよかった。ここはピタパンが主なメニューで、粗挽きコショウ

の付いたパストラミにたっぷりのレタスにトマトが挟まったピタ、とか、

変わったところでは大根と牛肉を煮込んだ具の入ったピタ、なんかが

おいしかった。何せヘルシーフードなので豆腐料理もいろいろあった

けど、豆腐のステーキに次いでおいしかったのが豆腐のグラタンだ。

このところずっと、おうどんやらお雑煮やらを食べていたけれどいささ

か飽きたし、やっと何でも食べられるようになってきたし、昨日は久し

ぶりに1人のランチだったので、思い出して適当に作ってみた。

以下、いつもながらいい加減レシピ。

****************************************************

☆材料(1人分):240円の角型『男前豆腐』1丁

          パウチに入った使いきりホワイトソース

          バターひとかけ、味噌大さじ半分くらい

          練りゴマ、ティースプーン2杯くらい

          パルメザンチーズ、好きなだけ。

☆作り方:弱火にした小さめのフライパンにホワイトソースをあけ、お

      豆腐から出る豆乳を入れてスプーンでかき混ぜて伸ばす。

      そこに味噌、練りゴマを順に入れてよくかき混ぜる。

      そのソースの中にスライスした豆腐を入れて、焦がさない

      ように煮立たせる。

      バターを塗ったグラタン皿にフライパンの中身を盛り、チー

      ズをかけてオーブンで焼く。

      表面に焦げ目がついたら出来上がり!

****************************************************

作り方、と言うまでもない。超簡単! オーブンに入れるまでにかか

る所要時間10分か15分くらいだろうか。『男前豆腐』を使うのは、

1人分には量的にちょうどよいのと、水っぽくなく適度に固さのある

お豆腐なのでこの料理に向いているのと、何より豆腐のグラタンな

んだから、豆腐がおいしい方がいいもんね、という理由からです。

やってみるとわかるけれど、ホワイトソースに味噌と練りゴマってすご

くよく合う! 私のイメージでは味噌は白味噌なんだけれど、そんなも

のは家にはないので普通の(うちは『料亭の味』)味噌を使ったけれ

ど、充分においしくいただけました。よいお豆腐を使っても材料費は

たかが知れてます。私はこれだけで充分にお腹いっぱいになったけ

れど、これじゃ足りない!という方は軽く焼いたフランスパンが2かけ

くらいあったらいいかもしれない。それにスモール・サラダを付ければ

立派なカフェ飯です。早い!安い!うまい!おまけにあったまる! 

元気になって俄かにクリエイティビティー(なんちゅーほどのもんじゃ

ないが)がムクムク蘇ってきた私の超お勧め!

(roro ちゃん、味噌だ。これって名古屋人にもウケルかなあ?)

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2007年11月22日 (木)

生き残った実生苗

Mishounae

今朝の9時前までの空はすごかった!

大気が澄み切って、どこまでも見晴らせそうなブルースカイ。

心に哀しみを抱えていたら、むしろ空しくなってしまいそうなくらいの。

好きな人と別れたり、可愛がってた猫が死んじゃったり、大事なもの

を失くしたり、失業したり、病気をしてダウンしたりしても、何事もなか

ったように空は晴れて、それを繰り返して日々は過ぎてゆく。そんな

風にして人の日常はちょっとづつでも前に進む。時には嫌でも。

哀しみは心の引き出しの奥にしまわれて、跡形もなく無くなったりは

しないけど、少しづつ色褪せて、別のフレーバーで遠くない未来に蘇

る。そんなことを考えていた昨日・今日。

去年の秋に種を撒いて今年の春に無事に発芽したものの、ほとんど

全滅したと思っていたバラの実生苗が2株だけ生き残った。ただ水だ

けやって、あとは放ったらかしの栄養のないプランターの土の中で。

ひょろひょろとだいぶ背が伸びてきたので、それを昨日やっと鉢上げ

した。2株はしっかりくっついていて、絡まった根をちょっと無理に引き

離したのと、もう暗くなってから作業をしたのでちょっと弱っているけれ

ど、真冬の寒さにも、今年の真夏のすごい暑さにも、台風の強風と豪

雨にも負けなかった(まるで私みたいな)苗だ。

なんとか育ってくれるでしょう。

プロスペリティの札の前で芽を出した苗だから、プロスペリティの実生

ということになるのだと思うけれど、だとすると白い花が咲くのかな?

このバラの名前は、花が咲いてから付けようと思う。

来年の初夏まで、充実した苗に育ちますように!

Mishounae_01

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2007年11月21日 (水)

通りすがりの猫に

Nyanko

たとえば私について言えば、

お金はいっぱいあるけれど不自由。

よりは、まだ

お金は無くても自由。

のほうを選ぶと思う。

猫も人に飼われれば、

安全で暖かい寝床と日々のご飯は確保できるけれど、

でも人生(猫生)における心躍る冒険は、

自然との優しい触れ合いは、

猫同士のスリリングにして楽しいつきあいは、

何より自由は、

どうなる?

と思う。

もし私に猫語が話せるなら、

安全で快適な部屋と暖かい寝床と確実なご飯と人間の寵愛と、

寒さや暑さの過酷な自然と食うや食わずの毎日と縄張り争いと

そして自由と、

君ならどっちを選ぶ? 

と訊いてみたいもんだよ。

昨日、久しぶりに用があって出かけて、帰りに本屋に行って立ち

読みしていたら、その本には、まだ世界には身売り同然で結婚さ

せられる少女が何万人もいて、この世の真実はあまりに残酷で

病み上がりの頭には少々刺激が強すぎて、くらくらしながら帰って

来た。日々のパンと裕福な暮らしを確保するために、飼い殺しの

ような人生を強要させられる少女たち。彼女たちがもし意思を持

って選べるなら、喜んで野良の人生を選ぶんじゃないか、とか。

でも自由にはいつだって孤独と過酷さがつきものなんだ。

心身ともにタフじゃないとやれない。

もうすぐ冬が来るしね。

帰り際、ブルーの塀に見事な三毛がいたから声をかけたら、

あっという間に塀の奥まで逃げちゃった。

さて、君は自由と安穏とどちらを選ぶ?

訝しげに私を睨む三毛や。

Nyanko_02 

Nyanko_01

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2007年11月20日 (火)

田舎雑煮

Inakazouni_02

風邪をひいて以来、身体を温めるもの、消化の良いお腹に優しいもの

を食べるようにしている私は、このところうどんやお雑煮ばかりです。

今日のお昼は田舎雑煮。

これは大根、ごぼう、里芋、ニンジン、鶏肉が入っていて、豚肉の代

わりに鶏肉、こんにゃくが入っていないことを抜かせば、あとはケンチ

ン汁とほぼ同じ。老舗甘味処の『みつばち』の定番メニューで、一度

食べて気に入って以来、我が家の定番メニューでもあります。

根菜がたっぷり入って栄養豊か、寒い日のお勧め!

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2007年11月19日 (月)

生姜湯の夜

Shougatou

風邪がぶり返して症状が最もピークで寝ていた午前から午後のわず

か数時間の間に何度も電話が鳴って、仕事の電話かと思っていたら

妹が会社から電話していたのだった。今年は春から彼女の病気のこ

とでずいぶん振り回されたから、今度は何事かと思って電話をすると

妹は妙にテンションが高く、彼女の声が痛む頭にビシビシ響いた。

なんでも昨日の夜、父がお風呂場で倒れて救急車を呼ぶ騒ぎになっ

たのだと言う。搬送された病院で検査をしたところ脳にも心臓にも異

常がなくて事なきを得たけれど一応ご報告、と言うのだ。ただ、ある

症状から胃潰瘍か、あるいは年齢的に言って胃がんの可能性も考え

られるから、検査した方がいいと言われた、ということだった。聞いて

いるだけでその時に私にはとてもこたえて、やれやれ、よりにもよっ

てこんな時に。まいったな、と思う。よっぽど妹と私が合わないのか、

それとも家族のことっていうのはどこかで連動してしまうものなのだろ

うか。自分がいつになくひどい風邪をひいていて、移してはいけない

からすぐには行けないこと、治ったら自分が父を病院に検査に連れて

ゆくことなどを言って切った。それが水曜。

そしてやっと風邪からも立ち直って2週間ぶりでスイミングに行った日

の夜だ。3時半に帰ってその日2度目の食事を普通にして何事もな

かったのに、夕飯の後、デザートのリンゴを食べているときにそれは

突然来た。ものすごい腹痛! 息が止るかのような激痛に慌ててトイ

レでうずくまると、一気に全身から汗が噴出して、着ているものがぐっ

しょりしてしまう。それから激しい下痢・・・。トイレから出て床に倒れこ

んだときには、もう顔面真っ白だったようだ。大げさじゃなく、ほんとに

死ぬかと思った。さすがに息子も驚いて、その日は代わりにキッチン

の洗いものをしてくれた。私はお風呂で温まって早く寝たけれど、腹

痛で夜中に何度も起きて眠れないまま。結局、翌朝目覚めても腹痛

は治まらず、血便が出たときにはさすがにもうこれはいよいよ病院だ

と思う。ネットで少し調べて、子供の頃、自分が腸が弱かったことなど

思い出す。なんとか子供の朝食の支度をしてバイトに送り出し、午後

まで眠る。目覚めてやっと動けそうだったから近所の病院の救急外

来まで行ってみたけれど、あいにくその日の当直は外科の先生しか

いなくて診られないという。他の病院の名前も挙げられたけれど、他

に行く元気はなかったので、結局家で夕方まで寝ていた。

それからなんとか暮らしている。あまりの激痛だったので食べること

が怖くなってしまってこわごわしているところはあるけれど、子供の頃

の経験から腸が悪いときは油物は摂っちゃいけないと知っているから

3度の食事はなるたけ油を抜いて刺激物は摂らず、温かいものをゆっ

くり食べるようにして。結局それでなんとかなっている。何が原因だっ

たのかはわからない。今朝になって友人の医者から来たメールによ

れば、私の腹痛は風邪からきたノロウイルスじゃないかってことだっ

た。それにはラクティス(乳酸菌生成エキス)がベストだけれど、無け

れば生姜の入った葛湯もある程度は効きます、とあったから、またも

やツムラの葛湯を買って来た。

先日、数年前の日記代わりにしていた手帳をシュレッドしていて見つ

けた『空亡』(くうぼう)という言葉。いわゆる『天中殺』とほぼ同義語

なのだけれど、なんとそれによると私は去年と今年がそれに当たって

いるのだった。前回、つまり12年前の空亡年の空亡月に家庭のカタ

ストロフィーに襲われた私としては、注意のために次のことが書かれ

た記事を切り抜いて手帳に貼っていたのだと思うのだけれど、そんな

こと全然気にしていなかっただけに、ちょっと驚いた。あらためてそれ

で今年はこんなに大変だったのかと思うのと同時に、この12年間の

様々なことが一気に思い出されて、なんだかひどく感慨深かった。借

家の老朽化にによる立ち退き請求や寒い暮れの引越し、会社の経

営不振による度重なる失業や、母の病気と死、それから子供の問題

本当になんていろいろあった12年だろう。そしてあろうことか私の相

手も私と同じ空亡の持ち主なのだった。だから自分が最も辛いときに

は、やっぱり相手の安否のことを考えずにはいられない。なんて因果

なことだろう。私がいま思うのは、これが終るまでのあと2ヶ月強を、

なんとか無事に乗り越えることだ。空亡明け、子年の来年は、数字で

言えば1と同じ。流れが変わる新しい年のスタートを、気持ちよく迎え

たいと思う。

ちなみに『空亡』とは怖れるべきものではないということです。ただそ

の時期を知って、それに備えるのはいいことではないかと思う。

このサイトに、自分の空亡の割り出し方が載っています。参考まで。

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2007年11月16日 (金)

11月の薔薇②

07sharifa_asma07

火曜の朝に久しぶりにすっきり目覚めて、カーテンの隙間から射し込

む一条の光の中にキラキラ舞い散る埃を、まるで神の恩寵か何かの

ようにうっとり眺めて、もうすっかり良くなったと思ったのも束の間。

風邪菌を追い出そうとシーツから布団カバーから干しきれないほど洗

って、掃除もして、張り切りすぎたのがいけなかったのか、夜からま

た風邪がぶり返してしまった。最悪なことにとうとう1番怖れていた咽

喉をやられて、その日の夜は咳で眠れず。水曜の朝は子供を送り出

した後で、ついに寝込むこと数時間。午後遅くのろのろと支度をして、

ポストに郵便物を入れ、夕飯の買い物に行く。ドラッグストアでさんざ

ん迷って風邪薬とツムラの生姜湯を買った。なんとその日寝たのは

10時半だ。この10年のことだけ考えたって、そんなに早く寝たのは

たぶん初めてだと思う。さんざん迷って買っただけあって(?)買い薬

が思いのほか効いて、怖れていた風邪スパイラルに陥ることなく、な

んとかなった。今朝は6時にすっきり起きられたし、もうだいじょうぶだ

と思う。私が風邪をひいていたここ数日は気持ちよく晴れて、11月と

も思えない暖かさの日が続いた。空気も澄み切って、ベランダから遠

くの山の稜線がはっきりと見えたほど。そして昨日はラジオからグッ

ド・ニュースが流れてきた。去年の7月に喉頭癌と診断されて闘病生

活を送っていた忌野清志郎が、完全復活のニュース。よかった! 

ずっと気になっていたんだ。ラジオから聴こえてきたビートルズのカバ

ー『Don't let me down』を聴く限りでは発声にキツイところがありそう

な感じがしたけれど、でも声帯を損傷することなく復帰できたのはほ

んとにほんとによかった。

そして今日金曜は20度もあった昨日までとは打って変わって、15度

しかない冬の陽気。でも明日はスイミングの日だ!

水曜日にはプールで泳ぐなんてことがとても遠い遠いことのように感

じられたのに、今はもう泳ぐ気でいる。外の寒さもなんのその。無謀と

言うなかれ。たぶん人は自分でだいじょぶと思った瞬間に、もうだい

じょぶなんだと思う。明日はビリからでもいいからのんびり行く。重力

から開放されるその瞬間のことを、私は今から想像している。

健康に感謝!

さて、バラは植え替えのシーズンを迎えたけれど、私は今年は植え

替えをしないことに決めました。特に理由はありません。

写真はシャリファ・アスマとグラミス・キャッスル。

07gramis_castle_10

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2007年11月12日 (月)

風邪っぴきとカボスとミルキー・ヴォイス

Kabosu_02_3

昨日私がもらったのと娘が持って帰って来たので大きな大根が2本。

大根ばかりこんなにあっても食べきれないので、近所の友人にあげ

たいと思うのだけれど、今日も私は頭痛・肩こり・筋肉痛・クシャミ・鼻

水・鼻詰まりアーンド咽喉の痛みと、風邪という名の症候群のオンパ

レードで超・絶不調なので、学園祭の代休で家にいた娘に持って行

ってもらう。先日アップした子供用のベレー帽とともに。

そしたら、かわりにカボスがやってきた。

彼女の母が送ってくれた、一般には流通しないミカンみたいな色を

した無農薬のカボスだよ、と言う。彼女の実家は福岡。この黄色い

のはジューシーだから、かぼすジュースにして飲めるよ、ビタミンい

っぱい摂ってくれえ、と言うので、さっそくジュースにしてみました。

Kabosu_2

ブラウンシュガーを入れて甘くしたら、レモンほどの酸味もなくて飲み

やすい。そしてカボスが入ってた紙袋の中にはCDが1枚。

彼女が最近お気に入りの土岐麻子(とき・あさこ)だそうだ。

子供とランチをしながらさっそく聴く。

Toki_asako



TOKI ASAKO


STANDARDS

on the sofa





軽快なJAZZピアノに乗って柔らかい声がスウィングする。「風邪には

ちょうどいい音楽だな」と言ったら、息子が「ミルキーみたいだね」と言

う。小さい頃からキミは実にうまいこと言うな。まさにそんな感じの声

だ。ミルキー・ヴォイス。クリアーで明晰な英語の発音。柔らかく軽い

浮遊感のある歌い方。力の抜け具合と声の響かせ方がうまい。選曲

もアレンジもいい。昼間のカフェに合うポップJAZZといった感じ。CD

ケースに挟まってた帯を見たら『大反響を受けた名盤"STANDARS"

の第2弾!シンガーとしての可能性をさらに期待させる、極上のジャ

ズ・カバーアルバム』とあった。大反響か。ってことはつまりジャズヴ

ォーカルにも需要はあるってことよね、つまり、やり方次第で。売れて

るのはケイコ・リーだけではないってことよ、と思う。バックを固めてる

のはみんなJAZZの大御所で、ピアノもベースもサックスもいいんだ

けど、特にセシル・モンローのハイハットの音が気持ちよかった。でも

惜しいかな。9曲中7曲目まではとてもいいのに、何ゆえローリング・

ストーンズの『Satisfaction』なんかカバーしたんでしょう。最後の2曲

はいらない。それとスティーヴィー・ワンダーの『Another Star』はもっ

と苦しく切なくなくちゃね。こんなにあっけらかんと歌われちゃ。これは

M・Sが歌った方がずっといいと思うな。今度そう言ってリクエストして

みよう。それから『Little Girl Blue』はこんなに若い子が歌うより、もう

若くなくなったかつての少女、リッキー・リーが歌った方がもっと切実

で似合うだろうな、なんて思う。かくも音楽は、特にヴォーカルものは

難しい。でも、これはこれで悪くない。充分にもう1枚別のを聴いてみ

たいと思わせるくらいに良いと思う。

昨日、最悪の状態で早朝に起きて、再び横になってうつらうつらして

いたときにラジオから聞こえてきたのは森大輔の『雨雲』。そんなに

具合が悪くても音楽に気をとられる私ってなんなの、と思うけれど。

私がいま気になっている(聴いてみたい)ヴォーカリストは秦基博と

森大輔です。友人は「そうちゃんもついてないわねぇ」と言うのだけ

れど、身体は絶不調なれど精神的には落っこちてないので、私はい

たって(?)OKです。ただ鼻が詰まってる上に舌が荒れているので

味がよくわからず、こんなアタシにメシを作れってのは無理な話だろ

うと思う。昨日作ったケンチン汁はまぁまぁだったけど、しめじとショ

ウガのご飯は薄味すぎて味がせず。でもって今夜はお雑煮でした。

前にお餅はパワー・フードだ、最近ついてないなぁというときにはお餅

を食べるとよい、と聞いて以来、不調なとき、元気を出したいときは

お餅を食べる。けっこう単純な私です。

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2007年11月11日 (日)

ぼくは風邪をひいて

Ginnan

春先に娘が風邪をひいてなかなか咳が治らなくて長引いたときも、夜

中に土砂降りにあってびしょ濡れで帰って来たときも、睡魔に襲われ

てついうっかり寒い寒いと思いつつ床でうたた寝してしまったときも、

風邪をひくことはなかったから、もう私は風邪はひかないんだと思って

た。ところが、あろうことかこの段に及んで風邪をひいてしまった。息

子の風邪菌がいつもより強力だったのか、それとも先日の耳のダメ

ージ以来すっかり免疫力が落ちてしまっていたのか。1週間に1度ち

ゃんとプールで泳いでいるときはこんなことにはならないから、やっぱ

り先月ひと月休んだのがまずかったのかなぁ。ここ数年、風邪をひい

ても寝込んだことはなく、いつもどおりの日常をやりながらあっさり治

っていたのに、どうやら今回はそうもいかなさそうな気配。何よりまず

いのは私の最大のウィークポイントである咽喉が痛いこと。これはか

なりまずい・・・

今日はほんとは朝9時半までに娘の学校に行って学園祭の露店の

手伝いをしなきゃならなかったのに、絶不調で行けなくなる。広報の

仲間からは「無理して来なくてもいい」と言われたけれど、家で寝た

りすると風邪が本格化しそうで、午後から写真だけ撮りに行く。たま

たま会った広報の元気な主婦に連れられて、食品化学科の子供が

作った手作りこんにゃくの味噌田楽や大学芋やケーキの試食をした。

昨日今日こんな天気なのに学生はいたって楽しそう。この雨で馬術

部のイベントだけが中止になったそうでかわいそうだ。園芸科学科の

棟の中庭では、子供が育てた野菜や草花や観葉植物が売ってい

た。京成ローズなど業者も数社来ていた。パックに入ったギンナン

を見つけて買った。それと梅干。梅干は見た目はすごく悪いのだけ

ど、紫蘇と塩だけで作った無添加だそうだ。これを湯のみに入れて

熱湯を入れて飲むと風邪に効くんじゃなかったっけ?

帰ってギンナンをフライパンで炒って食べる。息子が小さかった頃

はよく実家に預けて働いていたので、息子はおばあちゃんっ子だ。

彼女はギンナンが好きで、よくこんな風にフライパンで炒っては孫

に食べさせていた。テーブルで向かい合ってギンナンの殻を剥く。

キッチンバサミの柄のギザギザのところで挟んで割るとパチっとい

う音がする。「静かだね」と息子が言う。「この静かさが冬って感じだ

ね」と言い、「なんかかなしいね」と続ける。

いつだか娘に、「だんだん日が短くなって、暗くなるのが早くなってさ

みしいね」と言ったら、娘はあっけらかんと「そうお?全然!もうすぐ

クリスマスでお正月だぁ~!」とにこにこしながら言っていた。

同じきょうだいなのに、どうしてこうも違うんでしょう。

下は娘が持って帰って来た『秋王』。

2日も学校に展示していたから少し柔らかくなっているけど、大きい!

Akiou

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2007年11月10日 (土)

11月の薔薇

Mllefranziska_kruger13

バラの写真も撮るだけ撮ってアップしないままに過ぎている。

いっぱいあるけれど今日は今朝撮ったのを。

暗い雨の土曜日の朝に、見事なまでのグラディエーションが鮮やか

な、マドモアゼル・フランチェスカ・クリューガー。

これはバック・スタイル。

自分でバラを育てて日常的に写真を撮ってブログにアップするよう

になって、ジョージア・オキーフ並に花を観察しているなと思う。

Mllefranziska_kruger14

秋からもう何度もアップしているこのバラを、私が特別好きかという

と実はそうでもないのだけれど、きわめてオールドローズ的なバラ

だなと思う。複雑にして繊細なニュアンス。イングリッシュローズの

ように完璧じゃないだけに作り出される、不完全なニュアンス。

わざわざその不完全なところに惹かれる、なんていうのも、実に人

間的というか、そんなのって人間だけじゃないかと思う。

Mllefranziska_kruger15

たとえば数日前の写真と較べたってこんなに違う。

Mllefranziska_kruger16

Mllefranziska_kruger17 

男であれ女であれ、会うたびに違った印象を感じさせる人が好きだ。

滅多に人に惹かれることもないし、いずれ手の内は全てバレるのだ

ろうけど、もしそんな人に出会ったら、思うさま私を煙に巻いてくれ!

と思う。

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寒い日のあったかスープ

Soup

この週末は娘の文化祭だというのに朝からひどい雨だ。

とうぜん気温も一気に下って、今日は11月下旬の陽気だという。

さて昨日、風邪っぴきの息子のために夕飯に何を作ろうか考えてい

たところに、娘がにこにこして帰って来た。「お母さん、今日大根抜い

てきたよ!秋王っていう大根だよ!」と言って目の前に差し出された

泥だらけの大根。洗って葉と長いしっぽを切り落としたらすごく瑞々し

い。それでピンときて思いつきで作ったのが大根と肉団子のスープ。

何ゆえ思いつきで作ったのと、私の料理は勘だけでかなりいい加減

なので、あくまで参考までに以下レシピ。

****************************************************

①大きめの鍋に湯を沸かし市販の(粉末の)鶏がらスープを溶かす。

②①に皮を剥き適当な厚さに輪切りにした大根を6等分して入れる。

③②にショウガひとかけを千切りにしたのを入れて、大根が透き通る

 まで煮る。

④肉団子を作る。豚肉300グラムにみじん切りにした長ネギ2本分、

 卵1個、ショウガ汁(大ひとかけ)、塩・コショウ・酒・醤油、ごま油

 少々、片栗粉大さじ1を入れて、ちょっと白っぽくなってくるまでよく

 捏ねる。

⑤③の沸騰する鍋の上で、④の肉団子のタネを左手に適量握り、親

 指と人差し指で輪っかを作るようにしてタネをひねり出し、右手のス

 プーンで取ってスープの中に次々落とす。お酒を少々入れる。

⑥⑤にざく切りにしたエノキダケ、青梗菜、ゴマを入れて、味をみなが

 ら醤油、塩を入れて味を調える。最後にカップ1杯分の水で溶いた

 片栗粉を入れて、とろみをつけて出来上がり!

****************************************************

このスープ、風邪をひいたときにはスープにも肉団子にもたっぷりショ

ウガを入れるといいと思う。私はゴマ好きなのでゴマもたっぷり。最

後に片栗粉でとろみをつけることでさらにスープが冷めにくくなる。

熱々でいただいたスープは、まさに風邪に効きそうな感じ!

特に畑から抜いてきたばかりの『秋王』という大根は、まったく癖がな

く瑞々しくて、煮たら冬瓜のようにとろとろになっておいしかった。煮た

大根があまり好きじゃない息子も、「どうせスーパーで売ってる大根と

同じだろうと思ったけど、これはうまいね」なーんて失礼なことを妹に

言っていた。

夏のキュウリに次いで今は大根を育てている娘によると、今季は2種

類の大根を1人3株ずつ植えたのだそうだ。『秋王』と『三浦』。

今まで大根の品種なんて考えたこともなかったけれど、品種によって

かなりお味も違うものなのでしょうか?

ちなみに上の写真に写ってる白いのはスイトン。

今日の私1人のお昼は昨日のスープにスイトンを入れて食べたので

した。これもまた温まってよろし♪

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2007年11月 9日 (金)

風邪の季節です。

Vicks_2

今日はお陽さまがないせいか、ずいぶん冷え込んだ。

空気もだいぶ乾燥しているらしく、昨日たっぷり水をあげたミニバラの

小さなプラ鉢の土が、もうカラカラになっている。

ラジオを聞いていたらさっそくこの冬の冷え対策をやっていて、身体を

温めるには紅茶がいい、と言っていた。医者のアドバイスによると、

自分が冷え性かどうかわからない人のいちばん簡単な調べ方は、朝

目覚めたときに布団のなかで自分のお腹に触ってみて、冷たいと感

じたら冷え性なのだそうだ。さらに効果的な身体の温め方として500

ミリリットルのペットボトルにお湯を入れて湯たんぽ代わりするやり方

を教えていた。そのとき、冷えた指先なんかを温めるより筋肉の多い

部分、お腹の中心とか腰とか太腿を温めるのがいいらしい。それで

全身が温まるそうだ。私は身体を温めるのにはもっぱらリーナスケン

ズという北欧家具・雑貨を扱っているサイトで買った、デンマーク製の

ウィートヒートというのを愛用している。細長い麻の袋の中に有機栽

培の麦が入っていて、それを電子レンジで温めて使う。同じく麻のカ

バーにはマジックテープが付いていて、それをベルトみたいに身体に

巻いて使うんだけれど、これはどこにでも巻けてすごく便利です。適

度に重みがあって、暖かさも持続する。私は寒いとき、身体が凝って

いるときにはこれで、首の後ろ、肩、背中、お腹、腰、腿、なんかをあ

っためてます。昨日も友人に教えたばかりだけど、いまちょうどウィー

トヒートの半額セールをやっているので、気になった方はどうぞ。

☆リースナケンズ →  http://store.yahoo.co.jp/tic/belt.html

そして毎年この時期きまって真っ先に風邪をひくのが息子で、彼はお

とといから、風邪をひいて調子が悪い。おまけにそんなときに限って

連日アルバイトが入っているのだ。なんてヤワなヤツなの、なんて言

っていたら、今朝は私もちょっと咽喉が気になるじゃないか。

おいおい、やめてくれよ。せっかくモチベーションが上がってきたとこ

ろなんだから。

これは空気が乾燥しているからだろうと加湿器を出した。ヴィックス

社のこの加湿器は、蒸気の噴出し口近くの小さなトレイに専用のリ

フレッシュ(アロマ)オイルを入れると、蒸気と共にオイルの香りがし

てくる、というもの。スイッチを入れてしばらくすると、ほのかにユーカ

リとミントの香りがしてくる。それからジンジャー・ティーを入れた。紅

茶にすり下ろしたショウガ汁を少し入れて、ハチミツを入れる。風邪

ひきさんがいるから、夕飯もたっぷりショウガを使った料理にしよう。

今年もまた風邪の季節です。皆さまもどうかご自愛のほど。

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2007年11月 8日 (木)

クロゼットから出てきたもの

Boushi_2

さて、突然ですが、これ ↑ はなんでしょう?

ハイ! ベレー帽です。

子供用のベレー帽が4つ。

今日は、たしかクロゼットの奥に、ずーっともう何年も日の目を見てな

いバッグがあったよなぁ、あれもオークションに出して処分してしまお

うかなぁと探していたときに、先に出てきたのがこれなのでした。

私は小さかった子供に帽子をかぶせるのが大好きで、いろいろな帽

子をかぶせた。手をつないで歩く子供のかぶる帽子の色が変わって

季節の変わったのを知っていたくらいだ。子供も小さいときからかぶ

り慣れているから、帽子を嫌がることは全然なかった。2人の性別の

違う子供にはいろいろな帽子をかぶせたけれど、冬、コートやジャケ

ットを着るようになる頃はべレー。特におでこが広い息子はこれがと

ても似合って、私の友人からはよく「フランスの男の子みたい!」

なんて言われたものだ。これは当時好きだった子供服のKP(ニット

プランナー)のもので、ワンポイントにこんなかわいいうさぎの刺繍が

してある。

Boushi_01

この帽子は近所の小さな女の子のところへ行くことになった。

その子の髪は柔らかいオリーブ・ブラウンの巻き毛だから、彼女にも

きっとこの帽子は似合うでしょう。

そして肝心のバッグはというと、きれいにして買ったとき入っていたネ

ルの袋に入れてしまってあったにもかかわらず、出してみたら、とこ

ろどころ白くカビが出て、皮にシミができていた。ガ~ン・・・

Elcaballo02

やっぱり服でも着物でもバッグでも食器でも、しまっておいたら駄目

で、着たり使ったりしないと駄目なのね。

しばらく眺めていたら、去年の秋にブーツを買ったときに皮専用の

クリーナーを買ってあったことを思い出して、それで拭くことにした。

皮にできたシミは取れなかったけれど、なんとか使えるくらいにきれ

いになりました。

Elcaballo01

エルカバロのショルダー・バッグ。

ファッション好きな人なら憶えているかもしれない。

いまこんな形のバッグを持って歩いている人はいないけど、当時はこ

の形のバッグがすごく流行って、中でも私はこのエルカバロのバッグ

がとても気に入って誕生日に買ってもらったのだった。いまはこういう

しっかりした皮のカチっとしたバッグじゃなくて、柔らかい皮でできたソ

フトなバッグが主流らしい。風水学的にみればクロゼットの奥にずー

っとしまってあってカビの生えたバッグなんて処分した方がいいに決

まってるだろうけど、クリーニングしていたらこれを誕生日にもらった

ときのことなど思い出されて、なんだか処分できなくなってしまった。

最近とみに流行、なんちゅうもんがどうでもよくなってきたことではあ

るし、いっそ使い倒してやろうか、なんて考えている。

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2007年11月 6日 (火)

いらないものを捨てる

Gomi

シュレッダーが届いてから、時間をみつけては部屋の中を整理してい

る。昨日は夕方から夜中までかかって引き出しの中の細々した物を

整理した。長いこと後生大事にとっておいたものたちをシュレッドして

捨てる。不要になった仕事のマテリアルや古い領収書やテキスト、ス

クラップしようと思って切り抜いた雑誌の記事や自分の手帳や日記

覚え書き、友人から来た手紙やポストカード。とっておかなくてはな

らない必要書類を除いて、それ以外は中に何が書いてあるかなど考

えずにシュレッダーにかける。読み始めたりしたら、きっとまた捨てら

れなくなるから。終ったら机の引き出しにもFAX置きにしているチェス

トの引き出しにもずいぶん空きスペースができた。捨てられないもの

など、本当はごくわずかしかないのだ。

そして今朝は仕事の前に天袋の中を片づけた。今の暮らしになって

から2回引越しをしたけれど、私は未だにどこにいても仮住まいのよ

うな、どこか暫定的な暮らしをしているような気分が抜けなくて、ここ

からはいつか使うかもしれないからと思って取っておいた厚手の段

ボール箱がいっぱい出てきた。それから前の家で使っていたフレー

ムに自分で貝殻とビーチグラスを付けた鏡、絵の額、壊れたボーズ

の古いスピーカー、虫取り網に虫取りかご、砂浜の砂が付いたGAP

のビーチサンダル・・・。とりあえず厚手のダンボールをまとめて縛っ

て、燃えないゴミの袋に入れられるはみんな入れる。あとは粗大ゴミ

に出さねばならない。天袋もほとんど空になった。私はやるまでに時

間がかかってしまうタイプだけれど、始めてしまえば徹底的にやる。

スイッチが入ったのだ。肝心なのは自分にスイッチを入れることだ。

なぜそうなったかといえば少し前に友人に掃除力の本をもらったから

だし、11月になったのと、この間までずっと不調だったのからやっと

抜け出したせいもある。先日、近所で火事があったことも動機のひと

つになった。

ただ紙をシュレッドして捨てるだけでも、私がここ数年、何を考えて何

に執着し、どういう無駄をしながら暮らしてきたのかがわかる。離婚し

て子供との暮らしの生計を自分で立てなきゃならないようになって、

少しでも良い方向に行けるように、専業主婦でいたときには考えもし

なかったようなことにチャレンジしたり、同じことをやっても成功する人

と失敗する人の違いを知りたくて成功法則を学んだり、自分の能力を

アップするために右脳開発に興味を持ったりした。結果、うまくいった

こともあれば失敗したこともあるし、得たものもあれば失ったものもあ

る。いま思えば高い授業料だったと思うこともあるけれど、どれもいま

の自分に至るには必要なプロセスだったのだと思う。ときどき人から

「私はあなたみたいにポジティブにはなれない」と言われたりするけ

れど、それは多分「なれない」のではなくて、ならなくても生きてゆけ

る環境にあるから「ならない」だけだと思う。荷物が重くて自分で持て

なくても、代わりに持ってくれる人がいるから。自分しかいなかったら

重くても自分で持つしかないのだ。

そんな風に今までは自分を変えることだけを考えて奔走してきた私だ

けれど、最近興味を持っているのが風水だ。風水とは、『氣』の力を

利用して、環境を整えることから人が持っている運を変えていく環境

学。『環境が人をつくる。環境が運を開く』と考える風水では、ともする

とその人自体を変えるより、環境を変えるほうがずっとパワフルだと

いう。先日のミリキタニを見たってそうだ。最初はいかにも風変わりな

小汚いホームレスだったミリキタニだけど、環境が改善されてゆくごと

に身綺麗になり背筋がしゃんとしてどんどん若返ってゆく。最後に国

からの給付も得てケア付き老人ホームの広くて清潔な部屋で暮らし

始めたときには、もうすっかり自立した82歳とも思えぬ一国一条の

主の顔をしていた。環境が人をつくるのだ。

というわけで、とうぶんいらないものを捨てようと思う。捨てられない

ものはオークションに出した。そしてそれが済んだらこんどは『拭く』。

とにかくどこもかしこも、今まで拭いたことのないようなところまで拭き

まくろうと思う。そして今年は絶対に暮れに大掃除はしない! 

早々に家をきれいにしたら、暮れはライブにでも行ってしまおうと思う

のだ。いつもと違う結果が欲しいと思ったら、いつもと違うことをやる

こと。これも私が学んだ成功法則のひとつです。

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2007年11月 5日 (月)

真正の芸術家魂/ミリキタニの猫

Mirikitani

ある寒い冬の夕方、夕飯の買い物から帰って来ると階段で下の部屋

の子が遊んでいた。ドアの前にはランドセル。どうやらカギを持って出

るのを忘れて部屋に入れないらしい。下の部屋の夫婦は共働きで、

母親が帰って来るまでにはまだ1時間以上もある。実を言うと私はそ

の母親があまり好きではないのだった。美しくないから。外見だけの

ことを言っているのではない。でも子供はいたって屈託なく話しかけ

てくるし、見ればひどく薄着で寒そうなのだった。「おうちに入れない

んだったら、うちに来て待ってれば? 寒いでしょ」と私はその子に言

った。子供は「いい」と首を振る。「お母さんによその家に行っちゃい

けないって言われてるんだったら、おばさんがうまく言ってあげるから

だいじょぶよ」と言ってみたけれど、子供はやっぱり「いい。ここで遊

んでれば寒くないから」と言う。「じゃあ、待ってられなくなっちゃったら

おいでね。すぐ上だから」と言って私は自分の部屋に入った。

真冬にはマイナス10度以上になることさえあるニューヨーク・ソーホ

ーの路上で、その老人はひたすら絵を描いて暮らしている。ある日た

またまリンダはその老人と出会った。そして老人に言われる。「絵を

あげるから代わりにワシを撮ってくれないか?」「OK」。それが全て

の始まりだった。仕事の合間にリンダはときどきその老人のところへ

行ってカメラを回し、温かい珈琲を差し入れたり寒さを気遣ったりする

けれど、でもそれ以上は彼の路上生活に干渉もしなければ介入もし

ない。それが変わったのはあの2001年、9.11のときだ。目の前で

崩れ落ちるツインタワー。突然のカタストロフィーにパニックになる人

々の中で、その老人だけはいつもと変わらずに絵を描いていた。空を

どす黒い有毒ガスの雲が覆い、粉塵が舞い散るなか、ときどき咳をし

ながら。それがリンダの目に入ったとき、彼女の口から自然に出たの

は「うちにいらっしゃい」だった。ホームレスの老人に思わずそう言っ

てしまったのは彼が咳をしていたから、だ。老人の名はミリキタニ。

漢字では三力谷、と書くそうだ。カリフォルニア州サクラメント生まれ

広島育ちの彼は、絵画のグラン・マスター。戦争を嫌い平和と自由を

こよなく愛する真正のアーティストだ。この時80歳。

そして、それまで猫1匹と気儘に暮らしていたワーキング・ウーマンの

リンダとミリキタニの不思議な共同生活が始まる ・・・

この映画はドキュメンタリーだ。作り物じゃない真実の話というのは実

に説得力があるものだけれど、それ以上に本物だと感じさせるのはミ

リキタニのアートと、彼のアーティストとしての本質だ。どこか岡本太

郎を彷彿とさせるミリキタニの老いた指から描き出される、80歳とは

思えぬ燃えるような赤と繊細なタッチ。軍事主義の日本で、「私は兵

隊にはならない。私はアーティストだ。戦争じゃなくて芸術を!」と言

える日本人がいたとは。そしてそれを生涯に渡り、いついかなるとき

にも貫き通してきたとは。驚きだ。

その燃えるような意思こそが彼をアーティストたらしめ、マイナス10

度の寒さの中でさえ凍え死ぬことなく生きながらえさせてきたのだろ

う。ストーリーについてこれ以上語ることはしないが、戦争が、アメリ

カという国が、この1人の希望あふれる日系人アーティストの人生か

ら奪い去ったものを、同じアメリカ国籍の1人の女性が補う。

最初彼女がミリキタニに声をかけたのは私が子供に声をかけたのと

同じくらいのことだったはずだけれど、その後に彼女がしたことは到

底誰にでもできることじゃない。血縁だってあそこまでできるかどうか

わからない。リンダの優しさと根気強い尽力によって、老人の頑なな

心は温かい湯をかけたように氷解し、怒りは許しへと変わってゆく。

人は人によってのみ救われる、ということなのだと思う。もちろん、猫

や犬にだって救われる、という人はいっぱいいるだろうけど、それは

私の持論なのです。私が人より猫や犬の方がずっといい、なんて言

うようになったら、それこそお終いだと思う。

Mirikitani_01_3   

  ☆ ミリキタニの猫  渋谷ユーロスペースで。9日まで。

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2007年11月 4日 (日)

火事だ!!

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気持ち良い秋晴れになったこの週末、今週はいつもの週末より早く

起きて、今朝も朝食のあとベランダに出てガーデニングでもしようと

思っていたら、アルバイトに行く支度をしていた娘が「火事だよ!」

と言いながら部屋から出てきた。驚いて外を見れば、目の前の住宅

(9号棟)からはすでに煙がモクモク出ているじゃないか。近隣の家

からは「大変よ!火事よ。火事!」と叫びながら出てくる人たち。けた

たましく鳴り出す非常ベルの音。それに驚いた9号棟の3階の住人

たちも、慌てて外に出て火の元と思われる部屋のドアを叩くけれど全

然返事がない。パニックでヒステリーを起こして大声で怒鳴り続ける

おばさん、開かない扉を叩き破ろうとする男性、周囲に集まってくる

野次馬でもう大騒ぎ。中の住人から何も返答が無いのは、この煙で

すでに中で一酸化炭素中毒にでもなって倒れているとか?! 

見る間に煙の量はすごくなってくるし、ここは消防署からは目と鼻の

先の位置にあるというのに、いっこうに消防車も来ない。いつか、火

事ではないけれど夜中に起きた事件で、近隣の住民の多くが殺され

た女性の叫び声を聞いていながら、誰もが「きっともう誰かがとっくに

連絡してるさ」と高をくくって結局、誰も警察に電話しなかった集団心

理の怖さというのをやっていたから、一応消防署に通報すると、すで

に複数の通報があっていま現地に向かっているところだと言う。

言葉どおり、ほどなくして派手なサイレンを鳴らして消防車がやって

来た。なんと5台も! その頃にはもうすごい煙。ケミカル素材が燃

えるときの黒い煙と嫌な匂いが充満して、思わず開けていた窓を閉

める。

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071104kaji_01_2 

見ていると、ただ闇雲に急いで中に突入すればいいってものではな

いらしく、放水用のホースが慎重に運びこまれて消防員が配置に付

くと、やっと応答の無い部屋のドアを破って中に放水を始めた。てっ

きりすぐに中から住人が救助されるのだろうと思って見ていたら、ど

うやらその気配はなく、この部屋の住人は留守だったらしい。

071104kaji_02

結局、その約1時間後にはほぼ火は消し止められた。

これだけの煙が上がって怪我人の1人も出ずに済んだのは不幸中の

幸いだと思うけれど、しかし火の元の部屋の住人も留守なら、その両

隣りも、放水で漏水が心配される直下階の住人も留守ということは、

このあとが大変だろうなと思う。いつかメンテナンスの人が来て、各

部屋に非常ベル付きの煙探知機を設置して行ったのが今年の初夏

頃。この住宅の住民も高齢化が激しく、まして9号棟は身障者向け

仕様の住宅で身障者の入居者も多い。これからますますこういう事

故は増えていくんじゃないかと思う。それに留守中の火事ともなれば

うちだってとても他人事ではないから、原因を追究してその対策を教

えてもらいたいとも思う。

もう鎮火から早数時間が過ぎたけれど、まだ周囲には消防車が何台

か残っていて、問題の部屋のドアには黄色いテープが貼られ、警察

官立会いのもとずっと詳細な現場検証が行われている。

お陰でのんびりした平穏な日曜の朝の気分はどこへやら、身体のど

こかに興奮と緊張が残ってしまったまま落ち着かない。すっかり調子

が狂ってひどく疲れてしまった。

これから気温が下って大気が乾燥する季節は火事の季節でもある。

大掃除をしながら消防車のサイレンの音を聞くのも毎年のこと。泥棒

より根こそぎ持って行くのが火事だ。残りわずかな今年を無事に終え

新たな年を平穏な気持ちで迎えるためにも、皆さま、お互い火事には

気をつけましょう。

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2007年11月 3日 (土)

ロンドン発ロック少年御用達ブーツ

London_boots

うちの息子はとっても気分屋で、不機嫌極まりない顔で黙々と朝食を

食べていたかと思ったらニコニコ自分から話しかけてきたりして、最

近じゃだいぶ慣れて無視しているけれど扱いずらいことこの上ない。

今日、息子が「カッコイイでしょ」と言って自分の部屋から持ってきて

見せてくれたのが、上のブーツ。

なんでもUK・ユーロのROCK'N LOVER たちからブレイクした日本初

上陸のイギリス『STEEL SHOES&BOOTS』の靴なのだそうだ。

その名もLONDON BLACK。ベースのブラックからユニオンジャック

が浮き出ているのが派手すぎずカッコイイ。

London_boots_01

ふぅん、確かにカッコイイね。冬は例のフェイクファーがもしゃもしゃ

付いたコート着てこれ履くわけね。でも格好ばっかりロックしてても

しょうがないんですから、と言うと息子は「そんなの、わかってます

よ~♪」と言う。「でも、いつもコンバース履いてるのに慣れないこ

んな靴履いてギター背負って歩いてて、階段で躓いて落ちたら大

変だからね。マジで気をつけたほうがいいよ。ギターも自分も壊れ

るから」、なんて言ったのであった。

というのも、私が去年自分で買った下のブーツ。

Boot

スペインで乗馬靴を作っている『PALANCO』(パランコ)のブーツで

滅茶苦茶気に入って大枚はたいて無理して買ったのに、ぜんぜん

自分の足に合わないのだ。友人に聞けばスペイン人の足と日本人

の足ってかなり違うのだそう。これを履くには勇気がいる。なんたっ

て毎度必ず血を見ますから。先日もRちゃんと初めて一緒にライブ

に行くのに、せっかく買ったんだから履かなきゃ、とばかりに履いて

行ったら、案の定帰る頃には血まみれジョニーになっておりました。

そう言ったらRちゃんにも、履くと必ず血まみれになるが高かったの

で意地で履いているブーツがあるのだそうだ。

今となっちゃあ何でそこまで欲しかったのか自分でもわからないの

だけれど、去年の今頃は「晩秋の街を元気に枯れ葉を踏んで歩くに

は、どうしてもこれが必要なんだわ!」なんて思ったのでした。

だから履く。なんとしても。傷になりそうなところにバンドエイドをダブ

ルで貼って、分厚いテニスソックスでも履けばなんとかなるんじゃな

いか? なので、私がブーツを履いているときはお座敷の店には誘

わないように。頼みます。

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2007年11月 2日 (金)

シュレッダーが来た。

Shredder

そうじゃなくても個人情報についてウルサク言われるようになった今

では自分の名前や住所が入ったものを捨てるのさえ気を遣うように

なったけれど、IT医療系のベンチャー会社にいて、会社とNDA (秘密

保持契約)などをかわして仕事していると、不要になったプレゼン・マ

テリアルを捨てるにも手間がかかる。今までは1枚1枚手で破いて捨

てていたのだけれど、最近それでは間に合わなくなってきたので、

会社でシュレッダーを買ってもらった。

ほんとは、私が欲しかったのはこれ!  ↓

Amadana_4amadana

パーソナルシュレッダー

DS-116-B







前にフランフランで見つけて、デザインの美しさからいつか自分で買

うならこれにしようと思っていたのだけれど、パーソナル・シュレッダ

ーとしては高い方なので、案の定会社からは却下された。

後から知ったことによると、このamadana (アマダナ)っていうのは、

ミュージシャンとして有名なテイ・トウワさんの弟で、(かつては?DJ

なんかもされていた)建築家のテイ・シュウワさんのデザインによるデ

ザイン家電のシリーズで、基本的に一般家電より高いにもかかわら

ず(業界のプロの最初の予想を見事裏切って)とても売れているらし

い。それだけ美しいデザインには文句なく力があるってことだと思うけ

れど、たまに大型量販店なんかに行って思うのは、日本の家電製品

のデザインの悪さ。ほんとにひどいもんね。

で、あえなく私の希望は却下されたので、もう安いのでいいやといき

なりアマダナの4分の1くらいの値段のにしたのが上の写真のシュレ

ッダー。ウェブで見たときにはオフホワイトに見えたのに、実際に来た

のはイエローじゃないか。でもってこれ、ウルトラマンと一緒です。つ

まり3分間しか紙を切れないの。最初、取説も読まずに切っていて、

いきなり動かなくなるから買ってすぐに壊れたのかと思って慌てて取

説を見たら、『連続運転時間3分』と書いてあった。3分でどうやらモ

ーターが熱くなってしまうらしい。3分働いて30分休み。なかなか

good job じゃないか。私がシュレッドしていたら、それを見ていた娘、

「紙が入るところを口にして、顔になってたらいいのにね」だって。

ほんとにね。いつか君がインダストリアルデザイナーにでもなって、

家の中に置くだけで毎日が楽しくなるような家電製品や家具をデザ

インしてくれたらどんなにいいかと思うよ。(左団扇♪)

ともあれ、これで個人情報付きの不要な紙類を処分できるし、家の

中をさらにすっきりできそうだ。前に10月からの3ヶ月間はお掃除

月間だと書いたけれど、今月11月は心の掃除をすべき月でもある

そうだ。みんなでクリーンになって気持ちよく新しい年を迎えませう。

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2007年11月 1日 (木)

初冬の香り

Kogiku

10年ほど前までは古い一軒家に住んでいて、安普請の借家のその

家は風が通って寒いから、秋口からは雨戸を立てていた。

秋もだいぶ深まった頃、雨戸を開けるときりりと冷えた朝の大気に微

かに菊の香りがして、ああ、初冬の香りだな、と思ったことがある。

思わず背筋がしゃんとしそうな、凛とした香り。

以来、それが私の冬の始まり。

カレンダーが変わって今日から11月になったけれど、今年も暖かくて

まだ初冬の香りはしない。おととい娘が学校から小菊の鉢植えをもら

って帰って来た。なんでも2年生が育てたものだそうだ。そういえば初

夏頃、広報の役員で子供たちに取材をしたとき、彼らはまだほんの

小さい菊の苗の鉢上げをしていたっけ。

私はあまり菊という花が好きじゃなくて、特に母の葬式以来ますます

嫌いになったけれど、こんな小菊が庭の片隅に咲いているのはいい

と思う。でも、いかんせん私のバラだらけのベランダには似合わない

し、いっそ母のお墓に行って空いているところに植えてこようかと考え

たりして。最近は霊園も雑草の手入れが面倒なためか、土の部分は

ほとんどない。お供え物も猫やカラスが荒らして汚くなるから、という

理由で置いてはこられない。今は気持ちより合理性ばかりが優先さ

れる時代で。

そして夏の間はきゅうりを作っていた娘は、いまは大根を作ってい

る。小菊を持って帰って来た前の日にはほそーい大根を持って帰って

来た。自分だけ間引き忘れていた大根が、途中までできてしまった

のを抜いてきたらしい。「リサだけ得しちゃったね」なんて言う。

まったくキミは天下泰平だね。

ちょうど夕飯の支度をしていたところで、今までそんなこと言ったこと

なかったのに、「葉っぱもおいしいんだってよ」と言うから、ささっと洗

って刻んで、大根のお味噌汁と青菜ご飯を作った。子供が作った野

菜はどれもおいしい。自分で野菜を作ることでなんでも無駄にしちゃ

いけないと思うようになったのは良いことだと思う。今日から様々な

食品が値上げになる。食糧危機の兆しが見え始めたこの頃。

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