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2006年12月15日 (金)

いつの間にか落葉

Rakuyou

頭のどこか片隅で気にしながら、今年はついに街へ黄葉を見に行か

ずに終ってしまった。気がつけばあたりの樹木もいつのまにか落葉し

ている。12月ももう半分終わり。

毎年のごとくこの時期になると時間に追われ始める。

今日もたくさん用事を抱えて、まずは役所に行くのに自転車に乗ろう

としたら、あろうことか前輪のタイヤが完全にパンクしている。空気を

入れても入らない。やれやれと、しかたなく変な音をさせながら自転

車を押して歩いていたら、遊歩道のベンチに腰掛けて話をしていたら

しきおじさんが、いつの間にか自転車に乗って後から追いついてきて

「パンクかい?」と訊く。「そうです。空気を入れても入らないの」と言う

と、「オレだったら自分で直しちゃうんだけどなあ。ホームセンターに

行って材料買って来て自分で直したら2千円くらいしかかからないけ

ど、自転車屋に持って行ったら4千円は取られるよ」と言う。「え」と言

って立ち止まる私。「でも、お忙しいでしょ?」と訊くと「うん。時間があ

ったらすぐに直してあげるんだけどなあ。今日は駄目だ」と言うので、

「ご親切にどうもありがとう。でもこれから市役所にも他にも行かなき

ゃならないから、すぐに直したいの」と言ったら、私の行こうとしている

自転車屋を聞いて、「遠いな。気をつけてね」と言っておじさんは直進

し、私は右折した。自転車屋に着いたら先客ありで待たされた。暮れ

になるとどこに行っても人・人・人で待たされる気がするのは気のせ

いだろうか。それでも見てもらったら空気穴のバルブが駄目になって

いるだけで、290円かかるだけだって言う。ああ、よかった。

それで丁寧に全体を調整してもらっている間に自分の自転車を眺め

ていたら、白いペンキが剥げてしまった前カゴのせいで自転車がひど

く貧相に見えることに気づいて、この際ついでに替えることにした。オ

ーダーしないと無いというのでオーダーしてもらったら、「今日は代金

はいいですよ。うちで買ってもらった自転車だし」と言うではないか。

ラッキー! そういえば今朝のラジオの星占いで、今日は小さな幸せ

を感じられる日と言ってたっけ。

久しぶりに軽くなった自転車に乗って、爽やかな冬の空気のなかを

走った。このあたりは都会にくらべたらまだのんびりしてるほうかもし

れない。最近はどこに行っても高齢化社会で老人ばっかりなのだろう

けど、この町は都内に較べると緑が多くて環境が良いから、病院や

老人ホーム、障害者のための施設が多く、したがって老人や障害者

がとても多い。そして私はどこにいても何故かやたらと人から声をか

けられる。私はよっぽど話しかけやすいタイプの人間なのかと思うけ

れど、よほど時間を急いてない限り、誰とでも話し、自分にできること

はする。

夕方も買い物に行ったスーパーで、背後から「すみません」と言う声

がして振り向いたら、車椅子の男の人が飲料コーナーの前で指をさ

して、「あの350ミリリットルの缶と、その上のを取ってください」と言

う。言われたとおりに取って渡し「これでだいじょうぶですか?」と訊

くと「だいじょうぶです。すみません」と言った。見ると裸足で、いつも

そんな風にして買い物をしてるのかと思ったらちょっと不憫になった。

今日の午後、おじさんが座っていたベンチの前では、いつの間にや

ら包丁とぎのおじさんが毎日営業するようになった。こぎれいなおじ

さんだからホームレスでないことはわかったけれど、最初は仕事の

無いおじさんが暇つぶしに日銭稼ぎに始めたのか、そんなことして

もお金になんかなるのだろうかと思って通り過ぎていた。でも、おじ

さんは晴れた日はどんなに寒くても公園の前の水道の近くに座り、

日がな包丁を研いでいる。つまり、毎日誰かしらそのおじさんに包丁

とぎを頼む人がいるってことで、訊けばプロの料理人など3日にあげ

ず研ぎに出してくるのだそうだ。白昼、遊歩道の前で充分凶器にもな

り得る包丁を一心に研いでいるおじさんを見ていると、この国って実

に平和なんだなと思う。こんなのって他の国ではありだろうか。日本

は銃社会ではない。いかにメンタリティーまでアメリカに侵略されよう

とも、それだけは変えてはならないと思う。いつの間にか、このおじさ

んと世間話をしていく人が増えて、おじさん、すっかり市民権を得た風

情。私の包丁は木屋で奮発して買ったいいやつで、研ぎに出すなら

木屋へと思っていたけれど、最近じゃ滅多にデパートなんか行かない

し、もうずいぶん研いでないから全然切れなくなっている。おじさんは

刃こぼれしている包丁でもまっさらに直してくれると言うから、私も出

してみようかな。そう思ってドラッグストアに行ったついでに、安く売っ

ていたカイロを1袋買っておいた。いつもこのおじさん、吹きっさらしの

ところに座って包丁を研いでいてすごく寒そうなのだ。

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コメント

おはよう!

おじさんの為にカイロを買っている
soukichiさんがいいね~。
私はそんな風に人の事考えていないな。
それに人なつっこくない。

幾つになっても人の振りみて、我がふり
直せだね。
今日はとても良い気分にさせて貰った。
ありがとう。

投稿: hanta | 2006年12月16日 (土) 11:37

hanta さま、
ん、そうお?
私は子供の頃からずっとこんな風です。
こんな風なので、どこででも(たとえ外国でも)暮らせるかなと思ってる。
どこに行っても食いっぱぐれることだけはないんじゃないかと。
はたしてどうだかわからないけど(^-^)

投稿: soukichi | 2006年12月16日 (土) 18:49

いいよいいよ、すごくいい。
それでどこへ行っても周り中の人が友達なの。
素敵。

投稿: hanta | 2006年12月16日 (土) 23:04

あはは。
hanta さんがそんなに言ってくれるなら、ずっとこれで行こ~っと!

投稿: soukichi | 2006年12月16日 (土) 23:20

あの・・・包丁研ぎならまかせてください!(^^)
得意ですよ、僕。
小さい頃から包丁研ぎが好きでした。

それと、よくひとから話しかけられるとこ、そうきちさんと似てます。こっれってスキがあるってことなんっすかね?
なんででしょ。

投稿: カルロス | 2006年12月16日 (土) 23:22

カルロスさま、
子供の頃から包丁研ぎが好き?
なにゆえ?(もしかして危ないヤツとか・・・)
私は子供の頃からお料理はしてたけど、包丁はこわかった。
研いでるところもこわい。
任せたいが、どないして?(^-^)


人からよく話しかけられるのは、とりあえず優しそうに見えるからかな、と思います。
ほら、世間の人って無愛想な不機嫌な顔した人多いじゃない。
なんでそんなに恐い顔してるの?って言いたくなるような・・・
あなた様も私も、人に与える印象がソフトなんじゃないですか?
で、心がオープンなんだと思う。
それを隙っていうのかもしれないけど。
でも隙が全然無いのも色っぽくないしね。

投稿: soukichi | 2006年12月16日 (土) 23:40

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