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2007年5月30日 (水)

海岸美術館に行ってきた

Kaiganbijyutsukan

バラの肥料を買っているバイオゴールドから、このタイトルでメールマ

ガジンがきたのが先月。

その内容もさることながら、『海岸美術館』という名前にヒットしてしま

った海好きの私がさっそくネットで検索すると、それは写真家・浅井

愼平のギャラリーだった。浅井愼平というと私には少々思い出があっ

て、女子高時代、仲のよかった私にとってのカリスマ的友人が大の

ビートルズマニアで、彼女に見せてもらった今では超お宝のビートル

ズ初来日のときのパンフレットの写真が浅井愼平の手によるものだ

った。その写真のイメージと印象は今でも頭の片隅に残っている。

そして肝心のその海岸美術館だが、これがなかなか素敵なのだ。

場所は千葉県の千倉。折りしもブロガー友達のhanta さんと会う算段

をしているときだったので、同じように海好きの彼女とここに行くのは

とても素敵なアイディアに思われた。直感による思いつきを大事にす

る私たち。さっそくメールすると、すぐに「その話、乗った!」と返事が

返って来た。やった! 持つべき者はノリのいい友達!

かくして海岸美術館に行くことになった私たち。でも『びゅう・さざな

み』みたいな特急を使わずに行くとなると、hanta さんちからでも私の

家からでもなんと4時間以上かかるのだ。おまけに途中までは私が

調べていった通りに順調に電車に乗れたものの、hanta さんのひと

声で乗った電車が予定違いで、なんと千葉駅で次の電車を待つこと

50分! つまり5時間以上かかって、予定の1時間遅れで千倉に着

いたのでした。ふぅ。駅前の観光局でパンフレットをもらい、『カフェ千

倉』でまず腹ごしらえ。美術館へは行きは山道の上り坂でとても歩い

てはいけないからタクシーで行ったほうがいいとカフェのマスターに言

われ、タクシーに乗って約5分。降りたところはこんなところ ↓

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山のなかに忽然と現れた壮麗で不思議な建物。

手前の水はもともと灌漑用水として使われていたものらしい。

着くなりhanta さんに「うわあ。素敵なところだ。連れてきてくれてあり

がとう!」なんて言われてしまった。5時間もかけて来た甲斐があり

ました。

Kaiganbijyutsukan_02

そして、これが海岸美術館入り口。

Kaiganbijyutsukan_03

窓口の女の子に、「この建物のどこからか海が見えるんですか?」

と聞いたら、「いいえ。海はここからは見えません。海岸美術館という

のは浅井が企画の段階から考えていた名前なんです」という答が返

ってきた。そうか。私はてっきり海が見える美術館だと勝手に思って

いたのだけれど。確かに山の中にあるんだし。見えるわけないか。

順路に沿って階段を上り、これが2階。アートに溶け込むhantaさん。

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建物は上から見るとH型なのかな。2つの建物を結ぶ外通路。

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通路から見た、海を感じさせるタイル張りのコーナー。

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通路を渡った先は、天井の高いギャラリー。

音が気持ちよく響き、光がきらめき、風が吹き抜ける心地よい空間。

館内のどこにいても水の音が聞こえる。写真のほとんどは南の国の

写真で、海の写真も多く、白い壁にブルーの海が生きてるみたいだ、

海が見えなくても海を感じさせる、そう、ここは海岸美術館だ。

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そして1階。素敵な暖炉があった。

庭にはバナナの木。

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外の緑がきれいだ。ここの芝生をメンテナンスしているのがバイオゴ

ールドってわけです。

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猫が飼い主に似るのか飼い主が猫に似るのか、それとも同じ波動で

呼びあっているのか。何故だかとびっきり級にイタズラな三毛猫ばか

りに縁のあるhanta さん。立ち入り禁止の札があれば中に入ってみ

たくてしょうがない、椅子があれば座って、寝台があれば寝てみなき

ゃいられない。hanta さんて、三毛そのものみたいな人です。

Hanta_san_04

時間を忘れていつまででもいたいようなギャラリーを出ると、建物の

中にはギャラリーのほかにミュージアム・ショップがあった。

これは店内から見た裏庭。

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このショップで英国人作家が作るリアルでアートな猫にひと目惚れし

てしまったhanta さん。「この猫を見にまた来る!」と言うので、「その

時は私もつきあう!」と言いました。どうやら、この猫のお陰でまたこ

こに来る口実ができたみたいです。よかったにゃあー

Hanta_nyan

海岸美術館のある千倉へは、うまく時間が合えば、東京駅から特急

『さざなみ』に乗って3時間ちょっとで行けます。土日は新宿からも千

倉行きの『新宿さざなみ』が出ていて、これは館山で内房線に乗り換

えることなく千倉に行けるので、都内にお住まいの方はこれが便利

かも。私たちは往復10時間以上かかって嫌というほど(お尻が痛く

なるほど)電車に乗った、1 Day ショート・トリップでした。

Kaiganbijyutsukan_2 Kaiganbijyutsukan_017 

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2007年5月26日 (土)

今年もまたローズカフェのバラ②

2007rose_cafe_14

薔薇色、とひと口に言ったところで、その花色は実にたくさんある。

ピンクひとつとったところで、それはまるでデパートの化粧品売り場に

並ぶルージュのよう。でも結局、数あるバラのなかで私と友人が惹か

れるのは、白に近い淡いピンクや、ベージュがかった落ち着いたピン

クや、しあわせ色、とでも呼びたいようなアプリコットがかったピンク、

それに大人っぽいライラックピンクやミルキーな白、なんていうところ

に落ち着くみたいだ。・・・ というわけでここではそんなバラを集めて

みました。上はアブラハム・ダービーのアーチ。

そして下は大好きなイヴリン。

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ぐるぐる巻き巻きのジェントル・ハーマイオニー。

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なんともしあわせいろのタモラ。

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ジュード・ジ・オブスキュア。

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これはウイリアム・モリスかな。

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そしてフレンチローズみたいなディープカップ咲きでコロンとした花の

チャールズ・レニー・マッキントッシュ。イングリッシュ・ローズでこうい

うライラック系の花色は、ライラックローズとこれだけなのだそう。

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そして微かにアプリがかったグラミス・キャッスル。

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そして下のふたつは、とてもきれいなピンクなれど、なんだか忘れて

しまいました。

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庭の良いところは時が経つほどに充実し、また変化していくところで

そんな自分の庭をパートナーと共に共同作業で愛着を持って作って

ゆけたら、どんなにいいかなと思う。家族の安らぎの場としての庭。

今年、イギリスで行われた意識調査では、国民が余暇をすごす趣味

としては、かつて1番だったガーデニングは大きく順位を落とし、1番

はパソコンでインターネットをすること、だそうだ。以前にTVでイギリス

人の趣味は老いも若きもガーデニングで、週末ともなると夫婦そろっ

てガーデニング・ショップに苗を買いに行く、なんていうのをやってい

て、楽しげに苗木を抱えて歩くカップルを見て憧れていたのに、いま

やお互い背中を向けてマイ・コンピュータでネット・サーフィンとは。

嫌な時代になりました。

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今年もまたローズカフェのバラ①

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去年、友人と初めてローズカフェに行ったとき、手前の坂を上りながら

向かい風に乗ってフレッシュなバラの香りがしてきた時の驚き。

それで、長年バラをやっている私の横で静観しながら「バラにだけは

手を出すまい」と思っていた友人も、ついにファーストローズを手に入

れるまでになったのでした。そして今年もローズカフェのバラのことを

頭のどこかで気にかけていたら、その友人から「明日ちょっと行って

みようか。国分寺でゲランドの塩も買いたいし」とメールが。何によら

ず日常の忙しさに紛れて旬を逃してしまいがちな生活にあって、行こ

うと思い立ったときに動けるのは大事なこと。また思い立って、それっ

と出かけられるのも近所の友達ならでは。

・・・ そんなわけで、また今年も行ってきました旬のローズカフェ。

坂を上りながら「今年もするかな?」と言っていたら、風に乗ってバラ

の香りがしてきました。う~ん、いい香り。これだ、これだと言いなが

ら一目散に歩くと、去年の1.5倍くらいのヴォリュームになったピエ

ール・ド・ロンサールのアーチが迎えてくれました。開店前だというの

に、すでに店の前には長蛇の列が。旬のウルトラピーク時のカフェで

静かに落ち着いてランチをするなんてとうてい無理と最初から思って

いる私たちは、ちょこっとお庭だけ見せてもらって帰って来ました。

以下、今年のローズカフェのバラ。厳選したつもりがかなりの枚数あ

るので、2回に分けてアップします。バラに興味のない方はスルーし

ていただいて、好きな方だけ、ローズガーデンを散歩するように見て

いただけたら嬉しい。

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誰が育てても、たとえそれが初めてのバラであったとしても期待以上

の花で感動させてくれる強健でタフなピエール。大きな花なのに、完

全にうつむかないところがいい。足もとには薄紫のクレマチス。

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花でいっぱいの、芳香浴ができる気持ちのよいテラス。

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テーブルに覆いかぶさるようにして咲くイングリッシュローズ。

こうなると、食卓に花、どころじゃありません。

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階段横も花・花・花。

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ローズカフェのHPを見ると、これでも最高時より気持ち落ち着いたの

かな、という感じの下のガーデンの様子。去年来たときよりバラの株

も宿根草も充実して、生き生きと野放図に育ってます。

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下から見上げたバラのアーチ。

白のプロスペリティーと原種の一重のつるバラかな。

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今年もまた会えた。そのままブーケみたいなバラ。

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一応、写真を撮るときにネームプレートを探して確認しながら撮った

のだけれど、大半は忘れてしまいました。

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純白のセミダブルのすっきりした花びらに金色のしべが美しいこの

バラは、たぶん『ザ・ナン』。デコラティブなバラの中にあって、楚々

とした美しさ。

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そして対照的に、これもイングリッシュローズ?と思うようなはっき

りした赤、超房咲きのバラ。これはなんだろう?

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2007年5月24日 (木)

一重のバラが咲きだした

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一重のミニチュアロース、桜貝がいっぱい咲き始めた。

去年は異常な日照不足と、葉ダニにやられて全滅だった桜貝だけれ

ど、冬に強剪定したのが良かったらしい。

その名のとおり、桜貝のようなピンクがかわいらしいバラ。

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これも去年は全滅だった『花便り』。

今年はやっと咲き始めた。

これは上記の理由に加えて、テラコッタいっぱいになってしまったの

を無理に株分けしたのがいけなかったらしい。以来、以前のようには

咲かなくなってしまった。本当はもっと大きくて縁が濃いピンクで彩ら

れた花が鉢いっぱいに、ひらひらとこぼれるように咲くのだけれど。

今はこんな花。まるで苺の花のよう。

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一重のバラには素朴なかわいらしさと、どこか和の雰囲気があって

好きだ。イングリッシュやオールドといった巻きの厚い大きくて豪華

なバラの中にあっては、リズムが生まれる。

これならバラがそれほど好きではない人でも、他の草花と同じように

そばに置いておけるのじゃないかと思う。

小さな葉っぱは葉ダニが付きやすく、いったん付いてしまったら短く

剪定してしまうよりほかないので陽射しが暑くなって空気が乾燥し始

めたら要注意だけれど、葉ダニを付かないようにするには葉裏に水

を散布すること。葉ダニは乾燥した環境で発生するからだ。

そんなことに気をつけて、花が終ったら切る、ということを続けている

と、繰り返し何度でも咲いてくれる。

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2007年5月22日 (火)

今季、不調だったバラ

07matilda

バラだって、いつもかならず美しく咲いてくれるというわけじゃない。

去年とても良かったバラが今年は全然だめだったり、いままで一度も

良い花を見せてくれなかったバラが突然美しく咲き始めたり。10年

以上バラをやっていてもその原因はなかなかわからないし、謎は多

い。簡単に思うようにならないものを好きになってしまう自分の性格

そのものに間違いがあるのじゃないかとはずいぶん前から気づいて

いるけど、気づいたからってこればかりはどうなるってものじゃなし

ね。でも、思うようにならなかったバラが突如として美しく咲いてくれ

たときの喜びはそれこそ大きいから、私の残りの人生はそれに賭け

るとしよう(?) バラにだって不調のときがあるのだ。人間の女にあ

っても当然というものだ。・・・ というわけで、今季ことごとくうどん粉に

やられたマチルダ。他のバラと同じように公平にやるべきことはやっ

たし、肥料はバイオゴールドだし、今まで強健だ、強健だとばかり思

っていたバラなのに、いったいどうしたっていうんだ。全身まっしろ。

やっとまともに咲いたのが上と下の写真。

07matilda_01

そして、今年はとても残念なことに、私が最も好きな一季咲きのバラ

がふたつとも駄目だった。一季咲きのバラが駄目だと本当にがっか

りしてしまう。これは私が特別に大事にしているルイーズ・オディエ。

葉が繁茂した頃はとても良い状態だったのに、コンパニオンプランツ

を植えた後くらいから勢いが落ちてきた。ホワイトアスパラガスみたい

なシュートが出てきたと思ったら、葉全体が淡く黄色くなった。原因は

コンパニオンプランツか、それともマルチングチップのせいなのか。

病気の子供みたいな、いかにも弱そうな青みがかったミニチュアロー

ズ並の小さな花をつけた。

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もうひとつは毎年『パーフェクトローズ』として紹介しているバラ。

私にとっての初めてのイングリッシュローズのコンスタンス・スプライ。

今年は残念ながらパーフェクトな咲き方にはならずに終った。

たった5つしか付かなかった蕾はどれもバランスの悪い咲き方で、最

後のひとつがかろうじてまともに咲いた。いままで挿し木に興味のな

かった私だけれど、木の寿命が迫っているらしいこと、挿し木苗が接

木苗に較べてよりコンパクトに育つことを考えると、このバラのように

大きくなるタイプのバラを挿し木で増やすのはいいかもしれないと思

った今年。挿し木に適しているのは1番花が終った後の枝、というこ

とになっているのだけれど、挿し穂が取れたのはたった1本だけ。果

たして1本で成功するだろうか。

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コンスタンス・スプライは、デヴィッド・オースチンの1961年作出のバ

ラで、最初のイングリッシュローズとなったバラのようだ。

イングリッシュローズの中でも極大輪、と書かれるこのバラは、直径

が12、3センチにもなる大きな花。完璧に咲いたときの美しさと香り

の素晴らしさは、他のバラには代え難い。そんな大きな花なのに、完

全にうつむいて咲かないのは、細いけれどステムが硬くてしっかりし

ているせいだろうと思う。2番花が上がってくるのを期待したい。

07constance_spry

そして最後は、今季、というよりずっと不調の粉粧楼。

今年は葉っぱにうどん粉がまったく付かずにきれいなまま育ったから

今年こそきれいに咲いてくれるかと思ったのに、たくさんの蕾が房に

なって付いたと思ったら花茎が全てうどん粉になってしまった。今年も

また蕾がボール化していっこうに開かず、茶色くなって汚くなってゆく

ばかりなので結局ひとつも花を見ないままぜんぶ切り落としてしまっ

た。このバラは本などに載ってなかなか人気のバラなのだけれど、い

ったいどれだけの人がきれいに咲かせられているだろう。我が家の

このバラは欲しいという友人のところに行くことになった。

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2007年5月21日 (月)

ベランダガーデンのピーク

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一季咲きのオールドローズなら1年、四季咲きローズでも真冬から数

えて5ヶ月から半年待って開花する春バラの季節は、1年のうちでも

最も賑やかで華やかな季節だ。四季咲きなら秋にもまた2番目のピ

ークが来るけれど、秋バラは春ほど華やかではないかわりに、もっと

しっとりとして落ち着いた、スロウな花を見せてくれる。花の色も香り

も春より濃く、花もちも良く、開花から散るときまがゆっくりしている秋

のバラもまた格別。

春バラは、一輪咲いたと思ったら次々と狂ったように咲いて、瞬く間

に散る。1年のうち5月のたった2週間を一気に駆け抜けるように咲

く春のバラは、なんとも慌しく賑やかで、それだけに印象的。

さて、あなたはどちらの季節のバラが好きだろう?

写真はバラがピークだったときの先週末のベランダの様子。

現在のベランダはイングリッシュとオールドのほとんどの花が終って

軽く剪定した後にお礼肥えを施したところ。かわりにミニバラとフロリ

バンダが次々に咲き、ハイブリッドティーは大きな蕾を日に日にふく

らませている。オールドは早くも2番花の蕾をいっぱい付け始めた。

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春のバラの時期に友達を家に招こうと思っていて、結局忙しさに紛

れてできずに終ってしまったのがちょっと残念。また秋にでも招ぼう。

その頃にはベランダも今よりきれいになってるだろうし。

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2007年5月20日 (日)

ヘリテイジとローズマリー

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デヴィッド・オースチンの薔薇色系の銘花といったらこのバラで、イン

グリッシュローズの中でも定番中の定番といってもいいくらいなのに

我が家では何故か6番目のイングリッシュローズとなったヘリテイ

ジ。棘の少ない扱いやすい枝をしていて、とても花付きがよく強健で

あることから初心者にも育てやすいバラとしても勧められているヘリ

テイジだけれど、花いろと香りの他はそのヘリテイジとまったく同じ性

質で、白の枝変わり種があることを知って、それなら悪いわけがなか

ろうと同時に買ったのがローズ・マリー。

枝変わりというのはいわゆる突然変異のことで、ヘリテイジの花いろ

がいちごミルクだとするなら、ローズ・マリーはピーチミルクといった感

じ。オフホワイトにわずかにアプリコットが入る。香りはローズ・マリー

のほうが強くて複雑な香り。たった2輪、食卓に飾っただけで部屋中

がほのかにバラの香りになるくらいの強香。

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Heritage : David Austin 1983

花いろはソフトなピンク  花径 7~10cm 樹高120×120

花形 カップ咲き  香りはレモンに似たフルーツ香

四季咲き 多花性  棘が少なく、強健

交配親 アイスバーグ×seedling(実生)

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見た目はヘリテイジと双子のようにそっくりなローズ・マリー。

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Rose Marie : David Austin2003

ヘリテイジの枝変わり 花いろ ピーチがかったオフホワイト

香りは強いミルラ香にシトラス系フルーツ、ハニー、ほのかなカーネー

ションが混じった不思議に良い香り。

花いろと香りが違うほかはヘリテイジと同じ性質を継承している。

カナダのヴァルドローズ(Valderose)のポール・キング氏が見つけて、

夫人の名前を付けた。

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陽のなかではクリーム色が強くなる。

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白のイングリッシュローズ2種。

奥に見えるのはグラミス・キャッスル。

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明日の風

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哀しい夢で寝不足の僕がいる 鏡の中

失くした言葉 思い出せずに朝は過ぎてゆく


優しさの意味 はきちがえて

いくつもの季節をやりすごしてた


ありったけのこの声を届けて欲しい君のとこへ

悲しみを残したまま僕らは次の場所へもう踏み出してる

明日に向かう風が街を通り過ぎて

少しずつ変わってけばいい

いつの日かこの痛みが眠りにつけばいい


あれからいろんなこと考えてみたけど 僕なりに

憧れだけで生きていくほどもう無邪気でいられない


刻みつづける 時の中で

それぞれの願いがふるえている


ありったけの君の声を聞かせて欲しい今すぐに

ずっと先を見つめてても今はまだ思い出と呼べそうにないから


ありったけのこの声を届けて欲しい君のとこへ

悲しみを残したまま僕らは次の場所へもう踏み出してる

振り返ればあの道から

あの日の2人が僕らを見送ってる


(『明日の風』作詞・作曲:山崎まさよし)

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本日、気持ちの良い晴天なり。

今朝は住宅の規定清掃の日で、朝から2時間近く黙々と草むしり。

思わず北村太郎の『梅雨まで』という詩を思い出してしまった。

「これからの季節は雑草がすごくてやりきれないので、除草剤を撒く

ことにしました。ついては1人1500円徴収します」という手紙がポス

トに入っていた昨日。この階段にも犬を飼っているお宅が2軒もある

し、1階は病人の老人がいるというのに、これでいいのだろうかと思

いつつも、日曜に仕事が入ってしまったりして毎回掃除に参加できて

いるわけではないことを思うと、私ひとりが異論を唱えることもできず

黙ってお金の入った封筒をポストに入れた。最近、風の強い日が多

かったから、風でもあったら薬剤散布は危険だろうと思っていたら今

日は風もなく絶好の薬剤散布日和だ。

今日は朝から陽射しも暑くて、地面にかがんで根っこごと草をむしっ

ていると、すぐに汗が出てくる。1階のおばあちゃんが育てていた背

の丈ほどもある立派なバラは、おばあちゃんが面倒をみられなくなっ

て刈り取られてしまった。もともと今は剪定の時期じゃないけれど、剪

定というよりほぼ伐採。太くて棘だらけのハイブリッドティーの枝が無

残に山盛りになったのをビニール袋に詰めるときに指に怪我をした。

こんなことならもう根っこごと引き抜いてさよならしてしまった方がいい

のじゃないかと思う。ちゃんと持ち上がらないくらいの大きなビニール

袋いっぱいの草と枝を運んでやっと終了。部屋に帰るなりバスルー

ムに飛び込んだ。着ていたものもぜんぶ洗濯機に。洗いざらしの麻

のパンツと白いTシャツに着替え、青い空の下、午後の心地よい風

に揺れる遠くの緑を見ていたら、久しぶりに山崎まさよしが聴きたく

なった。いつかラジオから流れてきた『One more time,One more

chance』が聴きたくて買ったベスト・アルバムの『BLUE PERIOD』。

いまの季節に彼の音楽はとても合っているようだ。いつも山崎まさよ

しの歌を聴いていると、なんてデリケートなやつなんだろうって思う。

もう自分と似たような人間と生活を共にするのは(大変だから)やめ

ようと思うけれど、かといってこういう部分が全然無い人間とはやれ

ないとも思う。彼は傷つきながらそれを歌にして歌って生きてゆく。性

懲りもなく人を好きになって。窓から見える向かいの建物の屋上に生

えてる雑草だって、明日の風に揺られているのさ。そういえばもう町

にはツバメが飛び始めた。

写真はベビー・フォーラックス。

いったい花が咲くまでに何十回木酢液で拭いたかわからない。うどん

粉とアブラムシを日々交互にやっつけて。

咲いてしまえば子供みたいに天真爛漫な花。

Yamazaki_masayoshi_001_2

Yamazaki_masayoshi_3 BLUE PERIOD

まさよしちゃんの1995年の

デビューから2005年まで

の10年間のシングル・ベス

ト集(2枚組)

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2007年5月19日 (土)

雨のバラ

07mona

バラに暴風雨は困ったものだけれど、時折りの静かな雨は緑を生き

生きとさせ、人の心には沈静をもたらしてくれる。

上は雨の日にひときわ鮮やかな黄色のバラ。これはたぶんモナで、

本当はピンクベージュの花いろのはずなのだけれど、春は黄色が強

く出た。下はポリアンサのベビー・フォーラック。

ヴァイオレットの小輪の房咲き。

07baby

去年の春は異常なほどの日照不足でほぼ全滅だった一重のミニチ

ュアローズも今年はなんとかつぼみが上がってきた。これは桜貝。

07sakuragai

白い花びらに濃いピンクの覆輪が鮮やかなハーレクイン・コルダナ。

07harlekin_kordana02

07harlekin_kordana01_3   

そして、こちらはアンティーク・コルダナ。

秋は濃いピンクになるこのバラも、春は名前どおりアンティークな雰

囲気になった。ミニチュア・ローズとは思えないほど花弁数が多く、

ぐるぐる巻きの大きな花。

一株のなかにも微妙に色の違う花が付く。咲き始めはこんな風。

07antique01jpg

咲き進むと、

07antique03

さらに咲き進むと完全なロゼット咲き。

07antique04

もう一本の枝の先で咲いているのは、上とは全く違う雰囲気の、張り

のあるタフタのドレスのような花。

07antique

長くバラをやっていて面白いのは、同じ花でも気候や気温や土や肥

料や日照の加減などで、微妙に、あるいは劇的に花の表情が違うこ

と。春バラと秋バラでは全然違うし、そこにはまたそれぞれ別の愉し

み方が存在する。春には春の、秋には秋の。

そして晴れた日と雨の日にも。

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ライラック・ローズ

07lilac_rose_06

激しい雨音で目覚めた。土曜日の朝。

ライラック・ローズをテーブルに飾る。

最初の頃のしっかりした弁質と、赤味がかった濃いモーヴいろの花と

較べると、最後の花は花びらも薄く、淡いピンクがかったライラックい

ろで軽やかな印象。私はむしろこちらのほうが好きかもしれない。

時間の変遷とともにバラもその花いろを変える。それもまた愉しみ。

春いちばんの花は終ったけれど、冬までのあいだ、いったい何度こん

な花を見せてくれるだろう。

下は木曜の雨の朝のライラック・ローズ。

雨のなかでこんな鮮烈な美しさを見せつけられると、『あなたに恋し

てしまう』、なんて言葉が自然に浮かんできてしまう。

憂いを含んでほのかに甘く。

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2007年5月17日 (木)

井の頭キャッツ

Inokashira_cats

昨日、ライブの前に時間があったので、友人とちょっとお茶でもしてい

こうと入ったカフェに猫がいた。

このカフェは井の頭公園に降りてゆく階段の手前にあって、店のガラ

ス越しに公園の緑が広がるロケーション。いつ行ってもモクモクと焼

き鳥が焼けるおいしそうな煙を立てていて、その前に延々と行列がで

きている『いせや』の隣りの店です。入り口を入ったすぐのところに手

作りジェラートのショーケースがあって、小さなカップに3種類選んで

ぎゅうぎゅうに詰めてもらって400円。このジェラートはあっさりしてい

てけっこうおいしい。中はセルフサービスで、珈琲は250円。自然光

が入る暗めの店内を入ってカウンターに座ったら、カウンターの右端

のアンプの上にこの猫が寝ていたってわけです。

この猫、すっかりこの環境に慣れきっているらしく、人の声が響こうが

食器の音がしようが、誰かが携帯でパシャと音を立てて写真を撮ろう

が、また少々撫で回されようがピクリともしない。警戒心ゼロで死ん

だようにぐうぐう眠っている。最初に見つけた友人はぬいぐるみでも置

いてあるのか思って見ていて、動いているのでびっくりして声をあげ

た。店内にはもう一匹、黒白の猫が悠然と歩き回っていて、厨房に向

かってにゃあと鳴いたかと思ったら、オーダーカウンターの脇の床で

餌をもらっている。で、こいつも満腹すると床のマットの上でごろごろ

ニャアだ。誰が自分の脇を通っても頓着しないし、とても人懐っこい。

見ず知らずの他人が次々入って来るのにこれだけ警戒心ゼロで寛い

でいるってことは、猫は快適さのバロメーターみたいなものだから、き

っこの店は居心地がいいってことなんだろうねぇ、と友人と話す。

Inokashira_cats_01

私がこの店に初めて入った時からかれこれ20年以上が経った。

あの頃は吉祥寺からバスで少し行ったところに住んでいるマンガ家

先生の自宅に原稿を取りに、週に1度はかならず吉祥寺に来てい

たのだった。ちょっと前のことのように思えるのに、あれから20余年

か。時間ってほんとに早いな。私の友人もまんだらのオーナーやら

スタッフを見て感慨深かったようだ。なんでもそうだろうけど、音楽を

続けることはたやすくないし、ライブハウスをやり続けることも並大抵

のことじゃない。でもいま、雨後の筍のようにできている箱だけのライ

ブハウスと違って、歴史のある箱には芯の通った緊張感と同時に、

人を寛がせる匂いがある。いったい私たちは20年前とどれだけ変わ

ったんだろう? 私の友人、最近、前から誘われていた友人の友人

がやっている代官山の美容院に行ったんだと言う。小さいけれどセン

スの良いサロンで、店の前に緑とテーブル・セットが置いてあって、そ

こでちょっと話してからヘアスタイルを決めて切り始めるのだそうな。

なんちゅうスロウな。その美容師さんがテキパキと気持ちの良いとっ

ても男前の美容師で、そうきちさんに会わせたいな、と友人が言う。

そうきちさんとすごく似てるってわけじゃないのだけれど、相通じると

ころがあって、きっと2人が出会ったらすぐに意気投合して絶対に盛

り上がると思う。なんて言うのだ。男前ねぇ。でもきっと私より年下だ

ろうし、そんなに男前ならきっと人気もあるだろうし、髪を切ってくれ

る人なら私にはJin 君がいるし、それに髪を切るためだけに代官山

なんてもう行きたくないしなあ・・・ とぶつくさ言っていて、何やら話が

噛み合わないのだ。そしたら彼女やっと気づいて、「あ、その男前っ

て男じゃなくて女なんだ。私の言葉が足りなかった」って、ちょっと足

りなさすぎじゃないか? 私を髣髴とさせる男前の女もいいかもしれ

ないけどね、文字通り男前の男を紹介しなさい、と言って横を見たら

1番上の猫、さんざんいじくりまわされてついに起きちゃった。四肢を

う~んと伸ばして大あくびしたと思ったら、今度はアンプの下で眠る。

・・・ と思ったら、暫くしたら元通りの場所でさっきと同じ格好で寝て

いるじゃないか。

「ある種、忍耐強いヤツなのかもね」

「こんなにいろいろされてるのに知らん振りしてられるんだからね」

吉祥寺って、東京人が住みたい街ナンバーワンなのだそうだ。

猫にとってはどうなのだろう。

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松田幸一@吉祥寺まんだら2

Arimandara

このところすっかりバラ日記と化したこのブログだけれど、昨夜はまん

だら2へ、ブルースハープの松田幸一さんのライブを聴きに行った。

私が松田幸一さんを知ったのは、鎌倉で輸入楽譜専門店『カマクラ

ムジカ』を営み、『ネコに学ぶ21世紀を行き抜く法』のブロガー、

hanta さんから、私の誕生日に彼女のとっておきの音楽を贈りますと

松田幸一さんの2枚のライブCDをいただいてから。

書店で本を選ぶとき、最初の数行で好き嫌いが決まってしまうのと同

じように、最初の音を聴くなり気に入ってしまった松田さんのブルース

ハープ。さっそくネットでHPを検索して見たところ、都内でライブの予

定があることを知って、これは行かなくてはと思っていたのだった。

昨日一緒に行ったのはシンガー・ソング・ライターの友人M。(そうい

えば紛らわしいことに、私の親友はイニシャルMが4人もいる。)

彼女は20代の頃、本家まんだらをいっぱいにするくらいの人気女性

ユニットをやっていた人だ。昨日もずっとまんだらで働いているという

女の子に、思いもかけず名字で声をかけられて驚いていた。

後からできたこのまんだら2にも出演したことがあって、つまり私たち

にとっては懐かしい空間。開演前の7時20分には、すでに彼の追っ

かけと思しき常連ファン、半身内のような一群がかぶりつきのテーブ

ルを陣取るなか、ライブはアットホームな雰囲気で始まった。編成は

上の看板のとおり。(ちなみにフィドルというのは楽器としてはバイオ

リンと同じで、一般的にクラシック音楽で使われる「バイオリン」に対

してポピュラー音楽で使う楽器を「フィドル」と呼ぶ。)

そして松田さんがブルースハープを吹き始めると、空気を震わせな

がら届く、とてもそんな小さな楽器から出ているとは思われないよう

なその音色の美しさと音量に驚く。その印象はhanta さんからもらっ

て聴いたCDそのまま。曲のラインナップもCDとほぼ同じで、ポップ

スありブルースありフォークありタンゴあり映画音楽あり、明るい曲

あり暗い曲あり、スローな曲あり速い曲あり、と多彩。テクニックも素

晴らしく、1曲たりとも飽きさせない。誰もが知っていそうな曲をあげ

ると、ダニー・ボーイ、アメイジング・グレイス、ニュー・シネマパラダ

イス、ホワット・ア・ワンダフル・ワールドなど。特に私が好きなのは、

メリハリが効いていて、まるでブルースハープがバンドネオンのよう

に聴こえるタンゴの『ミケランジェロ』。そして松田さんがギターの弾

き語りでシャビィな雰囲気で歌い、毎度サビの部分の合唱でライブ

ハウスが歌声喫茶のようになってしまう、『靴が一足あったならーお

やすみアイリーン』。ライブは2部構成で、2部からはこんな風にギタ

ーを持って始まった。松田さん、これで今年還暦の60歳。

Arimandara20070516

とてもそんな風には見えません。

小柄で無駄な脂肪が一切付いていない身体と軽快なルックスはまる

で少年のよう。歳をとるというのは、よく言われる面の皮が厚くなると

いうやつ、余分なものを身に付けて肥厚して鈍化してゆくイメージが

あって、実際にそういう歳の取り方をしている大人が多くて私はそれ

が大嫌いなのだけれど、松田さんはそういうのとは無縁な人。

スポーツでも音楽でもアートでも、自分の好きなことに長いこと真摯に

向き合い、純粋に研鑽して研ぎ澄ましてゆくと、こんな風に歳をとれ

るんだ、思った。

そして私はブルースハープがメインのトリオを聴くのは今回初めてだ

ったのだけれど、とても強く胸に残ったことがある。それはブルースハ

ープを吹くときの人の形。マイクスタンドの前にまっすぐ姿勢良く立っ

た松田さんが、まるで小鳥でも包むように両手でブルースハープを持

って心持ち首を傾げて吹く姿は、まるで小高い丘の上に立ってパノラ

マに広がる町を俯瞰しながら、遥か遠くを見つめながら吹いているよ

うで、なんというか、それだけで切ない形になるのだ。結局1枚もうま

く撮れなかったけれど、こんな感じ。

Arimandara2007051601jpg

私は軽い近視なので、眼鏡をかけないとステージの人の目の表情ま

では見えないのだけれど、一緒に行った友人は、ブルースハープを

吹いているときの松田さんの目は特別だ、と言った。なんというか寂

しげな頼りなげな危うげな感じで、それは大人の目ではなくこどもの

目みたいで、釘付けになってしまったと言う。

ブルースハープの音というのは、懐かしいような切ないような心細い

ようなそんな気持ちにさせる音だと思う。まるで夕暮れの気分。

特にこども時代、初めて与えられた楽器がハモニカだったという世代

にとっては懐かしい音だろう。小学校低学年の頃は誰しも音楽の時

間に習った。学校の帰り道にハモニカを吹きながら歩いている小学

生もいた。私も家で練習したけれど、うまく吹けずに同じフレーズばか

りうるさく繰り返していると、父が引き出しの中から自分の古いハモニ

カを取り出して、お手本のように吹いてくれた。私の父はハモニカがと

てもうまくて、「おてて~つないで野道をゆ~け~ば~」なんて童謡を

次から次へと楽しそうに吹いたっけ。そんなことを突如として思い出し

た昨日。そうだ、こんど父を松田さんのライブに連れてこよう、なんて

思ったのでした。私を無類の音楽好きにした原因の一端でもあろう父

にとって、16歳下とはいえ還暦のミュージシャン達が嬉々として音楽

するのを見るのは刺激になるやもしれぬ。

今年還暦の松田さんは、同じ還暦のマブダチである中川イサトさんと

連日、京都・大阪・名古屋・東京を巡るハードなツアーも敢行するよう

だし、かつて廃盤になったCDもリニューアルして廉価で発売され、今

後は活発なライブ活動もされるようなので、興味を持たれた方は松田

さんのホームページをご参照されたし。下は、ライブのチラシです。

Ariisato_1 

全ての曲を演奏し終った後にアンコールでやった『この素晴らしき世

界』(What a wonderful world)を聴きながら、私の頭の中にはどこま

でも平和に広がる青い空と、そこをゆっくりと上ってゆく赤い風船が

見えた。いつか寿命が尽きて魂が肉体を離れるとき、そんな風に地

上を離れられたら、どんなにいいだろう。

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2007年5月15日 (火)

アプリコットの妖精

07jayne_austin01jpg

私が初めて手にした1994年版のデヴィッド・オースチンのバラのハ

ンドブックは、しばらく私を夢見心地にした。それまで私が知っていた

どのバラとも違うニュアンス。自然で豊饒な、香り豊かなその世界。

そのハンドブックの中で私が最も気に入ったのは、グラミス・キャッス

ルとコンスタンス・スプライとジェイン・オースチン。特にジェイン・オー

スチンは小さな写真だったにもかかわらず、その淡くて微妙な色合い

と、ロゼットのまわりをふわふわと取り囲むシフォンのようなデリケート

なニュアンスに魅了された。その姿はまさにアプリコットの妖精みた

いだった。

07jayne_austin02

そのハンドブックはいまでも持っていて、ときどき取り出しては眺め

る。第一印象というのはとても強いもので、実際にはなかなかその

写真通りには咲いてくれないのだけれど、今年もきれいなアプリコ

ットを見せてくれた。

07jayne_austin05

写真だとイヴリンととても似ているように見えるけれど、イヴリンと違う

のは、それほど花が大きくないのと、イヴリンほどピンクがかっていな

くて全体にアプリコットなのと、その香りだろうか。

いまでもイングリッシュローズの中では最も好きな系統のバラ。

07jayne_austin

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2007年5月14日 (月)

ルイさんのふたつめのバラ

Rui_san_03

純白でうつむきがちに楚々と咲く、これまたルイさんらしい白バラ。

名前は不明。

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そうきちさんの母の日

07hahanohi

ああ、今週末は疲れた。

金曜の夜はめずらしく仕事のアポイントがふたつ入っていて、家に帰

り着いたのは午前様。その日は3時に寝て、次の日は3週間ぶりの

スイミングで、相変わらずのへなちょこバタフライを泳いでもうバテバ

テ。そして今日はいつもほどは朝寝坊することなく起きて、午後からト

レリスにペンキを塗り、バラの鉢をどかして設置した。届いた柳のトレ

リスが思っていた以上にラフな作りで、おまけに木の色がナチュラル

ではなくサツマイモみたいな色をしてるものだから、白のウッド用のペ

ンキがうまく乗らずに全然思うような仕上がりにならず、放棄したくな

りつつも、塗れたのは2個のうち1個だけ。人生というのは常に思うよ

うにならない。結局、予定した作業の半分ほどで、本日終了。

慣れないペンキ塗りで肩は凝るし、今日は半袖で作業していたから、

手から腕からバラの棘で引っ掻き傷だらけだ。あーあ。

でも今日は特筆すべきことがある。

家にいた息子がどこかに出かけて行ったと思ったら、ケーキを買って

帰って来たのだ。今日は母の日だからだって。

「え、どうしたの。俊がお母さんにケーキ買ってくるなんて。これから

急に嵐でもくるんじゃないでしょうね。まだペンキ塗りも終ってないの

よ。これから雨になったら困るぜ。しかし今日は我が家の歴史に残

る日だね。そうだ写真撮っておこう。日記に書かなきゃ。そうだ、ブロ

グに載せよう」などとさんざん言って、「失礼な人だね」と笑っている息

子を尻目に本当に写真を撮った。

息子に母の日にケーキをもらうのはこれで2度目だ。1度目は高校生

のとき、学校から帰って来るなり小さな箱を目の前に「はい」と差し出

した。「へ?何これ」と言うと「今日、母の日だから」と無愛想に言う。

箱を開けると不二家のモンブランが1個。

「え、1個なの?リサのは?自分のは?」と訊いたら、「そんなお金な

い」という答えが返ってきた。この人は誰かさんに似て、持ってれば

みんな使っちゃうタイプなのだ。その日は私が後から2つ買って来て

みんなで食べたっけな。でも今日はちゃんと3個あった。モンブラン

とチョコレートケーキとレアチーズケーキ。進歩だ。

(でも明日の天気が心配。)

そして、今年とぼけていたのはリサの方で、ケーキを見るまで今日の

ことはすっかり忘れていたそうな。夕方、何やら慌てて作ったと思わ

れるものをくれました。かなり可笑しい絵なんだけれど、ここには載せ

ないでおこう。個人的な記録として。

バラの写真も毎日山のように撮るので処理が追いついていかない。

下は、なんと咲いてる花を入れて一枝に14個もつぼみをつけたオク

タヴィア・ヒル。ぜんぶいっぺんに咲いたら、ラッピングペーパーとセロ

ファンをかけてリボンを巻いたら、そのままブーケになりそうな。

07octavia_hil

07octavia_hill05

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2007年5月12日 (土)

モウブのカーテン

07lilac_rose_02

あれは骨董通りにあったビルの2階のオフィスに勤めていた頃。

その日はみんな出払っていてオフィスには私しかいなくて、電話番以

外仕事もなく暇にしていたとき、窓から外を見ていると、通りを挟んで

斜め向かいの見慣れたマンションの窓のひとつが薄く開いていて、モ

ウブのカーテンが風で揺れていた。ただそれだけの景色だったけれ

ど、モウブのカーテンはアンティークなその建物の窓の雰囲気にとて

も似合っていてきれいだった。いったいその部屋にはどんな人が住ん

でいるんだろう。そんなことを考えながらしばらくぼんやり眺めている

と、突然カーテンがふわっと揺れて、女が窓辺に立った。

もう昼過ぎだというのにいま起きたのか、そのひとはスリップに薄い

ガウンをはおっただけ、という姿だった。窓越しに遠目でも、彼女のシ

ャンパン・カラーのスリップの質感と肌の白さは目を引いた。

シャンパン・カラーのスリップと、モウブのカーテン。

まるで花屋でよく似合う花の組み合わせでもみつけたみたいに私が

目を離せずにいると、彼女は鎖骨のあたりまである髪を無造作に揺

らしながら髪を掻きあげ、煙草に火を点けた。彼女の顔が美しい横顔

になり、そして吐き出された煙は通りの大気にゆっくり溶けていった。

アンニュイな6月の午後。私から見えない向こう側の手には、赤いワ

インの入ったグラスでも持っているのだろうか ・・・・・・

そう思ったとき、なぜか彼女はゆっくりとあたりに視線を泳がせ始め

た。そして、空中で一瞬シンクロする2人の視線。

すると彼女は、ふっと笑った。いや、笑ったように見えた。それはまる

で、”見てたわね”という、暗黙の共犯者めいた笑いだった。そして彼

女は後ろ手にカーテンを引くと、窓の向こうに消えてしまった。

後にも先にも彼女の姿を見たのはその1回きりで、それ以来彼女を

見ることはなかった。相変わらずときどき薄く開かれた窓に、モウブ

のカーテンが揺れていることはあったけれど ・・・・・・

実を言うと、彼女の姿を本当に見たのかどうかさえ、いまとなっては

曖昧なのだ。もしかしたらモウブのカーテンにインスパイアされた、

私のただの幻想なのかもしれない。ただ、その短い映像は私の頭に

インプットされ、いまでもモウブというと骨董通りのマンションの窓で

揺れていた、あのカーテンの色を思い出す。

今日、ライラック・ローズのふたつ目の花がきれいに咲いた。

この花には特別なニュアンスがあるような気がする。でも私のデジタ

ルカメラでは、この花の本当の色は出せない。下は株全体の様子。

全体として見ても、なかなか風情のあるバラだと思う。

07lilac_rose_03

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2007年5月11日 (金)

Table flower

Todays_rose

毎日のように、摘みたての新しい花を食卓に飾る愉しみ。

アプリコットのバラはジェイン・オースティン、隣りはローズマリー、

向こう側はヘリテイジ。

昨日は朝から風が強かったため、暴風雨で花が駄目になってしまう

前に切ってしまった。ジェイン・オースティンはこれが最初の花だった

ので満開になるまで切らずにおきたかったが、すでに風に煽られて

花びらが乱れかけているので切ってしまった。このバラはイヴリンと

同じ系統に属し、ふたつはとても似ているけれど、こちらはより洗練

されたデリケートな雰囲気を持つ。強いティーローズの香り。

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2007年5月10日 (木)

ルイさんのバラが咲き始めた。

Fabulous

先日、ルイさんにもらって6号鉢に移したバラが咲き始めた。

白バラ好きのルイさんらしく、柔らかな感じの白いバラ。

これはなんでもルイさんの家に代々あるバラなのだそうだ。

調べたら名前は『ファビュラス!』で合っていそうだ。言葉の意味は

『素晴らしい!』。もらった3つの挿し木苗のうち、もしかしたら3つと

も白バラかも知れない。

ルイさんはマメな人だ。こんな風に挿し木をしたり、種からバラを育

てたり。でも、こうやって丹精して増殖したところでベランダに置くに

は限りがあるから、作ってはみんな人にあげてしまうそうだ。

きっと作る工程を愉しんでいるんですね。

私も挿し木苗は一度だけやったことがある。まだオールドローズな

んていうものが手に入りにくかった頃、大家さんの庭のフェンスから

はみ出していたオールド・ブラッシュを少し失敬して、挿し木してみた

らいともたやすくついた。やっぱり人にあげてしまったけれど。

以来、挿し木はやったことがないけれど、挿し木苗の特徴は接木苗

より小型に育つこと。私のコンスタンス・スプライはとても古くて、一季

咲きだというのにあまりつぼみを付けない。そろそろ寿命も近づいて

いるようだし、2メートル以上にもなるこのバラを、挿し木で増やすこと

を考えてみてもいいかもしれない。

ルイさんにもらったバラをひとつ分けてあげようと、近所に住む友人に

メールをしたけれど、いっこうに返事が来ないのだ。昨日届いた柳の

トレリスをペイントするのに大量の新聞紙が必要だし、それをもらいが

てら明日あたり訪ねてみようか。

Fabulous_01

上のふたつの写真は昨日の午後。

そして下は今日の午前。

クリームがかったパールホワイトの花びらが美しい。

今日は朝から風が強かったけれど、それは午後には嵐のようになり

しだいに大粒の強い雨が降ってきて、ひどい暴風雨になった。

Fabulous_03

Fabulous_02

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2007年5月 9日 (水)

今朝のイヴリン

07evelyn04

今朝咲いたふたつめのイヴリンです。

大輪で完璧なシャローカップ咲き。たくさんの花びらが完璧に配列さ

れたこのバラは、しだいにロゼット咲きに変わる。花色は杏色と黄色

が美しく混ざり合ったあたたかな色。香りは特に濃厚で、たとえようも

ないほどフルーティーで素晴らしい香り。それはイギリスの有名な香

料メーカークラブツリー&イヴリン社のフレグランスにもなったほど。

いまホームページを見たら昔のパッケージとはデザインが変わってし

まったみたいだけれど、ここには『イヴリンローズ』というフレグランス

シリーズがあります。本物のイヴリンにはかなわないけれど、控えめ

で嫌味のない良い香りです。カタログなどには『エブリン』と表記され

ることが多いこのバラだけれど、昔からこのブランドを知っているせい

か、私には『イヴリン』のほうがしっくりくる感じ。

このなんとも言えない色あいを、ブロガーのtama さんは「朝焼けの希

望に満ちた『曙色』」と呼んでいました。なるほど。素敵です。

でも宵っ張りの朝寝坊で滅多に朝焼けなんてものを見られない私は

黄昏(特に夏の黄昏時)、マジックアワーと呼ばれる日没前の一瞬に

現れるなんともいえない空の色って、こんな色だったんじゃないかな

あと、いま想像しているところです。いずれにしても、しあわせな色。

今朝もこのバラを見た瞬間、思わず「ああ、今年もまた会えたね」って

思ってしまいました。

07evelyn05

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2007年5月 8日 (火)

バラの日々

07evelyn03jpg_1 

数あるイングリッシュローズのなかでも、私が最も好きなエヴリンが

やっと開いた。けれど残念なことに朝から晩まで降り続いた日曜の雨

のせいで、開きかけだったつぼみはそうとうに緩くなっていたようで、

今朝満開のときにはもう花びらがやっと持ちこたえている状態。

春の1番花は完璧な姿とはならなかった。

まだたくさんつぼみを付けているから、次に期待しよう。

このエヴリンの写真は、昨日の夕方、開き始めたときの様子。

エヴリンのプロフィル。

07evelyn01jpg

07evelyn02jpg

今日は私が1番好きなバラ、コンスタンス・スプライも開いたのだけれ

ど、こちらも同様の理由で完璧な花姿にならなかった。ティーローズ

が少々乱れた咲き方でも風情があってきれいに見えるバラだとした

ら、完璧な形にならないときれいに見えないのがイングリッシュロー

ズかもしれない。下は今朝咲いたヘリテイジ。

大きなつぼみを従えて。

07heritage_10

甘いピンクのふわふわ。

あまりにも頼りない砂糖菓子みたいなこのバラは、ティーのドュシェ

ス・ドゥ・ブラバン。今期のこのバラは、たくさん付けたつぼみのほと

んどがうどん粉にやられ、やっと開いた残りの花もミニバラ程度の

大きさ。けれど、きわめて多花性のこのバラは、6月の2番花のほ

うがきっと良くなるだろう。

07duchesse_de_brabant_03

07duchesse_de_brabant_04

カーディナル・ドゥ・リシュリューも次々に開花。

このオールドローズは一季咲きなので、花が終れば今年も終わり。

07cardinal_de_richelieu02jpg

そして今年もやって来た。

イングリッシュローズを部屋に飾る愉しみ。

1年でも5月の、ほんとにこの時期だけのささやかな贅沢。

下はシャルロットとグラミス・キャッスル。

部屋の中にもほのかにティーとミルラの香りが漂います。

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2007年5月 7日 (月)

ジョビンとミルトン

Tom_jobim_01_2 Milton_02_1

先日、ブルーノートでミルトン・ナシメントが『フェリシダーヂ』を歌って

思わず涙してしまったことは書いたけれど、今年はアントニオ・カルロ

ス・ジョビンの生誕80周年記念の年ということで、ブラジル国内外、

この日本でも、いろいろなイベントが企画されているようだ。

昨日の夕方、いつものようにJ-Waveの『サウジ・サウダーヂ』を聞い

ていたら、ミルトンの最新インタヴューを流していて、そのなかでミル

トンが友人に連れられて初めてジョビン宅を訪れたときのことを話し

ていた。私の記憶はうろ覚えで正確ではないかもしれないけれど、

忘れないうちにここに記しておこうと思う。

それまで2人はもちろんお互いのことを知っていて、ミルトンはジョビ

ンが好きだったし尊敬していたけれど、直接ジョビンの家で彼に会う

のは初めてだった。しばらくいろいろなことを話すうちに、トム(ジョビ

ン)が言った。

「君は僕の曲だけでアルバムを作ってみる気はないかい?」、と。

ミルトンはすぐに答えた。

「もちろん。やってみたいです」

するとトムはこう言った。

「今までぼくの曲を歌った歌手はみんな低い声で歌った。けれど

 君ならきっと君のやり方で、その高い声で歌ってくれると思うん

 だ。ぼくはそれが聴いてみたいんだ」

ミルトンはそれを聞いて感激して、ますますやりたくなったという。

けれど、その話をした後2ヶ月足らずで、トムは亡くなってしまった。

でも、その企画は今でもミルトンの胸の中にあって、いつか実現しよ

うと思っているそうだ。トムにそう言われて即答したときのミルトンの

素直な気持ち、憧れの人からオファーをもらって感激した気持ちを思

ったら、思わず私はまた涙が出てきてしまった。最近ではトムの2人

の息子と共演することも増えてきて、ミルトンは何かリーンカーネーシ

ョンみたいなものを感じているとか。絶大なるジョビンとミルトンのファ

ンの1人としては、ジョビンが生きている間にそのアルバムが成就し

なかったことをとても残念に思うし、いったいどういうアルバムになっ

たか想像せずにはいられないし、そしてもしそれが成就していたなら

ミルトンの知名度は今よりずっと高かっただろうとも思う。少なくとも

先日のブルーノートで空席が出るようなことはなかったんじゃないだ

ろうか。そんな話は他にもあって、生前マイルス・デイヴィスがイヴァ

ン・リンスの音楽に惚れ込んで、全曲イヴァンのアルバムを作ろうと

していたのに、プロデューサーに話した直後に亡くなってしまって成

らなかった、というのがある。イヴァンにしたって、それが成っていれ

ば彼の知名度はずっと上がっていただろうし、その後の彼の人生の

苦労を考えれば残念なことだと思う。少なくとも今ほどCDを手に入れ

るのが困難ではなかったろうと思うのに。

けれど一方で、死ぬ間際までやりたいことにあふれていたトムもマイ

ルスもなんて素敵な人生だったろうと思うし、ミルトンもイヴァンも60

を過ぎていまだ健在でその素晴らしい歌声を聴くことができることを

思うと、成らなかったアイディアはまた別の形で結実するんじゃない

かという希望がある。それはとっても素敵な夢の種です。

このところ毎日バラに明け暮れているかのように見える私だろうけど

よくある月並みな質問のアレンジとして、「もし孤島に行くのに、最低

限の生活はできるとして、たったひとつだけ選んだものを好きなだけ

享受できるとしたら何を選ぶか」、と言われたら、私は(意外かもしれ

ないけれど)美食でもバラでもなく、音楽を選ぶでしょう。

バラはやめられても音楽はやめられないんだ。たとえ世にあまり知ら

れていない音楽だって、自分の求めるものとはピンポイントで出会え

る自信がある。

今日、コントラバス奏者の齋藤徹さんのブログを見ていたら、こんなこ

とが書いてあった。長くなるけれど以下抜粋。

ジョビンとミルトンはとても相性が良い。ジョビンの代表曲『』あなたを

してしまう』の1番好きな演奏は、ドイツのテレビ局で見たジョビン

ミルトンのデ゙ュエットだし、ジョビンの死後、シンフォニーオーケスト

でのミルトンの『マチータペレ』は感動的だった。このフェリシダーヂ

齢を重ねた者のみが可能な表現に満ちていた。

最後の2曲の詞、抜粋。(高場将美訳)。こんな歌を今の彼から聴く

とのゾクゾク感。

 『人生のダンス』(Cacador de Mim)

 人生の舞踏会で、あるいはバーで、パンと交換にたくさんの善人

 たちがこの職業に踏み込んだ。楽器を弾いて歌うという職業。

 (略)すべてのアーティストは人々のところへゆく。そうだったの

 から、これからもそうさ。歌うことで私は解き放たれ、私は生き

 ことにも、歌うことにも疲れはしない。

 (最後の1行半だけ私が中原仁氏のものと差し替えました。)

 『マリアマリア』

 からだにマリアの刻印をもつものは/マリアよ/苦しみと喜びを混

 ぜ合わせる/でも索がなければいけない/粋にやらなければいけ

 ない/夢を持たなくてはいけない/いつでも/肌に/その刻印を持っ

 ているものだ/不思議な狂気を持っているものだ/人生を信じると

 いう狂気を。

いま、こんな歌詞を打っているだけでも私は泣けてきてしまう。

ミルトンのライブ以来、どこか感情のタガがはずれてしまった私です。

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2007年5月 6日 (日)

雨の朝、ルイさんが来た。

07charlotte02jpg

お約束どおりの雨の日曜の朝、一晩経ったベランダのバラたちはより

いっそう理想的な色と形になっていた。それは昨日の写真と較べても

歴然。シャルロットもデヴィッド・オースチンのローズリストで見たとお

りのきれいな花姿。

07charlotte_03

そしてこの、いちごミルクのような限りなく白に近いシフォンのような

優しいピンクこそヘリテイジ。去年、一緒にローズカフェに行った友

人がひと目惚れして、友人のファーストローズになったバラ。このバ

ラにしかないピンク。

あらためて今年咲いたイングリッシュローズを見ていたら、誰にでも

(たとえバラが初めての人にでも)最初から美しい完璧なバラを咲か

せることを可能にしたイングリッシュローズの産みの親、デヴィッド・

オースチンの功績は素晴らしいと思った。彼によって『バラは難しい

もの』というかつての概念が覆されたと言っても過言ではないのでは

なかろうか。エリザベス女王にサーの称号をもらったことも頷ける。

そして同時にこの完璧な咲き方を見ながら、ははぁ~、だからルイさ

んはきっとイングリッシュローズよりオールドが好きなんだなあとも思

った。もっと不規則で、不整形で、曖昧で、ゆえにもっと儚げで危うい

感じがするのがオールドローズなんだと思う。

07heritage_04

07heritage_05

あっという間に褪色してしまうカーディナル・ドゥ・リシュリュー。

これは今朝あたらしく咲いた花。

07cardinal_de_richelieu01jpg

そして今日はグラミス・キャッスルが咲いていた。

リストには『イングリッシュローズの中で最高の白バラ』とあるけれど

そのとおりだと思う。純白だけれど撥ね付けるような白ではなく、あた

たかく包み込むような包容力のある白。

07gramis_castle

真ん中にあるのはグラミスたまご。

07gramis_castle_01

バラ友達さんのブログではもう咲いているエヴリンだけど、私のエヴ

リンはまだこんなつぼみ。あともう少し!

07evelyn

現在のベランダのほぼ全景。写っていないのは私が立っている東側

のみ。明日、この連休に届かなかった柳のトレリスが届く予定なので

次の週末から徐々にペンキを塗って設置しようと思うのだけれど、は

たして頭の中の仮想庭園どおりにゆくだろうか?

1人でやる作業工程を考えると、ちょっとげんなり。先週、自分の家だ

けでは飽き足らず、人の部屋の改造までやっているという人の話をラ

ジオで聞いたけれど、私の友人にもそういうのがいないものか。

07veranda_garden

そして今日はこの雨のなか、ルイさん がうちに来た。

なんとクルマで15分のところにお住まいだというので、びっくり。

いまや2万人とも3万人とも言われているブログ人口なのに、それこ

そ星の数ほどあるブログの中から『バラ』をキーワードに知り合った方

がそんな近くにいらっしゃるとは。人の縁というのはどこまでも不思

議。下はルイさんが今朝、自分のベランダで切ってきてくれたバラ。

黒バラのように見える真紅のバラは、ルイさんのハンドルネームとな

ったルイ14世。

Rui_san

私のアルシュディック・ジョセフを持って行ってもらったかわりに、ル

イさんが育てた挿し木苗をいただきました。名前がなんだかわから

なくなってしまったんですって。まあ、咲いてからのお愉しみです。

Rui_san_02

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2007年5月 5日 (土)

ついに開いた!

07lilac_rose

今年初めて、一日半袖でいられた今日。

日が暮れても夜の大気がほのかにあったかい。

待っていた季節の到来。

昨日今日の初夏の陽気に誘われて、なかなか開かなかった我が家

のイングリッシュローズたちも、今朝いっせいに咲き始めました。

上は、うっすら綻びかけたつぼみのまま、ずっとフリーズしていたライ

ラック・ローズ。あまりにも時間がかかりすぎたせいで花びらの縁が

傷んでしまったけれど、それでもやっぱり素敵なモーヴ・ピンク。

私が好きな要素がいっぱい詰まったバラ。

そして、去年まであった快活な黄色のバラ、グラハム・トーマスの代

わりに来たシャルロットは、グラハムよりはちょっと澄ました印象。

07charlotte01jpg

見るたびに思わず微笑んでしまう、シフォンのような淡いピンクの端

正なバラは、ヘリテイジ。

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07heritage_03

昨日アップしたレディ・ヒリンドンも、今日は濃いアプリコットがかった

花を咲かせた。

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blush、という言葉が似合いそうな、陽のなかで照れているようなハー

レクイン・コルダナ。白に濃いピンクの覆輪のミニバラ。

07harlekin_kordana

そしてラストはアルシュディック・ジョセフ。

今日のアルシュディック・ジョセフはひとまわり小さくタイトに、濃い

ピンクに咲いた。生き生きと鮮烈な印象。

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連休も残すはあと1日だけ。

比較的お天気が続いたこの連休最後の明日は、雨で荒れ模様

になるらしい。

やっと咲き始めたバラたちにも受難の一日になりそうです。

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2007年5月 4日 (金)

今日のバラ

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異常なほどの暖冬で、一気に早まるかと思われた今年の春バラの

開花も、4月の寒の戻りの急激な気温の寒暖差で、結局は平年並

みか、もしくは去年より遅れそうな気配。

早々とつぼみを付けた我が家のベランダのバラたちも、明日には

咲きそうな風情を見せながら、なかなか開いてくれない。もうライラ

ック・ローズの1番花など、ちゃんとした開花は見込めないんじゃな

いかという様相を呈している。

いまベランダで咲いているのはミニチュアローズとオールドローズ

だけ。上の写真はミニバラのボルドー。まさしくボルドーワインのよ

うな深い赤のバラで、非常に多花、いまから晩秋まで咲き続ける。

オールドで一番先に咲いたのはドュシェス・ドゥ・ブラバンで、次が

アルシュディック・ジョセフ、そして3番目、いま咲いているのはレデ

ィ・ヒリンドン。このバラはイングリッシュローズのジェーン・オースチ

ンに良く似た細長い蝋のようなつぼみで、枇杷のようなアプリコット

いろが素敵なのだけれど、春の花は黄色が強く出た。

07lady

細い枝の先に大きな花がうつむき加減に咲くところは、典型的なティ

ーローズ。このバラは秋のほうがより整っていて、香りも強いように

思う。真冬に限りなく白に近づいてからも素敵なバラです。

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2007年5月 3日 (木)

催し物のお知らせ

Operetta_1 

先日、友人のところに行ったときにもらったポストカードを紹介しようと

思って忘れていました。

友人がいま、大阪の大丸梅田店でやっている催し物です。

明日からでもまだ5日間ありますので、お近くでお時間のある方はぜ

ひお出かけください。今回のこの催し物は、友人がテーブルコーディ

ネーターのJunko さんの素敵な人柄に惚れ込んで、何か一緒にでき

ないか、ということで始まった企画だそう。いつも物そのものよりも人

に惹かれて仕事をしている、という友人の言葉。なかなか素敵だと思

います。どうぞ、よろしくお願いします。

以下、ポストカードの内容です。

4月25日(水) → 5月8日(火) 大丸梅田店12階/オペレッタ

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ヨーロッパを中心に、『アトリエJunko』のセレクトした魅力的なテー

ブルウェアと、『オペレッタ』のクラシックでありながらも大人のスウ

ィートとモダンをコンセプトにセレクトした、多彩なライフスタイルとの

初のコラボレーションを実現いたしました。

ヨーロッパ発の洗練された魅力的な『Nouvelle Vague(ヌーヴェル・

ヴァーグ)新しい波』を感じていただければ幸いでございます。

この会期中に、お客様一人一人のニーズに合わせたテーブルコー

ディネイトをご提案させていただきます。

スタッフ一同、ご来店を心よりお待ちいたしております。

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夏仕様

Tentoumushi

久しぶりの誰もいない休日。

今日もよく晴れて暖かい。

陽に照らされたバラの葉の上で、てんとう虫も気持ちよさそう。

世間ではもう休日に飽きたと言っている人もいるそうだけれど、そん

なのって、自分のこと以外何もしなくていい若者か、やることのない

オヤジ族くらいじゃないの。晴れたら晴れたで主婦は忙しいのだ。

ベランダはバラだらけで足の踏み場もないくらいだけど、私は洗濯物

は外に干す主義。やっぱりお陽さまの光でパリっと乾いた洗濯物が1

番でしょう。それができなくなるようだったらバラはやめます。

今日は家の中のファブリックを夏仕様に変えた。カーテンを洗った。

窓を磨いた。去年と較べてとくべつ真新しいものはないけれど、それ

だけでなんだか夏気分。収納スペースの関係で、ストーブを閉まった

と同時に出てくる扇風機。でも、それもきっとすぐに必要ね。

Natsusiyou

咲いている花を切ることを嫌がる人がいるけれど、木が消耗するから

バラは木で長咲きさせないこと。ピークを過ぎた花はすぐに切る。

Hanagara

ベランダにいると、あっという間に数時間が過ぎてしまう。

今日は伸びたバラの枝に新たに支柱を立てたり、混んできた枝を切

ったり病虫害対策をしたりして、お昼も食べずに気づいたら3時を過

ぎていた。1人だといつもこんな風。簡単にペペロンチーノを作って食

べた。午後遅く、下のポストまで降りて行ったら村田ばら園から今年

のローズリストが届いていた。たった一度オーダーしただけなのに、

以来律儀にカタログが届く。村田ばら園さんのカタログにはバラのこ

とが詳しく載っていて、小さな花図鑑のよう。最近は派手なルックス

のナーセリーの人気オーナーもいるけれど、私はいかにもバラ職人、

といった感じの朴訥としていながら、どこかポエティックな村田さんが

1番好きです。

Murata_rose_nursery_1 

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2007年5月 2日 (水)

彼女の行き先

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ちょっと前から不思議に思っているんだけど、このあいだベランダの

配置換えをして、アルシュディック・ジョセフを西から東に移動したら、

なんだか花の雰囲気が変わってしまったみたいだ。どちらかというと

赤味が強いバラだと思っていたのに、こちらに移したら花いろがすっ

かり淡くなってしまった。いままでの写真と較べたら一目瞭然なのだ

けれど、これは単に日照時間が変わったことによるものなのか、それ

とも? もともと花いろに幅のある不思議な色のバラではあったけど。

ティー・ローズでこれだけはっきりしたロゼット咲きというのもめずらし

いように思う。

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つぼみもなんだか前より儚げ、のような。

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そして今日、このバラの行き先が決まった。

誰よりもティー・ローズをこよなく愛するバラ好きさんのところだから

きっといいと思う。

でも自分の育てたバラが、誰かのベランダで他のバラと並んで咲い

てるところを想像するだけでもなんだか不思議。かわりにこのベラン

ダにも、ここには無い新しいバラが来るみたいだ。楽しみです。

下の写真は今日のアルシュディック・ジョセフ。数えたら12個も花が

付いていた。これから誰かのベランダで初夏から初冬まで咲き続け

るのだと思う。Bon Voyage!

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2007年5月 1日 (火)

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打ち寄せる波のように

カーテンが揺れる

わたくしはすべての動くものを目で追ったが


ことば

緑の葉のむれのそよぎ

女の人の目の光り


もちろん匂いも

死ですら

動く


すぐ消える

よろこびの声

ながい長い文字のたくさんの仕組み

欲望と

限りない風の感情

たちまち骨が積みかさなり


子猫がねむる

五月の椅子


(北村太郎/詩集『冬を追う雨』より、『緑』)

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もう5月だ。

月日が飛んでゆくようだ。

5月の最初の日は雨で始まった。

うろ覚えの北村太郎のこの詩を夜中に探そうとして、最初に手にとっ

た詩集のなかにすぐ見つけられたのはラッキーだったな。

写真はフリー素材からいただいた。

本当はこの詩のとおりのシチュエイションの写真が欲しかったのだけ

れど、たくさん写真を見たのに、なかなか思うような写真って無いもの

だな。Lehto さんあたりに頼めば、お洒落なワイヤーの椅子の上で

眠るポエティックな子猫の写真をもらえただろうか。あんまりたくさん

猫の写真を見ているうちに、猫好きのSと、Sの飼っていた猫のことを

思い出してしまった。いったい今頃Sはどこにいるんだろう。

どこかで行き倒れているわけじゃあるまいね? まさか。

もう、5月だというのに。

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