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2007年3月31日 (土)

その年の桜/千鳥ヶ淵

Chidorigafuchi02

新宿御苑に行ったその足で都営新宿線に乗って九段下に行き、この

日は桜のハシゴをした。桜のハシゴなんていうのもなかなかオツじゃ

ないか。この時季だけのスペシャル。

千鳥ヶ淵の桜を見るのはたしか6年ぶり。近くにクルマを停めて、あ

のときは夜桜だった。6年もつきあっていて、その人と一緒に桜を見

たのはその1回限り。

ついに彼には、私にとってその年そのとき限りの桜を一緒に見ること

の意味も、大事さも、わかってもらえなかった。

でも、そんな想いが去来したのもほんの束の間で、それ以上のどん

な感興も感情も、私にもたらすことはなかった。素晴らしい。

私も日々、刻々と変化していいるのだ。この桜みたいに。

いま私が見ている今年の、今日の、このとき限りの桜。

いまを精一杯に咲いて、明日は明日の風が吹く。

さよなら。

Chidorigafuchi

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新宿御苑の桜

Shinjyukugyoen_01

2月くらいからずっと息子が家にいて、3度の食事の支度もさること

ながら、彼がしばしば出すよろしくないハリネズミ・ビームのおかげ

でストレスが限界に達したので、昨日は家で仕事するのをあきらめ

て、外に出かけることにした。そうしたら友人も同様な理由で突如、

夜中にネットで見つけた宿に予約して、桜と海の景観を求めていま

伊豆に向かう電車の中だとメールが来た。やれやれ。どうして友達

って変なところが似ているんでしょう。彼女が伊豆なら、私が電車に

乗ってふらっと向かった先は新宿。今年もまた新宿御苑の桜。

男と女なら「また会えたね」ってところだろうか。

ここ数日の暖かさでソメイヨシノは一気に9部咲き。

見頃は今週末がピークじゃないかと思う。

Someiyoshino_02_2

Someiyoshino_01_2

新宿御苑は100周年ということで、園内には立派な巨木が多い。

蓮池に映る一幅の絵のような、見事な桜の樹。

Shinjyukugyoen

まだいくらも咲いていない濃いピンクの桜を見つけて写真を撮ろうと

でも風が強くてなかなかピントが合わずにずっと同じ格好で桜にカメ

ラを向けていたら、同じように写真を撮ろうとしていたおばさまが、

「きれいな桜ですよね」と声をかけてきた。

「最近ちょくちょく来てるんですけど、今日はこれが見られたからよか

った。この桜、チョウシュウヒザクラって言うんですよ。ちょっと変わっ

た桜でしょう?」と言う。

「ええ。まだ一部咲きだけど、これが満開になったら圧巻でしょうね」

と私が言うと、彼女はいつ頃かしらね? と言い、「桜って暖かいと

一気に満開になってしまうから、ここ数日かな。また来なきゃ」と私

が笑って言うと、写真をなんとか撮り終えた彼女は「そうですね。そ

したら、ここでまた会えるかもね」と言って手を振って去って行った。

彼女が言うようにまたこの桜の下で会えたとしたら、それもなんだか

不思議で面白いかもしれない、と思う。

Cyousyuhizakura_02

Cyousyuhizakura_01

今年はだいぶ見頃を過ぎていた枝垂桜。

Shidarezakura_gyoen

桜にも冬に咲く寒桜から早咲きの桜、枝垂桜、ソメイヨシノより遅く

咲く八重桜の種類などいろいろあって、そう考えると桜も意外と長

く楽しめるんだなと思う。これもまだ1部咲きだったイチヨウ。

まるでポンポン咲きのオールドローズのようなかわいさ。

Ichiyou

この八重桜も満開になったらすごいだろうな。

時期的には4月最初の週末くらいだろうか。

私もまた来られるかなあ。

Ichiyou_01

そして最後、人だかりがしていたので何かと思ったら、これは梅。

一本の木に、この白に濃いピンクのストライプの花と緋色の花が

咲き分ける変り種。

Gyoennoume

この週末は新宿御苑のお花見の人手も最高だろうと思う。

花に嵐はつきものだけど、なんとかお天気がもちますように。

さて今週末、あなたはどこへ?

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2007年3月30日 (金)

桜・プロローグ

07shidarezakura_09

またこの季節。

暖かい陽射しが降りそそぐ穏やかな真昼にも、大気に溶ける吐息の

ような聞こえない呼び声を聴き、刻々と変わる空にさざ波のように満

ちてくる微笑を感じた。

いったい君は強いのか儚いのか情が深いのか潔いのか真摯なのか

揶揄してるのか清らかなのか魔のものなのか。たぶんその全てで。

・・・・・・ じきに魔が刻。

おあつらえむけじゃないか。

ここは死者の住む大いなる領域。

こんどこそ君の待つそこに行けるのか。

それともただぼくは君の幻に翻弄されているだけなのか。

今年もまた君に呼ばれて ・・・・・・

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07shidarezakura_01

07shidarezakura_06

*これは多磨霊園の枝垂桜。

 tama さんのブログで、これが都内唯一の枝垂桜のトンネルだと知

 って行ったのだけれど、私が行ったときにはすでに時期が遅く、ま

  た時間も夕暮れだったのできれいな画像にはならなかった。

 tama さんのブログには枝垂桜のもっと美しい写真が載っています。

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2007年3月29日 (木)

携帯デビューの春

Lisa

のっけからなんだけれど、嫌な時代になったものである。

うちの下の娘も今年4月から高校生になって電車通学が始まるので

「携帯なんかいる?」といちおう聞いてみたところ、即座に「いるよ!」

と答えが返ってきた。それどころか、「当たり前だよ! だって、もうみ

んな持ってるよ。持ってないのはリサくらいだよ。それに携帯持ってな

い人はみんなパソコンでメールのやりとりしてるんだから」、と言われ

てしまった。ふぅ~ん、そんなこと言ったって、家に2台もパソコンがあ

っても君は触ろうともしなかったじゃないか。娘の同級生の親である

私の友人も、ガリ勉でどちらかというとトロイ息子に親が気を遣ったつ

もりで同じことを聞いたところ、やっぱり同様の答えが返ってきたと言

って驚いていた。ふぅ~ん、あの○○がねぇー、いったい誰にメール

するってのかしらね、なんて話した母たちである。

ちょうど3年前の今頃、高校がちょっと遠くだし、部活で遅くなったりも

するだろうから心配だしと思って息子にも携帯を買ってあげたところ、

以来2年近く、息子の使う携帯料金に心底悩まされた。毎月14000

円から2万円の間を行ったり来たり。何度それで喧嘩をしたかわかり

ゃしない。それなのに娘の友達ときたら、携帯料金に10万も使って

親に怒られた、なんて言うではないか。もう、どうなってるんでしょう今

の世の中。一体いつから子供が携帯持つのが当たり前の世の中に

なったんだ? 

何を隠そう、私が携帯電話を持ったのはつい6、7年前のことで、そ

れも仕事で必要に迫られたからで、それまで持ってなくてもなんら問

題はなかった。その頃は子供たちだって同じ状況だったと思うのに。

それが、いつから?

・・・ でも、そんなわけで昨日、娘の携帯買いました。

数年先にはもうMOVAが無くなるということで、いきなりFOMA。

この時期、2台一緒に買った方が何かと割引が付いてお得だという

ので、私もモバイルの仕事をする以上、いつまでも古いのは使ってい

られないので同時に買い換えました。新しい機種が出るとすぐに飛び

つく人が多いようで、娘も私も第2希望まで在庫が無くて、取り寄せ

るまで待てないという娘に合わせて結局あるなかから選んだような状

態。今やこの国は一億総携帯マニアかと思う。

前のを買うときも128万画素のオートフォーカス・カメラを装備、なん

てことが話題になったものだけれど、今度のは一気に320万画素。

すごい。テクノロジーの世界はまさに日進月歩。けれど、マニュアル

を読むのも機械を操作するのもほとんど初めての娘に昨日からずっ

とつきあわされて、仕事にならない私です。(私だってまだ自分のも

ちゃんと使えるようになっていないのだ。メールをくださった方、返事

が遅れていてごめんなさい。)

ちなみに私にも見放され、ついに自分で料金が支払えなくなった息

子は携帯を使わなくなってもうすぐ1年になるのだけれど、このたび

一緒に買うかと聞いたところ、いらないって言う。なんで、不便じゃな

いのと聞いたところ、(ギターに夢中になってる息子は)いま、そんな

ことにお金を遣いたくないんだ、だそうです。それで、夜中に書いた

という手紙を朝ポストに出しに行きました。あんなに携帯が手放せな

かった息子が、今や手書きで手紙を書いているとは。人って変われ

ば変わるもんだなあ ・・・・・・

でも、手紙ってなんだか新鮮。

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2007年3月28日 (水)

実生苗の移植(実生④)

Isyoku_1

バラの実生苗が育ってきたので、養分のある土にいくつか移植しまし

た。苗は小さい割には思いのほか根が深く張っていて、慣れない移

植作業に少々手間取り、根を傷めなかったかちょっと心配。

こんなに小さくてもすでにアブラムシもつけばウドンコにもなる。

ウミガメの赤ちゃんにしてもバラの実生にしても、成長するのは前途

多難なのだなあ~と実感。

この実生苗、果たして花を咲かせるまでに成長できるのだろうか?

Isyoku_01

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2007年3月26日 (月)

紫の君

Murasaki_3

久しぶりに雨音で目覚めた日曜日。

雨が上がった午後に外に出て行ったら、これも姫こぶしだろうか、雨

に濡れた紫の花。

フィギュア・スケート世界選手権の最終日、転倒する前までは彼女が

金を取るものだと確信して、うっとりと見とれていた。キム・ヨナ。

ふだんはどこか茫洋とした表情の子なのに、ひとたび音楽が鳴って

演技し始めると、一変して妖しい色香を放つ。あれって天性のものな

のだろうか。不思議な女の子だ。

いつかテレビで彼女の練習風景が映っていたとき、細い身体にぴっ

たりした濃いスミレ色のタートルネック・セーターを着ていて、それが

とても印象的だった。昨日、夜遅くまでクレマチスの写真に見入って

いて、思わず濃い紫のクレマチスをオーダーしてしまったのも、彼女

の印象があったからかもしれない。

もう夕暮れに霊園を通ったら大島桜が咲いていて、立ち止まって撮っ

た桜はモノトーン。

今日はよく晴れて暖かく、花柄のシャツにコットンのベストでOKだっ

た。近所の桜も一気に綻び始めたから、きっと今日あたり、どなたの

ブログに行っても桜・桜かもしれないな。

さて、私は今年はどこに行こう?

Ooshimazakura_2

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2007年3月24日 (土)

ここでちょっとひと休み

Kakipi

柿チョコピー(チョココーティングした柿の種)で作った顔。by リサ。

(これでもうすぐ高校生。アホな子です。だいじょぶなのか?)

外は夕方から風が強い。

春はセンチだと言う友達を笑かそうと思って。

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島の人/物書きはミステリー

Shimanoyuyake

私はふだん家でも外でもいたって機嫌の良い人間であって、不機嫌

なときのほうが少ない。結婚生活がそのまま修行生活みたいだった

のと、接客業なんてものを少々やったおかげで人間のあまりよろしく

ない部分をずいぶん見せられて、諦観もあって今ではすっかり理性

的で我慢強い人間になってしまった。だから身内はともかくとして、他

人様に心底腹を立てることなんてことは滅多にない。ところがそんな

穏やかな私を心底怒らせる人間が世の中にはいるのだ。

それがボスである。

最近でこそそういうことはなくなったけれど、この人は人の都合もお構

いなしに突然電話してきては勝手なことをまくし立て、私が冷たいと

言っては怒る。もういつのことだったか忘れたけれど、その夜も遅い

時間に電話してきて話している中で、ボスは致命的なことを私に言っ

たのだった。それはおよそ女には言ってはいけない言葉で、断じて許

しがたい言葉だった。私は頭に血が上るのをはっきり感じて、ボスが

それ以上馬鹿なことを言わないように制したのだけれど、彼はいっこ

うにやめない。私は頭にきて、滅多にしないことだけれど、受話器を

ガン!と置いて電話を切った。またすぐに鳴る電話。取るとまだ喋っ

ているボス。また切る。それを何度か繰り返すうちについに怒りが頂

点にきたので電話線を引っこ抜いた。いい加減にしてくれ。だいたい

いま何時だと思ってるんだ! ・・・・・・

そのときばかりは電話線を引っこ抜いても腹の虫が納らず、私は子

供部屋に入っていくと本棚からボスの詩集を引っ張り出し、子供の机

に乗って窓を開けると4階の窓から思い切り本を外へ向かって放り投

げた。(そんなときでさえ2冊持ってる同じ詩集のうち直筆で献辞が

書かれてない方を投げるあたりはどうしようもなくA型の私です。)

バン! という音がして詩集が下の舗道に落ちたのを確認してその

日は寝たのだった。ちなみに翌朝見たらなくなっていたから、どこか

の酔狂な方が持って行ったらしい。

以来、1年だか2年だかお互いに音信不通にしていたのだけれど、あ

る年の暮れにボスから1枚の葉書が届いて、そこには「また有馬記

念にでも一緒に行かないか」と書かれてあって、いともあっさりと仲直

りした。もともと、いつまでも根に持つタイプじゃなくて子供みたいに単

純なところは似ている2人なのだ。後々になって新宿伊勢丹会館の

串揚屋のカウンターで飲んでいるときに、もう時効だろうと思って詩集

を窓からぶん投げた話をしたら、ボスは怒るどころかひどく上機嫌に

なってしまって呆れた。なんでも女に詩集を窓から投げ捨てられるな

んざ最高だね。それでこそ一流の詩人だよ。やっとこれでオレも一流

の詩人になれたよ。てなことらしいけれど、物書きっていうのは実に

よくわからん、変な生きものである。故郷に帰って詩人仲間に自慢し

てやるんだというボスを横目に、まあボスが機嫌いいならそれでいい

かといい加減な気持ちで串揚げをせっせとパクついていた私です。

ボスは故郷で大学を出たあと東京に来て、某出版社で気鋭のライタ

ーとして活躍した後、30代で独立してプロダクションを持った。新宿

2丁目という場所柄、全盛期にはなかなかすごい人たちが出入りし

ていたらしい。長く続いた事務所だったけれど、2000年だったか、

石原新太郎が都知事になることやら、自宅のマンションの前の好き

だった梅の木が切られてしまったことやら、私が冷たいことなどを理

由に事務所をたたんで、昔から行き来していた八丈島に行ってしまっ

た。本当のところはもちろん、日々の生業のために締め切りに追われ

てどうでもいいことを書く生活に終止符を打って、本当に書きたいこと

だけ書く生活をしようということだったと思う。今やすっかり島の人だ。

私たちは似ているところもあるけれど基本的には合わないのであって

(私の性格が男なら、彼は女)、無用な喧嘩を避けるため、最近は私

からはコンタクトをしないようにしてきた。『故郷は遠きにありて ・・・』

じゃないけれど、ときどき心配するくらいでちょうどいい人なのだった。

ただ、ちょっとだけ怖かったのは、私はボスの正確な年齢は知らない

けれど、出会った当時すでに白髪ザンバラの髪でおばあさん(混浴

の露店風呂に入っていて、お婆さんたちに囲まれて話しかけられて

困ったことがあるらしい)のようであったことを考えると、一体いまは

いくつなんだろう? ということだった。

私にはボスがあの八丈島の貧相なあばら家で、古色蒼然たる原稿

用紙が散乱する部屋でたった独り、老いさらばえて死んでゆくことを

考えると怖かった。突然、舞い込む訃報。それはおよそ文学的過ぎ

る想像かもしれないけれど、ボスならありえなくもないことだから。

東京でちょっと強風が吹くときは、八丈島は嵐なのだそうだ。

そんな風の強かった先日、大の珈琲好きでクラシック好きのボスに、

私のお気に入りの珈琲豆と、自分で買ってほとんど聴いてないのか

ら叔父からもらって全然聴いてないクラシックのCDなどを大量に送

った。なんだかんだ言ってもボスにはずいぶん世話になった。自分の

失業と母の入院が重なったときには2ヶ月だけ雇ってくれたりもした。

結局はそれが事務所をたたむ手伝いだったのだけれど。

めずらしくメールでいつなら電話してよいかとお伺いがあった後、電話

でボスと話したら、ずいぶんと具合が悪かったのだそうだ。かつては

夏の間はスヌーピーのTシャツにジーンズ、冬はスヌーピー(それが

ボスのトレードマーク)のトレーナーに革ジャンにジーンズというスタイ

ルでクロコダイル・ダンディーみたいに元気な人だったのに。コンピュ

ーターがこれだけ普及した今もボスはワープロなんかは使わずに、

小さな文机の前に正座して原稿用紙に手書きで書く。その長年の習

慣がたたったのか、重度の椎間板ヘルニアにかかって歩くこともでき

なくなり脊椎の手術、そして術後に今度は頚椎が同じ状態になって

右手が使えなくなり頚椎の手術、半年もたたぬ間に大きな手術をふ

たつもしたという。医者から病状を言われる際に、ボスがあまりに貧

相ななりをしていたからホームレスと間違われて家族を連れてこいと

言われた件には笑ったけれど、頚椎の手術のときは医者が嫌がるの

を無理に(脅して)やってもらったので、正直、死をも覚悟したらしい。

やれやれ。やっぱりそんなことになっていたか。

「そういえば、頚椎の手術をするときにスキンヘッドにした写真は送っ

たっけか?」と言うので「いや、送られてない」と答えると、「じゃ、電

話切ったら送るから」と言う。えー、そんなもの見たくないぜ、と思った

けれどそうも言えず、「それよか島の夕焼けの写真でも送ってくださ

い」と言って、送られてきたのが上の写真。ボスのスキンヘッドの写

真はもともと痩せているのに体重が10キロも落ちたと言っていたから

とても悲愴なものを想像していたのだけれど、「小学生以来のスキン

ヘッドでおじゃる」という島言葉のメッセージと共に送られてきた写真

は思いのほか元気そうで、京都の説法好きの坊さんのようだった。

昔、チャンバラ好きの父と時代劇を見ながら、波乱万丈っていいね!

と目を輝かせる子供の私に、平凡至上主義の父は「波乱万丈なんて

ちっとも良くない。平凡が1番」といつも呪文のように言い続け、何を

思ったのか「作家なんてものにはなるもんじゃない。あいつらは頭が

おかしい。作家になんかなっても絶対にしあわせにはなれない」と言

っていたものだが、果たしてどうなんだろう。

この言葉ももう死語だろうが、この日、懐かしくも切ないイカレポンチ

なる言葉を思い出してしまった。ボスも私もイカレポンチなところが

似ているのだろうなあ。

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2007年3月23日 (金)

デトックスジュースまた始めました。

Detox_juice

冬の間はさすがに寒くて朝からクラッシュアイスの入った冷たいもの

を飲む気になれずに、しばらくやめていたデトックスジュース。

やっと暖かくなってきたし、やっぱり毎日、豆乳を摂ることの効用とデ

トックスの効果にはかえられないので、また始めました。

今朝飲んだのは、豆乳ベースにアボカド、バナナ、いちご、レモン、ハ

チミツ・黒糖を入れてブレンダーにかけ、最後に氷を数個入れてクラッ

シュしたもの。こうするとアボカド嫌いの私にも難なく飲めます。

ちなみにレシピは3人分で、豆乳300ミリリットル、アボカド半分、バ

ナナ半分、いちご約半パック、レモン1個、ハチミツ・黒糖少々。豆乳

とアボカドの効能は前にも書いたので以前の記事を参照いただくとし

て、デトックスの基本は朝起きたての胃が空っぽの状態で行うこと。

このジュースを飲むとすぐに腸が動き出すのがわかります。そして健

康の基本は腸をきれいに保つことと、血液・リンパの循環を良くするこ

と。だから食だけでは駄目で、そこに適度な運動とかマッサージをい

れないといけない。

ちなみに今日、デトックス特集をしていたのでものすごく久しぶりにア

ンアンなんか買ってしまったのだけれど、巻末の林真理子の『美女入

門』を読んでいたら、「私をおしゃれから遠ざけているふたつのH」とあ

るからなんのことかと思ったら、貧困と肥満だって。肥満はともかく、

林真理子と貧困って全然ピンとこないんだけどな。まあ、貧困のレベ

ルが違うんでしょう、ということで。それならさしずめ『ふたつのB』だっ

たら貧乏とブスのことだろうか。前にテニスクラブのフロントに立って

いたとき、いつもかわいいかわいいと言ってくれる獣医の先生がカメ

ラを私に向けたので、「今日はやめてください。寝不足でブサイクな顔

してるから」と言ったら、「そのようだね」とあっさり引かれてコケそうに

なったことがあったけれど、ワタクシただいまふたつのB入ってます。

ついでに書くと、今年は美白に賭けると公言している私。去年、UVケ

アもせずに長時間ベランダ・ガーディナーしたり、プールの行き帰りを

したり、それに夏から極度のストレス(!これが1番いけない!)を抱

えたりしたら、すっかりシミ・ソバカスが増えてしまったのだ。今年はこ

れをなんとかするつもり。で、先日、思いつきでやってみたのがハチミ

ツ・パック。夜、バスルームで洗顔した後、化粧水で肌を整え、ハチミ

ツを適量塗ってラップ2枚で覆う。その状態で顔に熱いタオルを載せ

て、ぼーっとバスタブでお湯に浸かること数分。

ラップをはずして顔をすすいだ後はお肌ツルツルでした。後で調べた

ところ、赤ワイン小さじ2にハチミツ大さじ1を混ぜたものを塗るのが

美白には良いそうだ。自分でやってみて有効だったことはここにも載

せていこうと思うので、まず今日のところはこれをお試しあれ!

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2007年3月21日 (水)

花屋に行って思うのは

Fior_02

この八重咲きのチューリップの名前は『フィオール』。

イタリア語でフィオーレとは『花』のこと。

昨日、卒業式の娘のために買った花だ。

娘のためにはいつもチューリップを飾る。あの子がいちばん好きな花

だし、似合う花だから。いつも楽天的で元気なあの子の前途が、この

花のようにいつも明るくあるように。

これは花屋で初めて見た新種のチューリップで、花にヴォリュームも

あるし、きれいなピンクのフレームにグリーンが入るフレッシュさがと

ても気に入って、6本買って帰った。ところが。

家で花瓶に生けようと包装紙を開いたら、6本のうち2本が花首から

10センチくらいのところでスッパリ折れて取れてしまった。ショック!

とりあえずそれを小さな花瓶に生けて自分の机の上に置き、他のを

見ると、くねくねと曲がった茎の途中に亀裂が入って、触ったら今に

も折れそうなのが更に1本。こりゃ駄目だとがっかりする。折りしもそ

ろそろ夕飯の買い物に行って準備をしようという時間。花屋はスーパ

ーとは反対方向にある。半分になってしまって花瓶に生けても形にな

らないチューリップを恨めしく眺めつつ、同じ花を買い足すべきか別の

チューリップを買い足すべきか思案しつつ再び花屋に行った。事情を

説明するとさっき花を包んでくれた女の子はすぐに謝ってくれたけれ

ど、先ほどはいなかった店主の男の子はひどく無機質な対応。

どんな状態だったのか訊かれたので説明すると、彼は花の茎に触り

ながら、「このチューリップは他のと較べて茎が硬めだから、折れや

すいのかもしれません」と一言。このチューリップは花が開き始めると

茎がくねくねしてきて、その曲がった部分が折れやすいようなのだ。

同じ花を買ってまた折れたら嫌だから、これに合う別のチューリップを

買おうかと迷っている私に、彼はまだツボミが固くてまっすぐなのを3

本選ぶと、「折れたものの代わりに3本お出しします。それでよろしい

ですか?」と訊いた。その語調にはある種の不快なニュアンスがあっ

て、私は結局そうしてもらって、早々にその場を立ち去った。この店の

花も、彼も、もうすっかり駄目になっちゃったなと思いながら。

この店がオープンしたてのとき、初めて花を買った後に近所の女友達

に電話した。久しぶりにいい男見ちゃった、と。

どんな人? と訊く彼女に、「とてもキラキラした目の人で、彼も、店

の花も、驚くほど生気にあふれて生き生きしてるの。品揃えもこの辺

の花屋にしてはユニークだし、とてもいい花屋だったよ」と言った。

後日、彼女からも同じような報告があった。店主の男の子は花が好

きで好きでたまらないような人だったし、そういうのって誰が見てもわ

かるもので、瞬く間に噂は広がって、店は繁盛しているようだった。

2号店もできたらしい。

ところがここ数年は行くたびに悪くなっている。いつか久しぶりに行っ

たら店主が変わってしまったのかと思ったくらい彼はやつれ果ててい

て、いつ行ってもクマのある顔をして、花もそれに連動するように前ほ

ど元気じゃなくなった。ここ最近などは笑顔すらもなく、ひどく無機質

な応対をされる。彼はすっかり変わってしまった。その上、切花は高

いのに、いくらももたないとなれば嫌になってしまう。

前にも書いたと思うけれど、花屋とかケーキ屋を経営するのは大変

だ。花もケーキも生活に無くてはならないものではなくてむしろ贅沢

品だし、売れても売れなくても駄目になったものはあっさり下げて、

常に店を品数豊富に美しくフレッシュにしていなければならない。

都会ならともかく、シャビィな郊外のこの町で、いったいどれくらいの

需要があるのかと思う。何件もの花屋がそうやって潰れていった。

いまは普通の花なら、たとえば普通のチューリップなら、オランダ直

輸入のフレッシュな花が安くスーパーでも買える時代だ。彼の花屋

はこの辺には無いような変わった花も扱っていて、仕事も丁寧で良

心的なのが気に入っていたからこそずっと応援する気持ちでいたの

に。家のもっと近所には、花好きのおじいさんとおばあさんがやって

いる老舗の花屋があって、そこはちょっと敷居が高いけれど、自転車

を漕いでいたら先日行ったときのおばあちゃんの柔らかな笑顔なども

頭に浮かんで、もうこの店には来ないかもしれないなと思った。

ちょっと残念です。

Fior_1

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2007年3月20日 (火)

卒業式

Sotsugyoushiki_01

今日は娘の卒業式。

今日も北風が強くて寒かったけれど、晴天に恵まれてよかった。

約ひと月違いで生まれた友人の子供とともに同じ学校で3年間過ご

し、今日卒業することを考えると感慨深いものがある。

保育園から今までの12年間。とても苦労したのに、あっという間に

も思える12年間。

卒業間際まで毎日遅くまで学校に居残って制作をしていたうちの娘。

今朝出がけに、「そういえば卒業制作で何作ったの?」と聞いたら、

「体育館に入ったらすぐわかるよ!」とぶっきらぼうに言われてしまっ

たのだけれど、体育館に入ったらほんとにすぐわかった。

壇上の背景に飾られた、雪解けで速さを増す春の渓流と、カワセミの

絵。美術の先生と選択授業のわずかな生徒で仕上げたとは思えな

い立派な絵だった。

私の2人の子供が通ったこの中学は、伝統的に合唱に力を入れてい

る学校で、入学式も卒業式も合唱で送迎される。卒業式はまず在校

生が送る言葉とともに合唱し、それに応える形で卒業生が巣立ちの

言葉と合唱曲を2曲歌う。この頃になると卒業する子供たちも担任の

先生も親たちも感極まってくる。「私なんて卒業式の間じゅう泣きっぱ

なしだったわ」という誰かさんの言葉を思い出しつつ、2曲目の『旅立

ちの日に』の終盤になったら、ついに私もうるうるしてしまった。

担任を先頭に退場するときには、もう先生も子供たちも涙、涙 ・・・

日頃、テレビを見ても映画を見ても泣くのは大人ばっかりで、滅多に

何かに感動して泣くことがない子供たちがこんなに泣くのを見るのは

新鮮でもあり、驚きでもあり。

親が作った花道の間をあっという間にすりぬけてゆく子供たちを見送

った後、担任にお礼を言って、この先生は先日14日の合唱コンクー

ルの時、クラス最後の受験の合格通知を聞いて号泣したと言ってい

たから、「(今日も)いっぱい泣きましたか?」と聞いたら、「なんだか

実感が湧かなくて」とおっしゃる。

自分のことを振り返って思うと、そうかもしれないなと思う。

いつもその最中にいるときには実感がつかめなくて、ただ否応なく巡

る季節と時間に後押しされるまま、人は出会いと別れ、終わりと始ま

りを繰り返す。そうやって人の人生なんて、夢のようにあっという間に

過ぎてしまうのかもしれないなあ ・・・・・・

それが嫌で、それに逆らうように、今日が名残惜しくて、いつまでも学

校のなかでたむろしている子供たちなのでした。

そしてソフトテニス部に所属する娘は去年の夏休みいっぱいでもうと

っくに引退したのだけれど、明日あらためて引退試合があるそうだ。

暑い日も寒い日も3年間、本当によく頑張りました。

Sotsugyoushiki_03

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2007年3月19日 (月)

今朝のバラふたつ

Mona

モナ。ベージュがかった大人のピンク。

たしかこんな色の柔らかなシフォンのスカーフを持ってたような。

Baby_carol_01

こちらはベビーキャロル。

中心に白いボカシが入る、濃いピンクの一重の愛くるしいバラ。

どちらも週末に届いた、今年の新品種。

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2007年3月16日 (金)

花より団子とブルースハープ

Hanayoridango

おとといの夕方、そろそろ夕飯の準備をしようかなあと思っていたら

ブロガー仲間のhanta さん から荷物が届いた。

『貴重品』と書かれた包みをおそるおそる開けると、春らしい麦わら

帽がついたかわいいカードと、きれいにラベリングされた2枚のCD

と、ぷちぷちパッキンに包まれた鎌倉銘菓が出てきた。

Hanayoridango_01

しばしかわいいカードに見とれて、それから中のメッセージを読んで

こういう場合いつもだと私は1日の仕事が全部終ってからCDを聴く

ことにしているのだけれど、この日はなんだか待ちきれずに食事の

支度もそのままに、すぐに聴いてみることにした。そして聴き始めた

ら、すぐに顔が綻んでしまった。これがhanta さんのとっておきだとす

ぐにわかったから。いいなあ。最高だよ。人が大事にしているとって

おきの音楽をもらうのって最高だ。特にそれが自分にとって未知の

音楽ならなおさら。ブルースハープはとってもいい音をしてた。

私は小さい頃、人一倍小さな顔に大きな耳が付いていたから、母か

らは耳のことを『電波探知機』なんて呼ばれていたのだけれど、ほん

とにいい耳をしててよかった。

さて、hanta さんお薦めのそのブルース・ハーピストは松田幸一さん

という。彼のプロフィールを見たらびっくりしてしまった。とてもメジャ

ーな人なのでした。古いところでは谷村新司や泉谷しげるとバンドを

やったり、荒井由美の『コバルトアワー』の中で吹いてたり、ヨージ・

ヤマモトのパリコレクションの音楽を担当したり、それが映画監督の

ヴィム・ベンダースに絶賛されたり、最近だと映画『三丁目の夕日』

のなかの音楽をやったりしている。それに私は彼の名前を知らなか

っただけで、実は今までさんざん聴いたオリジナル・ラブの初期のア

ルバムで、ワイルドでかっこいいブルース・ハープを吹いていたのは

松田幸一さんだったんですね。私はてっきり田島さん自身だと思って

いたのだけれど。・・・ というわけで自分のなかで好きなものが繋が

って、ますますしあわせ気分。

松田幸一さんのハモニカの印象は、曲によって洗練されたもの素朴

なもの優しいもの激しいものとあるけれど、とてもリラックス感があっ

て温かい印象。このリラックス感がある、というのと緊張感が無い音

というのでは天と地ほども違いがあって、簡単に言うと茹ですぎのパ

スタとアルデンテのパスタくらいに違う。適度に柔らくて軽さがありな

がら芯のある音、とでも言おうか。そしてイメージとしては、山小屋に

泊まって、夜、焚き火をしながら、ホウロウのマグカップで有機栽培

の薄くて甘い珈琲を飲みつつ、満天の星を眺めながら聴きたい、って

感じかな。そんな経験を誰か、とても大切な人とできたなら、きっと

一生忘れないと思う。あの日の夜空と満天の星、珈琲の味、ブルー

スハープの心に染み入るような音色 ・・・ (わたくし、想像の世界に

入ってます。)

そんなわけでhanta さんのお気に入りの音楽は、私のお気に入りの

音楽にもなったのでした。

hanta さん、どうもありがとう。何よりの贈り物でした。こんなところか

らなんですが、あんなにきれいにラベルをプリントしてCDを焼いてく

れた息子さんにも「ありがとう!」とお伝えください。

そして、『やっぱり花より団子なので、鎌倉の隠れ名菓を一口』とカー

ドにあったのは、鳩サブレーでおなじみの鎌倉・豊島屋のウィンナ・ワ

ッフルでした。おっと、隠れ、と名のつくものをここで紹介したらまずか

ったかな?

Wiener_waffeln_1

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2007年3月15日 (木)

スウィートな春

Harusweet

今日は娘が入学する高校へ書類を提出しに行った。

その高校は杉並区の閑静な住宅街の中にあって、駅前から続くきれ

いな遊歩道を歩いて12分くらい。車通りも少なくて、安全に行けるの

がいい。学校の周辺も校内も緑でいっぱい。長閑でどこかほのぼの

したムードがのんびり屋さんの娘にはぴったりな環境と言えそうだ。

書類を提出して正門を出たら、通りの向かいの塀ごしに美しい花をつ

けた木が見えた。モクレン科のこぶし系の花だろうか。なんてデリケ

ートなピンク。私はこんな色合いの花が好きだ。蕾もかわいらしい。

いずれ桜が咲けば全てが桜で埋まってしまう、その前のスペシャル。

Harusweet_01

今日みたいな寒い日にはぴったりな、ふわふわのコート。

Harusweet_02

帰りに急行電車に乗って自宅のある駅を通り越し、パルコレッツに行

く。リブロで仕事のネタ本を探すつもりだったのだけれど無くて、かわ

りにこんな本を買った。娘が高校生になったら自分でお弁当を作ると

言うのだ。それを聞いたときには我が耳を疑った母です。だってこの

人、卵焼きはおろかインスタントラーメンだって作ったことがないの

だ。というか、まず朝起きれない。近いとはいえ、これから電車通学

するんだよぉ。君にはどうやら現実が見えてない。母には君が朝食

も食べずに慌てて家を出てゆく姿が見えるようだ。

つまり、『花より男子』風に言うと「ありえない、っつぅーの!」。

どうせまた私が作ることになるんだろうなあと思いつつ買ったこの本

のタイトル、『起きて15分でちゃーんと作れるおべんとう』というのは

中身をざっと見たところではお料理経験のない女の子にはとうてい

無理そう。

Obentou_2

そして最後にひと駅乗ってハーゲンダッツカフェに行った。

受験お疲れさま&おめでとう!、というわけで母奮発。

ベリー・ショコラ・モンブラン。ストロベリーとバニラのアイスに、ガト

ーショコラとバナナを盛り付け、ベリー風味のクリームとグロゼイユ

(赤すぐり)やイチゴで飾った、ベリーの酸味とチョコレートの組み合

わせをたっぷりと楽しめるデザート、だそうです。

この人は甘いものさえ食べていれば満面笑顔で「しあわせ~♡」と

いう、いたって単純な人なのです。

Harusweet_03

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2007年3月14日 (水)

飛び立つ鳥

Hakumokuren_2

あまりに大きくて、私の小さなカメラでは捕らえきれないけれど、今年

も会えた、いっせいに飛び立つ白い鳥のようなハクモクレン。

真ん中の枝には鳥の影。

彼の眼から見た、いちめんの花の景色を想像したリして。

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2007年3月13日 (火)

ビオラとパンジー、バラのいま

Biora_10

朝カーテンを開けて、いちばん最初に目に飛びこんでくるのが気持ち

の良いブルースカイだったり花だったりするのはいいな。

冬の間、花のないバラの足もとで咲き続けていたビオラとパンジー。

こんな可憐な花のどこにそんな体力があるのか。

Biora_06

Biora_07

Biora_09_1

Pansy_03_1 

Pansy_02

そして花がないときにも、グレーがかった淡い緑の軽やかな美しい葉

っぱで目を愉しませてくれるイングリッシュローズの木。

これはグラミス・キャッスル。

English_rose_01

これはシャルロットだ。美しい木。

English_rose_2

10月に植えつけたモダンローズの大苗は、暖冬のせいで休眠しな

いまま葉を繁らせていたけれど、やはりその弊害はあって、昨日見

たら出てきた芽のほとんどがブラインド(蕾が付いてなくて花を咲か

せない枝)だったので、今日思い切って剪定した。芽出しの肥料を

与えてまた仕切り直し。まだほんの小さな実生苗も、このところの寒

の戻りの急激な冷え込みで駄目になるものも出てきたから、ちょっと

心配。

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2007年3月11日 (日)

ピアソラの日

Astor_piazzolla_1

金曜に見た映画の余韻の中で久しぶりにアストル・ピアソラを聴いて

いる。最初の一音から引き込まれるその音。思わず深いため息が

出てしまう。なんという快楽 ・・・・・・

音楽を聴くことは快楽だ。

その点においては音楽はみな快楽で、ジャズもクラシックもロックも

ポップスも何ら変わりがない。それを知らない人には言葉でいくら書

いたところでわかりっこないが、ひとたび知ってしまったらそれ無しに

は生きられないもの。音楽は快楽だ。

それを最も強く感じさせてくれるのがこのアストル・ピアソラなのだ。

心臓の鼓動に合わせて刻まれる2拍子の強烈なリズムと、重く引き

ずるような悲哀に満ちた美しい旋律、めくるめく展開。そして激しさ

の後にやってくる、深い闇に射す希望の光のような明るさと、涙に

濡れた女の顔に微笑が広がってゆくような、安らぎと至福。

前半が激しければ激しいほど、また重苦しければ重苦しいほど、そ

こにぱあっと光が射す瞬間、明るく転調してゆく瞬間にはカタルシス

を感じてしまう。一気に愛で満たされて至福へと導かれる瞬間。

もし、あなたが音楽にそういうものを感じたことがないとしたら、ぜひ

一度ピアソラを聴いてみてほしい。少なくともピアソラの音楽はとても

ドラマティックな大人の音楽で、アルバムを通して聴いたら上質の映

画を一本観たような気持ちになることだろう。

ちなみに私はさっきまで知らなかったのだが、驚いたことに今日3月

11日はピアソラの誕生日なのだそうだ。生きていたら86歳。

奇しくも私はこの2日間、ピアソラの音楽に酔いしれていた。

***************************************************

上のアルバムは『タンゴ・ゼロ・アワー』

ライナー・ノーツの頭には、ピアソラ自身の言葉で、「これは紛れもな

く、私がこれまでの生涯で作り得た最高のレコードだ。我々はこのレ

コードに魂を捧げた。孫たちに聴かせて、「これが私たちが命をそそ

いだレコードだよ、こんなに複雑なことをやっていたんだよ」と言える

レコードだ」と、書いてある。素晴らしい。私はこのアルバムの最後に

入っている『ムムキ』が好きだ。このムムキとは愛犬の名前で、妻の

あだ名でもあったという。愛の優しさにあふれた曲。そして下は私が

最もよく聴いた『ラフ・ダンサー・アンド・ザ・シクリカル・ナイト』

Astor_piazzolla_003_2   

昨日、映画の中に見る印象的なダンス・シーンのことを書いたけれ

ど、このアルバムの3曲めが私の大好きなウォン・カーウァイの映

画『ブエノスアイレス』の中で使われている。レスリー・チャンとトニ

ー・レオン、2人の男がタンゴを踊るシーンもまたとても印象的。

私が好きなのは、6曲めの『レオノーラの歌』と12曲目の『レオノ

ーラの愛のテーマ』。

そしてこの2日聴いていたのが『ラ・カモーラ:情熱的挑発の孤独』

と題された下のアルバム。

Astor_piazzolla_002

タイトルのカモーラとは元はイタリア語のカモッラで、ナポリの有名な

マフィアの名前だそうだ。激しく攻撃的な前半の後にやってくるフー

ガ形式の『フガータ』、映画のために書かれた『スール:夢』『スール:

蘇る愛』などが好きだ。至福が感じられる瞬間。

この3枚の録音の順番としてはここにあげたとおりで、このアルバム

のライナーノーツには、ジャーナリストに「アストル・ピアソラの歴史の

中で最良の録音は何ですか?」と聞かれたのに対してピアソラは「五

重奏団で最後に録音した『ラ・カモーラ』だよ」と答えている。

さっきのアルバムでも最高なのはこれだと言ってたじゃないか、などと

無粋なことを言うなかれ。天才は常に自分を超えてゆくのだ。

この3枚はそのまま私のお薦めです。

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2007年3月10日 (土)

アルゼンチンババア

Arubaba_2   

タンゴが好きだ。

というか、アストル・ピアソラが好きなのだ。

彼の詩も書いている。ここには載せないけどね。

なかなか悪くない詩なんだ。自分で読んでいてもドキドキする。

この、悪くないっていうのは私にとってはとても大事な感覚で、いまま

でそれだけでやってきたと言っても過言ではない。他人の評価よりも

むしろ全然大事なもの。かといって一体それが何になるのと言われ

たら、特に何にもならないし(お金にもならないし)、独りよがりと言う

人もいるかもしれない。そんなの実にアホくさいという見方もできなく

はない。けれど仕方がない。私にとってそれは生きるための推進力

であって、私はそういう風にしかできないんだから。

この映画の試写会ご招待の案内を見たとき、何故か絶対に当選する

ような気がして直感で応募したら、本当に当たってしまった。今は医

者をやっているけれども本当は作家を目指していて、今月ブエノスア

イレスに下見に行って感触が良かったら、しばらく向こうに住もうと思

っている男友達(かつては男友達の友人)と見るにはおあつらえ向き

だと思って応募したのだけれど、あいにくその日彼は仕事だという。

それで、以前にもお会いしたことがあるブロガー仲間でバラ友達の

bluerose さんと見に行くことにした。『アルゼンチンババア』。

よしもとばなな の小説の映画化だ。

簡単にストーリーのさわりだけを話すと、ある日、主人公の女子高生

の母が、病院で彼女の見ている前で死ぬ。それだけでもショックなの

に、その日父までもが忽然と姿を消した。半年後、石屋をやっていた

父の商店仲間のひとりの目撃で父の居所がわかるのだが、それは

彼女が子供の頃から知っている、『アルゼンチンババア』と呼ばれる

風変わりな女の屋敷の中だった。

・・・ というわけで、物語はいきなり目が覚めるようなタンゴで始まる。

見始めた途端に数々のシンクロニシティに驚いてしまった。

たとえば、まんだら。私はちょうど前日、まんだらぬり絵が欲しくて検

索したばかりだったのだ。それを塗るためのカラーペンまで探した。

それから母の死、失踪する男、壊れていく心、蜂蜜、タンゴ、心のデ

トックス、ハグ(小説の英語のタイトルは『アルゼンチン・ハグ』だ)、

ロッキン・オン(私は昔ここの編集者募集に応募したことがあるのだ、

落ちたけどね)、踊ること、情熱、手放すこと、海、満開の桜 etc ・・・

そんなわけで、この映画については自分の中だけで合点がいってし

まって、それ以上書く気になれない。ただ言えることは、この世のす

べての生きものも物も、目に見えない微細な波動を出していて、互い

に引き合っているということ。人はわけあって誰かと出会う。何かを手

にする。何かをやらされる。それは一見たまたまのように見えて、実

はそれは偶然ではなくて必然である。この世には何ひとつ偶然なん

てものは存在しない。それをあなたが信じるか否かは別としても。

昨日のことにしても、私は最初からこの映画を見るようになっていた

んだし、わけあって bluerose さんとこの映画を見たのだ。そこには彼

女じゃなきゃならない理由がちゃんとあった。

そして、映画がエンディングにさしかかったとき、私は自分が一番し

たいことが何なのか、はっきりわかったのだ。何が一番自分の血を

滾らせるのか。頭に感嘆符が落ちてきたみたいだった。

私は鈴木京香って特別好きな女優じゃないのだけれど、このアルゼ

ンチンババアは彼女にすごくぴったりだ。いつにない濃いメークも魅

惑的で、素晴らしくきれいだった。彼女の強いけれど優しい眼差しに

釘付けにされながら彼女とタンゴを踊ったら、男は、いや女だってイ

チコロだろうな。ダンスシーンが印象的な映画といえば、たとえば

『セイント・オブ・ウーマン』で退役軍人のアル・パチーノが若い女の子

とタンゴを踊るシーンや、『イル・ポスティーノ』で眼下に海が広がる明

るい屋敷のテラスで老大家の詩人が妻と踊るシーン、人生ももう終り

りという頃になって再会した恋人達がキューバのスローな音楽に乗

せて踊る『サルサ』の中のシーン ・・・ といろいろあるけれど、この映

画の中で、黄昏時、妖しい廃墟のようなアルゼンチンビルの屋上で

鈴木京香がタンゴを踊るシーンはそれに加えてもいいくらい素敵だ。

タンゴという音楽は濃密でシリアスでドラマティックで、どこまでも深

い闇に光が射すような感じがあって、人が深いところに持っている

内なる情熱を掻き立てて表出させる音楽だ。緊張と開放の連続。

それはそのまま愛を連想させる。身体の隅々、細胞の一個一個に

までエネルギーが満ちあふれてゆく感じ。激しいけれど血の安らぎ

がある。

この映画のハイライトで流れるのは、日本のバンドネオン奏者として

は第一人者の小松亮太によるタンゴ。切れの良いタンゴの明滅する

リズムに乗って凛々しくも艶やかに踊る鈴木京香だけでも一見に値

する。そして最後になったけれどこの試写会は『ココロのデトックス

という本を書かれた精神科医の奥田弘美さんの講演とセットになって

いて、20分という短い時間ながらキャッチーでわかりやすい内容で、

今すぐ自分でできるココロのデトックス(毒だし)法を教えてくれてとて

もためになった。精神科医から見てこの映画は、見ているだけで心

のデトックスになるのだそうだ。近頃、心にストレスを溜めている、と

いう人や、捨てたほうがいいとわかっているのに捨てられないもの

を抱えている人は、そんな点からも見たらいいかもしれないと思う。

ちなみに、このアルゼンチンビルは中も外も猫だらけで、猫好きさ

んにもお勧め。

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2007年3月 9日 (金)

卒業

Sotsugyou

本日、息子の卒業式。

3年間なんて、あっという間だなあ。

ついこのあいだ入学したばかりだと思っていたのに。

どこかぼんやりしている母にはあなたの歳が信じられない。

脳裏にはまだ3歳前後の君の記憶が去来していて。

いつだって君は光の中心にいた。

親にとって自分の子供はいつだって特別な子供。

さて、これから君はどんな道を歩むんだろう。

どうやら最初の1歩からつまづきそうだけど、でもがっかりしないで欲

しい。人生って実にままならないものだけど、やり方はひとつだけじゃ

ない。他にもいっぱいあるんだから。それにどうやったところで人生は

ロング・アンド・ワインディングロードなんだし。たまたま曲がった寄り道

で、素敵な拾い物をすればいい。願わくは君の別な選択が稀有なる

出会いとならんことを!

人生の本当の苦さを知るのはまだまだ先のことになろうが、いつかそ

れさえも君の色にすればいい。

今日、新しいスタートにふさわしい白い花を飾った。

本当は白いカラーが欲しかったのだけれど、それに合いそうなフラワー

・ベースが家にはなくて。このバラはこんなにあってたったの3本。すご

い房咲き。花の名前は『スウィート・オールド』だそうだ。

まさしくオールド・ローズのようなカップ咲き。

Sotsugyou_01

Sotsugyou_02_1

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2007年3月 6日 (火)

本葉がふたつ!(実生③)

Honba2_02

いやぁ~、今日もあったかい。

というか、ベランダで背中にお陽さまを浴びていると暑いくらいだ。

昨日は17度以上と書いたけれど、実際には、南風が吹き荒れてい

たときにはなんと20度以上にもなっていたそうだ。

4月下旬から5月上旬の陽気。

種から芽を出したバラも、お陽さまに向かって赤ちゃんの手のような

本葉をふたつ開いた。最初はこんなチッポケな種から芽が出て本当

にバラの木になるのかと思ったけれど着々とバラらしく育っている。

小さな種に秘められた生命の不思議。自然のミラクル。

地球温暖化のことを考えると暖かいと喜んでばかりはいられず、今

からこの気温だと今年の夏はどうなってしまうんだろうと考えただけ

でも怖ろしいようだ。問題なのはこの冬どれだけ暖房を使わなかっ

たか、ではなくて、来たるべく今年の夏にどれだけ冷房を使わない

でいられるか、なんじゃないかという気がしてきた。

肝心なのは、環境に順応するために自分の中の野生を呼び覚ます

こと。そして活性化させることだ。この種みたいに。

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2007年3月 5日 (月)

不穏な音楽

Fuon

春の嵐だろうか。

今日は風がものすごく強い。

ここは建物の4階でふだんから風の音がすごく、家の中にいても怖く

なるほどなのだが、今日はあまりの強風で洗濯物ごと物干し竿がは

ずれて落ちて、あわや芽吹いたばかりのバラの木の上に直撃すると

ころだった。

これだけ風が強いというのに少しも寒くないどころか風が生暖かい。

昨日の最高気温18度で、今日も17度以上と4月の陽気。

いまにも桜が咲いてしまいそうな暖かさだ。

春っていうのはどうしてこう落ち着かないんだ。

春の落ち着かなさを一言で言うなら、絶えず誰かに呼ばれてるような

感じ。でも、この場合、私を呼んでいるのは男じゃなくて女。

空を見るとどこまでも不穏だ。でも音楽がある。

これで雷でも轟けば、おあつらえむけじゃないか。

ずっと前に、職場の若い女の子にとてもいい先生がいるからぜひ見

てもらってくださいと言われて、初めて四柱推命の人に見てもらったこ

とがある。私は春雷なのだそうだ。春を告げる雷。

「あなたは激しいから、あなたに合う男の人は2千人か3千人に1人く

らいしかいません」と言われた。

帰って来て女友達に「そう言われちまったい」と言ったら、「あら、何

言ってるの。当然よ。この世の人口を考えてご覧なさいよ。そうそう自

分に合う相手がいてたまるもんですか。誰でもいいってことじゃない」

と言われた。なるほど。持つべきは素晴らしい女友達!

夕方、強風のなかにわずかに雨が混じり始めたので、今日は早めに

夕飯の買い物に行った。メデューサのように髪を煽られながら、微か

に自分を呼ぶ声の気配を感じた。

いま、外は暴風雨。

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2007年3月 4日 (日)

ミルトン・ナシメント来日!!

Milton_05

あぁ、びっくりした。

まだ心臓のドキドキが止まらない。

実は先ほど私は、去年の源泉徴収票やら何やらが積まれた机の前

で、現実的な問題を抱えてどうしたものかと思いあぐねていたのだ。

バックには週末のその時間のラジオ番組『サウジ・サウダージ』が流

れていて、来日が決まったアーティストのインフォメーションを伝えて

いた。なんと、そこにミルトン・ナシメントの名前が入っていたのだ。

ミルトン・ナシメント??!!!!!!

・・・ 次に私がとった行動は、すぐさまメモした電話番号に電話をする

ことでした。お金があろうとなかろうと、行かなきゃならんときには行

かなきゃならんのだ。次にまた同じチャンスがやって来る保証なんて

どこにもないんだから。

電話は2回目でつながって、とりあえず2名で予約した。

電話を切って隣りにいた息子に、「予約とれたよ、あんたも行く?」と

訊くと、息子は遠慮して「僕はいいよ」と言う。

「でもミルトンはあんたにとって特別なんでしょ? 行こうよ」と言うと、

「うん」と嬉しそうに。

私からの高校の卒業祝いとなったのでした。

生まれて初めて行った外国がアフリカで、初めて行くちゃんとしたライ

ブがブルーノートでミルトン・ナシメントとは。悪くないよなあ~

まあ、現実的なことはなんとでもなろう。こんなときはもう植木等でも

歌うしかないね。右脳よ、開け! ゴマ!! だ・・・

うちひしがれた心に喝を入れられた。目が覚めた。

だから音楽はやめられない。

というわけで、ブルーノート東京、ミルトン・ナシメント来日公演決定!

予約も今日から始まっています。

公演は4/27(金) ~ 5/1(火) 

お問い合わせはブルーノート東京へ。TEL / 03-5485-0088

http://www.bluenote.co.jp

そして、若かりし頃のミルトン、パット・メセニー、ハービー・ハンコック

ポール・サイモン、マイケル・ブレッカーなどが見られる Maria Maria

http://www.youtube.com/watch?v=lAKOq2fJWDA

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2007年3月 3日 (土)

病の根源、あるいは消費の果てにあるのは

Shiodome_03_1

昨日、私たちが潮留のホテルのロビーで会ったのは、弱冠37歳に

してIT関連の会社の代表を務める女性だった。見るからにバリバリ

のトップキャリアの彼女は10本の指の何本かに大きな指輪をはめ、

テーブルの上にふたつの携帯電話を置き、ノートにメモを取りながら

気ぜわしくアグレッシブに早口で話していた。我々が話している間に

も彼女のマナーモードにした携帯電話には何度も着信ランプが点滅

し、1時間しかないというタイムリミットの中でこちらサイドの悠長な話

に多少イラついている彼女が求めているのは、もっと明確なキャッシ

ュフローが見えるわかりやすいビジネスモデルだった。彼女は健康に

なるためには人は高いお金を払うし、また人はお金を払わないと健康

になった気がしないものなのだから、お金を支払わせるべきだと言っ

た。私たちがやろうとしていることと彼女が考えていること(あるいは

仕事にしていること)には、大きな意識のズレがあった。実際、彼女

は忙しい仕事の合間を縫って自分の身体のために週に3回ジムに行

き、そこでトレーナーから勧められるままに高いサプリメントを買い、

岩盤浴に行き、不調があればとっかえひっかえ医者に通う。かといっ

て身体の不調は良くならず、彼女は満足していない。身体の不調の

話になったら俄然、場が和んで盛り上がってしまった。東京で、IT業

界の第一線で女社長として働く彼女のライフスタイルがどんなものか

は一目瞭然に推察することができた。高い収入と高い生活コストを

引き換えにしながら、自身のパワーとパーソナリティーの魅力で、公

私共に多彩で豊富な人脈を駆使して日々仕事に遊びに人生を生き

生きと謳歌しているのだろう。彼女はとりたてて悪いところがあるわ

けではなく、そんな忙しい日常のツケが身体のあちこちに出ていると

いうだけなのだ。けれど、そういう一線で才能を発揮している人に特

有の話の早さで彼女は自分にできることは協力しようと言ってくれ、

ここを指定したのは私だからと大きなウオレットにズラッと並んだカ

ードのひとつで会計をさっさと済ませると、時間が無いことを詫びて

次のアポイントに出かけて行った。

その前日に私が仕事のパートナーに話していたのは、病気も貧乏

(貧乏もれっきとした病だ)も、その根源は一緒だという話だった。

つまり原因は両方とも心にあるのだということ。ある種の気づきを得

た一部のコンシャスな人たちは、その原因の根源について深く知ろ

うとする。それなくして病の完治はないだろうと思うからだ。けれど一

方で、お金を支払うことでそれを解消しようとする(お金持ちの)人達

は、高いお金を払って病の根源を探るためのマインド・トリップなんて

しやしない。だってそれをすることは見たくないものに目を向けること

でもあって、気持ち良いどころか苦痛でさえあるからだ。病の根源に

触れずに病気を治そうとする人は、臭いものに蓋をして不快な状態か

ら少しでも快の方向にすりかえよう、あるいは癒されようとしているだ

けの人だ。リッチな気分を満喫させてくれるトレンド・スポットで受ける

手厚いホスピタリティーとか、いい匂いのするオイルとかで。

さて、こんなことを書いたところで私が言わんとすることはわかっても

らえないだろうか。つまり単純に言うと、私はいつまで人はそうやって

消費し続けるのだろうか、と考えていたのだ。というより、いつまで人

はそうやって消費し続けていられるのだろうか、の方が正確か。

最近、私が買ったAPE(アーティスツ・プロジェクト・アース。音楽とア

ート・プロジェクトを通して、世界中の人々に異常気象や地球温暖化

自然破壊を訴え、また自然災害で被害を受けた人々を経済的に支

援する活動を行っている団体)プロジェクトによるチャリティーCDの

ライナー・ノーツにはこんな風に書いてあった。

僕らが一体どこから誕生してきたのか、一瞬でいいから考えてほし

い。人類の歴史に於いて最初の300万年、僕らは環境に順応して

生きていた。僕らは他のすべての動物と同じように、飢えや捕食、

病を恐れながら生きていた。僕らの自由、安楽、繁栄はすべて化石

燃料がもたらしたものだ。僕らの世代は今まで生きてきた中で最も

幸運な世代だ。ー中略ー僕らは生態学的束縛と生態学的災難の間

の、短い歴史的余興の中に住んでいるのだから。そして、2030年

までに必要な事として炭素を90%削減する必要があると書き、いま

そしてこれからの時代について、僕らは異常な状態にいるわけだ。

より多くではなく、より少ない消費を求め、初めての大規模な政治的

運動が今行われている。耐乏生活を達成するための、初の街頭デ

モだと言える。僕らの贅沢品も、楽しみも切り詰めなくてはいけない

ということだ、と書いている。

人のしあわせって一体なんだろう? と思う。

私も贅沢は嫌いじゃない。子供の頃から母親にさんざん言われてき

たとおり、美しいものに対する感性は人一倍鋭い私なのだ。お金が

あって贅沢しようと思ったらもうきりがない。でも現実にはお金が無い

せいで、私はいま人が想像する以上にストイックな生活をしている。

それに若い頃に較べたらずいぶんコンシャスにもなった。

私にいまお金がいっぱいあったら指に大きな指輪をたくさんはめるだ

ろうか。夜毎、睡眠時間を削ってアルコールまみれの仕事とも遊びと

もつかない明るいクラブ活動に励むだろうか。そして、その生活のた

めに分刻みの仕事に奔走できるだろうか。・・・ 答えはNOだ。

私が関わる仕事のプロジェクトが抱えるビジョンはとてつもなく大きな

ものだけれど、私個人が抱いている夢はいたってつつましやかなも

のだ。凡庸な1人の人間の一生にふさわしいもの。

贅沢から耐乏生活へ至るには、それこそ大きな意識のパラダイムシ

フトが必要だ。多くの人がそこにたどり着くまでに、あとどれくらいか

かるだろう。

人はなぜ病気になるのか? 

人はどうしたら病気にならずにいられるのか?

病気になってしまったらどうするのが一番よいのか?

自身のことも含めて、そんな根源的な問いを繰り返すことに私の仕事

の本質はある。

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2007年3月 1日 (木)

桜三月

Ohinasama_03_2_1

ついに三月。

やっと娘の受験が終りました。

朝いつものように家を出て行ったのに午後1時になっても帰らず、心

配しているところに中学の先生から電話。「まだ何も連絡ありません

か?」なんて、逆に訊かれてしまったりして最後までハラハラしました

が、無事合格。これでやっと私も肩の荷がひとつ降りて、ほっ。

心なしか祖母の形見のお雛様も嬉しそうです。

Ohinasama_2_2

そして今年ももちろん飾りましたよ。angelseed さん のハンドメイド

の豆雛。これはくるみを半分に割った殻に入った、ほんとに小さな

小さな豆雛。

Ohinasama_04_2

そしてこれはバラ好きさんが反応しそうな、バラのお雛さま。

ブルーローズにお内裏様、ピンクのバラにお雛さま。子供の頃に絵本

で見た、親指姫のような愛らしさ。金色の葉っぱの上に載って。

Ohinasama_07   

ご心配いいただいていた方々、どうもありがとうございました。

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