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2006年9月29日 (金)

横浜ジャズプロムナードのお知らせ

Yokohama_1      

今日、用事があってドラマーのY氏にメールをしたついでに、清水翠

のHPのライブスケジュールに載っている横浜2DAYSのことを聞い

たら、「”横浜ジャズプロムナード”で、横浜や桜木町の駅の臨時チケ

ット売り場でチケットを買うと、参加しているライブハウスやホールコン

サートが観放題だよ」と教えてくれた。

さっそく先ほどその『横浜ジャズプロムナード』のことを調べたら、今

年で14年目を迎える日本最大級のジャズ・フェスティバルで、土日

の2日間にわたって行われ、この両日は横浜がジャズ一色に染ま

る。桜木町、関内、みなとみらい付近の野外ステージでは1日中ジャ

ズのセッションが行われていて、チケットフリーで誰でも参加できる。

またチケットを購入すると、全部で延べ120近い屋内会場やジャズ

バーで行われるライブを、好きなだけ楽しむことができる、と書いて

あった。『横浜ジャズプロムナード』のHPによると、10月2日正午ま

で、公式ホームページ限定チケットを販売中で、2日のうちの1日フ

リーパス・シングルチケットが4000円、ダブルチケット(1人で2日フ

リーパスor2人で1日フリーパス)が7000円だそうです。ペアならこ

のチケットで一日フリーパスでジャズライブが聴き放題で、3500円

は破格じゃないですか? 興味のある方は上の公式HPからアクセ

スして詳細をご覧ください。

秋の気持ちよい日に横浜で1日中ジャズライブを観るなんて最高だ

と思うなあ。きっと横浜ならおいしいものも食べられると思うし。ちな

みに私はすぐに友人を誘ったところ、彼女はその日は某ミュージック

スクールのオータム・セミナーで講師の仕事が入っていて駄目でし

た。なんとその日はうちの息子もそのセミナーに参加するのでした。

なんて変な縁なんだ・・・ と言って、友人には「変すぎる!」とさっき馬

鹿笑いされたところ。私は今のところまだ行くかどうか未定だけれど、

一緒に行けそうな方がいたらコンタクトしてください。詳しいことはHP

を見ていただくことにして、この2日間の清水翠さんの予定は以下の

とおり。(HPより転載)


10/7(土)3:00pm~ 桜木町 DOLPHY


須古 典明 (guitar) 増根 哲也 (bass) 岡部 洋一 (percussion)
横浜市 中区 宮川町 2-17-4 第一西村ビル 2F Tel : 045-261-4542

10/8(日)3:00pm~ル・タン・ペルデュ

須古 典明 (guitar) 増根 哲也 (bass)
横浜市 中区 野毛町 2-78-10 Tel:045-242-9777

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Power Voice,Power Music !

Mirorin

みんないったいいつからこんなにメールが好きになっちゃったのか

な。ひと頃、インターネットサイトのチャットで知り合って、一度も顔を

見ることなくゴールイン(結婚)なんてことがマスコミで取り沙汰された

けれど、そこまで極端じゃないにしろ、ネット上で知り合って、何度か

メールのやりとりをして結ばれる、なんてことは実際によくあることら

しい。いまや若い世代では、好きな人や友達に電話をかけるのさえ

ハードルが高い行為なんだという。いったいそんなんでどうするの?

と思うけれど、実際、私のまわりにもいた。

うちに遊びに来るのに「いま駅に着きました、道順を教えてください」

とメールが来たから電話をすれば電話には出ない。面倒だなと思い

ながら、「わかった。今すぐ行くから待ってて」とメールをして自転車

に乗れば、走っている間にもまたもやメールが来る。やれやれ。

そしてたまにはメールじゃなくて直接声が聞きたいと思って電話をす

れば、後でパソコンに「私とのコンタクトは電話じゃなくてメールでお

願いします」なんてメールが来る。「電話は嫌いなのでかけないでく

ださい!」と言われたこともある。そうなると私はもうその時点でパス

・パス・パスだ。特別な事情でも無い限り、電話で普通に話すことも

できない人とは私は友達にはなれない。

人と話したりコンタクトしないで買い物ができるからという理由でコン

ビニやネットショップを利用する人たちがたくさんいる。インターネッ

ト時代のいまは本当に声無き時代だと思う。その時代の申し子とも

言うべきニート族は2010年には120万人にも達する見込みだとい

うから、この国はいったいどうなっちゃうの? と思う。

確かにメールは便利だし、私も日々インターネットの恩恵を受けて暮

らしていて、いまやインターネットや携帯やメールが無い生活など考

えられない。このブログにしてもしかり。毎日ここでコンタクトする人々

との会話は、いまや確実に私の生活の一部になってきていて、皆さ

んのコメントからはいっぱい元気ももらっている。感謝としか言いよう

がない。でもそれを充分に理解した上でも基本は変わらずに実生活

であって、私の人間関係は実際に声をかわせる人を中心にまわって

いる。私にとっては会って顔が見られることがベストで、その次は声を

聴くことで、物理的、時間的、その他の事情でそれができないときの

手段がメールやファックスや手紙、ということになる。つまり二義的な

手段であって、これが最初にくることはない。

いつも書く私の仕事のパートナーは耳鼻咽喉科医で、それも長年、

音声医学を研究してきた人で、実際に普通の患者さんを診るだけで

はなくて、声を職業とする人(歌手や俳優やタレント)たちの咽喉を診

て、ヴォイストレーニングもやっている人なのだけれど、彼は人を見る

とき、声のインプレッションをとても大切にする。たとえば新しく自分の

クリニックに人を雇うとき、最初の声の印象を重要な決め手としてい

る。彼はその人の声を聴けば、だいたい身体のどこいらへんが悪い

か、心にブロックを抱えているかいないかなど、心身の健康状態から

性格的なことまで、だいたいのところはわかってしまうと言う。妙に甲

高い神経質な声をした人にクリニックで働かれたら、患者に悪いばか

りでなく、自分までイライラして疲れてしまうから。声がもたらすものは

想像以上に多く、人は無意識のうちにも声からいろいろな影響を受け

ているのだ。元中日の星野監督がチームを復活させるために最初に

行ったのは、練習のときメンバーに声を出させることだったと言う。声

は使い方によっては自分を変え人をも変えるパワーヴォイスになる。

昨日(というか今日になるけれど)、コンビニでアルバイトしている息

子がお客さんからのクレームで深夜1時に店に呼び出されるという

良くないことがあって、結局寝たのは4時過ぎだから、さすがに今朝

はダメージが大きくて朝食のあと床に伸びて目をつぶっていた。そう

したら、毎日聴いていたJ-WAVEの番組『GOOD MORNING TOKYO』

のナビゲーターのジョン・カビラが今日の放送で辞めるという。少なか

らずショックを受けながら聴いていたら、朝のライブ、モーニング・セッ

ションにサイゲンジが出てきて、2曲歌った。それを聴いているうちに

自分でも驚くほど気持ちが回復するのがわかった。いままでサイゲン

ジはコンピレーション・アルバムでしか聴いたことがなくて、それほど

いいと思っていなかったのに、生で聴いたらすごかった。

どんなに天気の悪い朝でも、朝からハイ・テンションでエネルギー全

開で話すジョン・カビラの声こそパワー・ヴォイスだったけれど、サイ

ゲンジといい、あらためて人の声ってすごいと思った。

今日、あなたが誰かにかける何気ない声の一言が、その人にもの

すごい勇気を与えるかもしれないんだ。みんな、もっと声を出そうよ!

私はあなたの声が聴きたい。

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ずっと完売になっていた清水翠の1st CD "Remains"が、やっと再リ

リースされました。発売当時はスイングジャーナル誌、ジャズライフ

誌に掲載され好評を博したという事実は最近知りましたが、私が彼

女を知るきっかけになったのもこのCDからでした。私の友人はこの

CDが完売していることを非常に残念がり、「私なんて、まとめて何枚

か買いたいのに」と言うから、「それは何ゆえ?」と聞いたら、「あげた

い人がいるのよ。1日の終わりに聴くだけで、心が解き放たれる音楽

があることを知らない人に、聴かせてあげたいの」ということであっ

た。翠さんが聞いたら、なんとも歌手冥利に尽きるお言葉。

翠さんの声もまた、人の心を解き放つパワー・ヴォイス。

Remains_1  

CDのオーダーは NUX STUIO から

 

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2006年9月28日 (木)

男心と秋の空

Akino_sora

朝には素晴らしい秋晴れだった空も、午後になるにつれて灰色の分

厚い雲の層に覆われて、しだいに暗くなってきてしまった。

またもや低気圧が発達中で、明日にかけてまたひと雨降るらしい。

なんて変わりやすい天気。それにつれて気温も上がったり下がった

り。よく言われる『女心と秋の空』だけれど、本当はこちらの方が語

源らしい。辞書には「飽きやすく変わりやすいことのたとえ」とある。

これを聞いて、(自分の心に照らしても)実にこっちの方がぴったり

くる、と思うのは私だけだろうか。

もうとっぷり日も暮れて、しんしんと虫の声。

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2006年9月27日 (水)

新しい恋

Atarashii_koi

新しい恋をしたら 新しい靴を履こう

新しい服を買って 新しい歌をきっと歌おう

僕の上着はボロボロだ

君の下着はピカピカだ


新しい恋をしたら 新しい人になろう

新しい夢を抱いて 新しい花をきっと咲かせよう

君のロン毛は長すぎだ

街の景色はバカすぎだ


起きても起きても朝 寝ても覚めても流行歌

やさぐれ気分で今日も 誰を抱きしめようかな

君はどこに 君はどこに


新しい恋をしたら 新しいことをしよう

新しいペンを買って 新しい言葉、君に届けよう

僕の日記はバレバレだ

君は昨日の夢の中


起きても起きても朝 ユメかウツツか警報機

やさぐれ気分で今日も 下り電車を眺めてる


生きても生きても空 たどりつけない君の部屋

バックれた気分で今日も 昨日の上着はおってる

君はどこに 夢の果てに


(『新しい恋』 作詞:町田康/作曲・歌:井上陽水)

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いつだったかの夜、ふいに『新しい恋』という言葉が頭をよぎったと思

ったら、次の朝ラジオからこの曲が流れて、目が覚めるようだった。

この歌詞、聴いていて笑ってしまうくらい、うまい。

私のディスクもいっぱいだ。

私も新しい服を着て、新しい人になって、新しい言葉を届けたい。

そして新しい夢を抱いて、新しいことをしたい。外は冷たい9月の雨だ

けれど、たった一言で心があったかくなるような人と。

君はどこに?


上は我が家の新しい花。デュシェス・ド・ブラボン。

明日は今日の低気圧から一転、高気圧になって良い天気になるそう

だ。私の心も高気圧になれ!

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2006年9月26日 (火)

寒い日はおでん

Oden

今日はいきなり寒くなった。

雨より風の方が強かった夕方、横殴りの雨のなか買い物に行った。

こんな日はおでんにしようとスーパーの売り場に行くと、みんな考え

ることは同じ。冬の木枯らしが吹く寒い日など、うっかり遅い時間に

買い物にでも行こうものなら、おでん種のコーナーはすっかり売り切

れになっている。私は子供の頃からおでんが好きだったけれど、うち

の子たちはあまり好きじゃない。「今夜はおでんか」とか言われたりし

て。そういえば子供の頃は私は夏でもおでんを食べた。友達と市営

プールに行って、2時間たっぷり水の中にいて、すっかり紫色の唇に

なって外へ出ると、プールの前におでんの屋台が出ていて、好きなも

のを串に1個刺してもらって40円とか。ちょうどお腹も空いてたから、

すごくおいしかった。今の子はお菓子でもなんでもおいしいものがい

くらでもあふれているから、そういうのってわからないんだろうなあ。

子供は好きじゃないけれど、おでんなんて少し作ってもおいしくない

から、いつもお鍋いっぱいに作る。なんだかんだ言っても結局は食

べてしまう。今日は鰹だしを効かせてあっさりめに作った。もちろん、

ひと晩置いた明日の方がおいしい。

最近セブンイレブンでアルバイトしていて、おでんも作るという息子に

おでんのなかで何が1番売れるの? と聞いたら、「餅巾着」、とぶっ

きらぼうに言われた。おでんのときは茶飯を炊く。

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今朝

060926_04

今朝はだいぶ気温が下がった。

キッチンで洗いものをする水も急に冷たくなった気がする。

朝、シャワーを浴びて半袖を着たけれど、さっき寒くて長袖に着替え

た。気温が下がるとバラの開花はゆっくりになり、花色は徐々に濃く

鮮やかになってくる。ベランダにいたら細かい雨が降ってきた。

雨は午後にはだんだん激しくなるらしい。

この雨が過ぎたら、秋はまた一段深くなっているだろう。

いまラジオから山崎まさよしの『One more tome,One more chance』

が流れてきた。悪くないな。秋はギターの弾き語りも悪くない。いか

にも男の人しか書けないって歌詞(笑)。この人ってやっぱりいい詩

を書く人なんだ。後でまたアップしてしまおうか。

すでに外は本格的な雨。

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これは今朝のベランダのバラ。上からアルシュディック・ジョセフ、

マチルダ、ミニバラとは思えない中輪のアンティーク・コルダナ。

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2006年9月25日 (月)

HAPPY BIRTHDAY !

Happy_birthday_03

息子くん、18歳のお誕生日おめでとう!

君が18になるなんて、あと2年でハタチになるなんて、ハハは信じ

られない。このあいだ、テレビを見ながら「地デジになるまでこのテ

レビもたないかな」と言ったら、「ああ! 僕もうその頃、家にいない

じゃん!」とか嬉しそうに言っていたけど、それを聞きながら、前に

マイホームのコマーシャルで言ってた、「家族が家族として暮らせる

時間はとても短い」っていうナレーションの言葉とまさしく同じだなと

思ったんだ。

親がした教育が正しかったか間違ってたかは、もっと先にならないと

わからない。でも仮に間違ってたとしたって、残りの自分は自分で作

るしかないんだよ。誰のせいでもなく、自分の責任。

願わくは君がこれからも健康で、人を傷つけるような致命的な過ちを

犯すことなく、できるだけ自分の好きなことをして、生き生きと生きら

れますように! HAPPY BIRTHDAY !!

Happy_birthday_

それからついでに、5ヶ月遅れの息子の父親の誕生日も一緒にやっ

た。いつまでも別れた人の誕生日をしてあげる私は優しいのか馬鹿

なのか。まあ、どっちでもいいや。

こんなことも子供が家にいる間のあとわずかなことなんだろうから。

最近、彼らはギターという共通の話題ができた。これって少しはいい

ことなんだろうか。と言っても、どこか他人行儀な遠慮勝ちな会話。

ちょうど30年の年齢の差は、この先どうなってゆくのか私にはわか

らない。

ともあれ、また1年、Sも元気で仕事が順調でありますように。

Happy_birthday_02

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2006年9月24日 (日)

バースデイ・イブ

Jeronimo_1

明日は息子の18歳の誕生日だ。

金曜日に妹から「この土日で何かしますか?」とメールが来たので、

それじゃあ、みんなであの子の好きなものでも食べに行こうか、とい

うことになった。18歳の男の子が好きなもの、と言えばやっぱりお肉

です。ステーキ!

・・・ というわけで、今夜はいつも広島の友人が東京に来ると必ず行

くステーキ屋さん『ジェロニモ』へ。丸の内線『中野坂上』駅を降りて

山手通りを歩くこと約12分。駅からちょっとあるのと通りに面してい

る割にはあまり目立たない店なので、知る人ぞ知る、っていう感じの

店かもしれない。外観はこんな ↑ ログハウス。左にはトーテムポ

ールも付いてます。いつも予約もしないで来るとけっこう混んでいて

外で待たされたりするので、今日は父もいることなので予約を入れて

スムーズに席に着く。店内はこんな感じ ↓ ちょっとディズニーランド

のウエスタン・ランドみたいな雰囲気ですが・・・

Jeronimo_08

ここはなんたってステーキがメインの店なので、ふだんそれほどお肉

を食べたいと思わない私もここに来たら食べる。息子は1パウンドを

レアで。あまりお肉好きじゃない娘はハンバーグ。それ以外の3人は

ハーフパウンドをミディアムで。それから、タコスとチョリソーとチリコン

カルニをオーダー。お店の中が暗い上にフラッシュ焚くのが嫌いな私

なので、お料理の写真はきれいに撮れなかったけれど、ステーキを

オーダーすると最初に出てくるのがセットで付いてくるシーザース・サ

ラダ。見た目はただのキャベツの千切りなんだけれど、かかっている

ドレッシングがとってもおいしい。広島のTなんかわざわざ重いのに

瓶入りのドレッシングを毎回、買って帰るほど。

Jeronimo_05

そしてタコス。見るからにおいしそうでしょ?

Jeronimo_02

そしてチョリソーがめっちゃおいしい! 私はステーキより好きかも。

Jeronimo_07_1

チリコンカルネの写真は暗すぎてなんだかわからないのでパス。

そして肝心のステーキなんだけれど、半分くらい食べちゃったところ

で、あ、写真撮り忘れたと気づいたので、美しくない写真でごめんな

さい。ジュウジュウ音を立ててる熱々の鉄板に載ったお肉の上にバ

ターが載せられて出てきます。ハーフでもお肉が厚いので、私はこれ

で充分。付け合せはバターコーン。パンかライスか選べるのだけれど

焼いてガーリックバターの付いた温かいパンもとてもおいしい。

Jeronimo_06_1 

最後にアウトドアで使うアルミのカップに入ったうすーい珈琲が出て

きます。ふだんはそんな薄い珈琲は許せない私も、ここでステーキ

を食べた後に飲む分にはなぜかOKなのです。そしていつもはこれ

でお終いなんだけれど、今日は前からメニューにあって気になって

いた『辛いアイス』をオーダーしてみました。お店の超気が利くお兄

さんに「辛いアイスって何?」と聞いたところ、辛いアイスにはソフト

からベリーハード(だったっけかな)まで5段階くらいあって、ソフトは

普通の甘いアイス、辛いアイスはその中にメキシコの香辛料を入れ

て辛くしたもの、ということでした。そして激辛のを作るには(それは

オーナーが作るのだけれど)心底意地悪な気持ちで作らないと作れ

ない、なーんて冗談を言ってくれました。見た目ではどれが辛いアイ

スかわからないので、団体で来たお客さんはこれでロシアン・ルーレ

ットをして遊ぶのだそうだ。それもなかなか面白そうです。

写真はないけれど、甘いのとちょっと辛いのを1個ずつオーダーして

食べてみたところ、辛いのはほんとにちょっと辛かった。辛くてもおい

しい。不思議な味。

というわけで息子の誕生日にかこつけて、みんなでお腹いっぱい食

べてすっかり満足して1人約2000円ならリーズナブルじゃないです

か? 私はお店の回し者ではないけれど、ここはJR『東中野』駅か

らも近いようです。お店の電話番号は、03-3365-5215

かわいいシェトランド・シープドッグを3頭も飼っている人の良さそうな

オーナーがやっています。ちなみにおかしなことってあるもので、出

がけに携帯が鳴ったので出たら広島の友人で、また仕事で東京に来

るそう。またもや私は近々この店に来ることになりそうです。

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2006年9月23日 (土)

有楽町で会いましょう

Kisya_club_02

昨日22日金曜 PM6:30

有楽町電気ビル20階 外国人記者クラブで待ち合わせ。

でも私の仕事仲間からはちょっと遅れるとTELあり。退屈した私は

こんなところ滅多に凝れるわけじゃないからと、パシャり。

ここは国内外の政治家とか有名人が記者会見を行うので有名なと

ころです。会員制のバーとレストランがある。

エレベーターを背にして右手がこれ。

Kisya_club_01

で、左手がこれね。

ここで記者会見を行った歴代の有名人(三島由紀夫から田中角栄、

エリツィンさんや松井選手から渡辺謙までいろいろ)の写真が貼って

ある。

Kisya_club 

エレベーターで次々に上がってくる外国人に一瞥されながら、椅子

もないところで立ったまま待たされること30分。いささか不機嫌に

なってきて、”なんでわざわざこんなところで会わなきゃならないの、

ほんとに私が同席すべきミーティングなのか? これ以上待たせる

と帰るぞー”と思っていたところに、やっと仕事仲間2人到着。

ごめん、ごめん、タクシーが違うところに行っちゃってさ、とか言わ

れながら、ディナー・ミーティングとあいなったのでした。

この日お会いしたのは、ここのメンバーで、私たちのプロジェクトを

いたく気に入り、ぜひとも参加したいということで顧問をかってでて

くださった方。もうすぐ80歳にもなろうかというのに、未だに社長業

をやり、社会においても私生活においても現役バリバリのおじいさ

ん。この方が自ら語ったプロフィールがすごい。歯科医師の4男に

生まれて、兄達はみんな出来が良かったから東大に行って誰も父

の後を継がず、オマエが1番出来が悪いから俺の後を継げ、と言わ

れたときにちょうど戦争となり、徴兵を免れたいばっかりに医科歯科

大に行ったものの、2年したところで父が爆撃により亡くなって、後を

継ぐ必要がなくなる。ちょうどその頃、東京には進駐軍がいっぱいい

て、その中に日本では見たこともないような超グラマーな軍の女性を

見かけたことから、心は一気に外国語を駆使して海外を飛び回ると

いう夢でいっぱいになる。医科歯科大を2年で辞めて、最も安い学費

だった東京外語大を受け直し、アメリカ軍にも出入りして、すっかり英

語はネイティブになる。大学卒業後は2年間の医学の知識と語学力

を強く買われて、某有名製薬会社に入社。自らを突撃隊の切り込み

隊長と言うように、次々に途上国への進出を果たす中心人物として

活躍。以下、武勇伝の数々・・・・・・

最初に外国人の女性とつきあうために語学を習得しようと思ったの

は、ピュアなディザイアーだったと笑う。もうまるで、NHKの『プロジ

ェクトX』を見てるみたいな話。1920年代生まれで、今の日本経済

の礎を築いたパイオニアのような男の人たちのバイタリティーって、

実にすごい。後半アルコールがまわってらしたのか、だいぶ相好を

お崩しになって、「僕の彼女を見せてあげるから。すごい美人だよ」

と言って携帯に入っている21歳現役モデルの写真を見せてくれた

のには少々まいっちゃったけど、78歳でいまだに自分が率先して

営業して契約を取っているという、それだけ仕事のできる男の方な

ら、女性にもアグレッシヴなのは仕方のないことなのかもしれない。

おおかた良い意味でだけれど、オスのDNAに忠実に生きてらっしゃ

る方だと思った。毎朝、神棚の前で「お願いですから、あと10年働

かせてください」と、お願いすると言う。そんな78歳がいったいこの

世にどれだけいるだろう? 

素晴らしいを通り越して、恐るべし78歳!

とっても楽しくミーティングを終えて、「ちょっとお茶しましょう」という

仕事仲間と銀座を歩いていると、閉店したブルガリ・ショップの前で

サックスを吹いているオジサンに遭遇。ちょうど光は当たってるし、

まるで彼のためにあつらえたステージみたい。わざわざこの場所を

選ぶなんて、なかなかニクイね。「写真、撮ってもいい?」と聞くと、

にっこり笑ってOKサインをくれたので、パシャり。

Street

さて、銀座なんて全く縁のない私。「向こうに行くと、おいしいケーキ

を食べられる店があります」とパートナーが言うので、「いまデザート

食べたばっかりなのに、もうケーキなんて食べられません」と言った

ら、連れて行かれたのは資生堂ビルの11階、ラウンジ・ファロ。

これは超プライベート画像。私の仕事のパートナーです。

Am_02

背景があまりにきれいなロケーションだったので写しただけなのだけ

れど、私がブロガーやってるばかりにこんなところに写真を載せられ

て、私もなかなかいけない人ですね。

銀座のこういうお店ってとってもスノッブだと思うけれど、カクテル1杯

とジャスミン・ティーに3000円近く払ってました。

そして夜のミーティングから我が家に帰り着くのはいつものように午

前様。今日のスイミングは疲れてボロボロ。

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秋分の日

Archiduc_joseph_02_1

爽やかな秋分の日の朝、アルシュディック・ジョセフの最初の花が

開いた。こんなツボミの状態から、

Archiduc_joseph_03

昨日、こんな風に開花し始め、

Archiduc_joseph_01

そして、今日。

Archiduc_joseph_3

花はまだ小ぶり。香りは淡いけれど、いままで嗅いだことのないよう

な不思議な香り。このピンクから開花が進むごとにアプリコットに変化

してゆくのだろう。

今日は昼と夜がほぼ同じ長さで、今日を境にだんだん昼間の時間が

短く、夜が長くなってゆく。

今日、風が変わったようだ。涼しい。

季節は徐々に本格的な秋へ。

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2006年9月22日 (金)

人生にスウィートが足りないなら

Sweets

それなら作ってしまおう! ということで、久々に作ってみました。

昔、得意だったチョコレートムース。

女の子なら誰でも1度は熱中したことがあるんじゃないかと思うお菓

子作り。私がせっせと作っていたのは20代前半の頃で、よく休みの

日とか仕事から帰った夜に作っていたものでした。

私の叔父はホテルオークラに勤めていて、当時は母もオークラで働

いていたから、最高級の洋菓子がいくらでも手に入る環境。

材料をたっぷり使ってお菓子を作る私の横で、「あなたが材料買って

作るより買った方がよっぽど安くておいしい」なんて嫌味を言われて

ましたっけ。それでもそんな言葉をもろともしなかったのは、作ってあ

げると「すごい。これ君が作ったの? 買ったみたいだ!」なんて心底

喜んでくれるボーイフレンドがいたから。当時の私は「買ったみたいに

おいしい。買ったみたいに上手」っていう言葉に弱かったんですね。

さて、チョコレートが人間にとって最初の麻薬物質だったとは有名な

話。それは人が何かに夢中になったりときめいたりすると脳の中で

大量に分泌される脳内麻薬のひとつで、PEA(フェニール・エチル・

アミン)と呼ばれる物質がチョコレートにはたくさん含まれているから。

チョコレートを食べたときに人が感じる至福感は恋愛をしているとき

の至福感とほぼ同じであるとは、いつかラジオでも聞いたことがあり

ます。ジュリエット・ビノシュ主演の映画『ショコラ』でも、彼女が作った

ショコラをひと口食べた女性が、生活に疲れきった殺伐とした風貌か

ら一点、華やかで情熱的な女性に変貌したり、頑なな老婆が彼女の

ホット・チリ入りのホット・チョコレートを飲むうちにしだいに心を解きほ

ぐしていく様が魅力的に描かれていました。このPEA、失恋したり心

が沈んだりすると作られなくなってしまうそう。恋愛のことに限らず、

最近、心がローだなあという人にもチョコレートはいいかもしれない。

ちなみにチョコレートにはPEAの他にも、原料であるカカオ豆に含ま

れているカカオマスポリフェノール(CMP)の効用があり、

 ● 悪玉コレステロールの酸化や血管壁へのカルシウムの沈着を

   抑制し、動脈硬化を予防する。

 ● ビタミンEやKと同様の活性酸素に対する抗酸化作用があり、

   ガンや老化の予防に効果がある

 ● 身体的なストレスばかりでなく、心理的なストレスに対してもダ

   メージを抑える効果、またダメージから回復させる効果がある。

   チョコレートにはストレス反応を緩和し、気持ちを穏やかに整え

   る効果もある。

 ● チョコレートの香りには、集中力や記憶力を向上させる作用が

    ある。

 ● チョコレートには良質のミネラルがバランスよく含まれていて、

    食物繊維も豊富。

 ● カカオ成分には、ソプリナス菌による虫歯の発生を抑える働き

    がある。

などなど、思っている以上に効果がありそうです。また、チョコレート

→ 甘い → 太る というイメージがあるけれど、PEAには食欲を

抑制する効果もあり、カカオバターには脂肪を吸収しにくくする働き

もあるので、ダイエット中の人にも適度に食べる分には適していると

言えそうです。以下、チョコレートムースのレシピ。

****************************************************

 ゼラチン 6グラム          水 18グラム

 スイートチョコレート 60グラム   牛乳 50cc

 牛乳 70cc              ブランデー  15cc

 生クリーム  200グラム           卵白 2個分

 砂糖 30グラム

① 小さな器にゼラチンを入れ、水を加えて混ぜふやかしておく

② チョコレートを刻み、熱した牛乳50ccを加えてペースト状にする

③ ②に①で作っておいたゼラチンを加え溶かす。

④ 残りの牛乳を混ぜ合わせる

⑤ ブランデーを加え、冷水につけてあら熱を取る

⑥ ほぐした卵白に砂糖をひとつまみ入れて泡立てる

⑦ 残りの砂糖も何回かに分けて入れ、しっかりと泡立てる

⑧ 生クリームを7分立てに泡立てる

⑨ ⑤で作ったチョコレート液に泡立てた生クリームをさっくりと混ぜ

  あわせる

⑩ ⑨に⑦で作ったメレンゲを加えてさっくりと混ぜ合わせ、ダマの

   ない生地を作る

⑪ 用意した型に流しいれ、型を2~3回振動させて生地を整え、冷

   蔵庫で冷やし固める

****************************************************

さらに私はできあがったチョコレートムースにハートのチョコを飾って

みました。『小枝』なんかをさしてもかわいいと思う。

お菓子用のブランデーもあったのだけれど、私はとっておきの(?)

クルボアジェのVSOPを入れてみました。作っているときはコニャッ

クの香りだけで酔ってしまいそうだったけれど、できあがって食べて

みたらそれほどでもなく、私の好みから言うと、レシピ通りよりもう少

し砂糖もブランデーも多め、チョコレートはもう少し濃厚な方がよいな

あと思いました。季節は秋で、温かい珈琲がおいしい季節。

珈琲にぴったりのスイーツはいかがでしょう? 

ちょっぴり恋の気分で♡

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2006年9月21日 (木)

イレギュラー

Shun_2   

今日は朝、連絡があって、私の実家近くにある行きつけの美容院に

髪を切りに来たブロガーのSさんと、1時間ばかりお茶をした。

お互い音楽無しでは生きられないような人間だから、ほとんど音楽

と、それにまつわる話。Sさんが今日わざわざ山梨県から東京にや

って来たのだって、ロック・コンサートに行くためなのだ。髪を切るの

はそのついで。

7歳の誕生日にエレキギターを買ってもらったのに指一本触れること

なく、「ぼくは音楽はやらない」と言い続けてきた息子が、音楽をやり

たいと言い出してから1年余り。高校を卒業したら音楽学校に行きた

いと言う。いままで彼の言葉から、絶対に音楽だけはやらないんだろ

うと思って(安心して)いた私はまさに青天の霹靂。いままで言うべき

ことは言ってきたけれど、どうやら気持ちは変わらないらしい。

不惑、という呼び方の年代があるけれど、いまやどこを見ても惑って

いる人ばかり。流れに逆らったりまかせたりして、いくつになっても自

分の生き方を模索してる。いままでやってきた失敗だって数知れやし

ないし、親にはそれ相応にお金をどぶに捨てるような投資だってさせ

てきたんだし。最近じゃ人は一生近い時間をかけて、自分の生き方

を模索してゆくものかもしれない、なんて思ってる。

そんな大人に何が言えるだろう?

17歳の息子に、無駄なことはするな、失敗するな、なんてね。

どのみち、どんなことをするにしたって近道なんてないんだし、失敗無

しに何かを成し遂げることなんて不可能に近いんだし。

私はかなり物分りのいい母親だとは思うけれど、かといって特別じゃ

ない。ただ私が息子に言えることは、「よく生きろ」ってことだけだ。

もうすでにミュージシャンとして活動を始めたSさんの息子と、まだス

タートラインにも立っていない自分の息子を一緒にすることはできな

いけれど、でも共に音楽を目指す息子を持ったという意味では、私と

Sさんは同胞と言えるのかもしれないな。

上の写真は暗くてよくわからないかもしれないけれど、学校から帰っ

て制服も着替えずに、電気もつけない部屋で、ギターの練習をする

息子。彼は最近、バイト代で新しい大きなアンプを買った。

確かに高音のキンキンする金属音はなくなって重低音は厚くなった

けれど、かといって耳栓は必須。早く買わねば。(ためいき)

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9月のマチルダ

Matilda_01_2

昨日、今日、東京は素晴らしい秋晴れだった。

日中はちょっと陽射しが痛いくらいだったけれど、すっきり晴れ上が

った青空、爽やかな大気に満ちる金木犀のいい香り!

太陽の力ってすごい。

秋の始めのまっすぐな光は、夏の間にハダニですっかり葉を落とした

バラの枝をみるみる芽吹かせ、枝の先をつぼみでいっぱいにした。

私のベランダはいまマチルダがいっぱい咲いています。

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2006年9月20日 (水)

誕生日

Ks_5

彼は青。海のいろ。

私は赤。たぶん火のいろ。

大気をいちめん、金木犀の香りが満たす頃に彼は生まれ、

寒気の際立つ闇の領分に沈丁花が香る頃、私は生まれた。


今日、9月20日は私の好きな絵描きさんの誕生日だ。

夕方、そろそろ仕事も終る頃だろうと思って、思い切って電話した。

この前、電話で話したときから1年以上が経っている。

それでも屈託無く話せた。

相変わらず陶芸にハマっているらしい。いま窯焚きの真っ最中で、

3人でローテーションで窯の番をしていて、今日は自分の当番の日

で、今も向かっているところだと言っていた。最近は陶板に絵を描

いていて、陶芸と絵が近くなってきたとも言っていた。テニスはいま

でも続けているらしい。

よかった。

いつも、いくつになっても何かに夢中になってる人っていいな。

こんな細々としたつながりでも、彼との縁はつなげておかなくちゃい

けない。来たるべくプロジェクトのために。

がんばれ、私!

Kもギター、がんばってください。

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秋の器

Shihouzara_03_1

久しぶりにスコンと気持ちよく晴れた今日は、すっきりと秋晴れの空。

ベランダに出ると陽射しは肌に痛いくらい強く、まだ頑張って鳴いて

いる蝉もいるけれど、道端にはもうススキが揺れて、この澄んだ大気

の感じはやっぱり秋だ。秋と言えば食欲の秋。

私はもともとお腹減らしで、通勤していた頃は会社に行って11時にも

なると、もうお腹が空いていた。机を並べているひとつ隣りの男の子

に「○○ちゃん、もうお腹空いちゃった」と言うと、「○○さん、ちょっと

早くないですか?」なんて、年中言われてましたっけ。

で、私は9月になったらもうお腹が空いてしょうがない。食欲の無いと

きと違ってそういうときって食に対するインスピレーションも湧くもので

『あのお皿にあれ載せて・・・』なんてことを、ぼおっと想像したりする。

そんなわけで久しぶりに引っ張り出したのは『夕暮れ四方皿』。

このネーミングと、夕焼けの空の色が刻々と闇の領分を増してゆく様

が見事に感じられる窯変の妙に惚れて、少々奮発して買ったお皿。

これは確か岡部耕太郎作。

Shihouzara_02

器というのはある程度日常遣いのものが揃ってしまうとなかなか新し

しいものは買えないもので、友人には「私には器を買う余裕なんてな

いわ」と言われたりしたけれど、私にもそんな余裕があったわけでは

なかったのに、器を売ることが仕事だったあの頃は買っていた。私は

嘘がつけない性質で、自分が使わずして何を語れるか、という感じだ

ったのだけれど、まあそれもいまにして思えば大義名分ですね。

ショップでよくお客様に言っていたのは、たとえあなたが仕事で疲れ

てご飯を作る気もなくデパ地下で出来合いのお惣菜を買って帰った

としても、良い器があったら食卓は豊かになる、というようなこと。

実際、私はずいぶん器の力に助けられてきたと思う。新しい器を買

うと誰だって何かおいしいものを作ろうと思うもんです。

上の夕暮れ四方皿に串カツを載せるとこんな風。普通の家庭料理も

ちょっと良いお皿を使うとなかなか見栄え良くなります。

Shihouzara

四方皿というのはなかなか便利なもので、何を載せても様になる。

夏は冷たく冷やしたこの皿にお蕎麦を載せて、同じく焼き締めのそば

猪口、『ひとひら』という名前の浅黄色の小皿に薬味を載せて出す

と、子供には「高級なお蕎麦屋さんみた~い」と言われた。子供でも

そういう感覚はある。いまの季節はサンマを載せてもいい。

実はこのお皿はネットショップで買ったのですが、当時ももちろん、器

を手に取ってもみないでネットで買うなんて、と思っていたのだけれ

ど、最初は勉強のつもりで見ていたのが見ているうちに欲しくなって

しまい、一度買ってみたところ届いたものがイメージどおりでとても良

かったのと、丁寧な対応と梱包状態がとてもよくて気に入ってしまっ

て、しばらく少々ハマっていたのでした。

下はそのときよく覗いていたサイト。ほんとはまだまだいっぱいあった

のだけれど、見つからなくなってしまった。くるみ庵さんのサイトは写

真も素晴らしく、ブロガーなら見ているだけでも楽しいと思う。

  ☆ オーナーの人柄がとても温かくて誠実な 陶の森

  ☆ とにかく彼女のセンスが良い! くるみ庵

  ☆ 使える器がいっぱい  暮らしの器 なごみ

  ☆ シンプルで素朴な手作りの器  on the table  

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2006年9月18日 (月)

嵐のあと

Magic_hour

嵐のあとのマジック・アワー。

明日は晴れるかな?

私は強風で大事なバラの枝を折られてショック!

現在もまだ風強し。

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彼女の部屋、彼女の猫

Picasso_03_3   

土曜日に器が乾くまでのあいだ、ランチをご馳走になるために訪れた

彼女の部屋には見たことのない猫がいた。

Picasso_01_1

前に初めてここに来たのは暑い夏のさなかで、夜には広いベランダ

で暑いなかバーベキューをしながら、建物の間から玉川の花火を垣

間見た。あれから10年にはなってないと思うけれど、それ相応の月

日が過ぎたらしい。

美容学校を出てからバリバリのアパレル一筋で働いてきた彼女は、

メークもファッションもインテリアのセンスもとても個性的でカッコよく、

この部屋に初めて来たときも、まるでインテリア雑誌から抜け出てき

たような部屋だと思った。欲しいものがないから彼に作ってもらったと

いう、木とステンレスを組み合わせた、大きめのキッチンカウンターに

もなるワゴン。窓ごとに配色を変えたオーガンジーのカーテン。

原色の利かせ方がイタリアン・テイストでお洒落だった。

当時、私がブロガーだったら、すぐさま写真に撮りまくったと思う。

そのときのイメージを持ったまま先日行ったら、あれ? と思った。

以前の彼女の部屋にはなかった生活感。

思えば長いこと恋人同士で暮らしていた彼女も、いまや結婚して彼と

も夫婦になったのだから、当然といえば当然なのかもしれない。

前には絶対許せなかったものが、今では許せるようになったらしい。

私も若い頃は生活感を感じさせない人やものが好きだったし、世の

中にもそういう風潮があったと思う。生活感の全く無い女や男がもて

はやされた時代。私自身、そう言われることを好しとしていた。

でも、いまは違う。生活感=生活の垢、疲労感、とするならそれは今

でも違うけれど、いまはむしろ適度に生活感のある人に魅力や色っ

ぽさを感じる。料理も家事もなんにもできないけれど、床の間にただ

飾っておきたいような美人、より、この人の手料理はおいしんだろう

なあ! と思わせるような女。繊細そうな細くて長い指より、何気なく

子供を抱き上げる、陽に焼けた逞しい腕なんかに。

新品まっさらのダンガリーのシャツより、何度も洗って、着こなれて

身体に添うようなシャツのほうが、ずっとニュアンスがあって色っぽ

くて好きだ。適度な生活感というのはもうネガティブなことじゃなくて、

その人の経験からくる、その人だけが持つ雰囲気、持ち味なんだと

思う。少々、お顔にシワができようが、お腹が豊かになろうが。

その人が暮らす部屋もまたしかり。

だから今でも私に「子供が2人いるようじゃない」と言ったり、「いつま

でも独身の気でいるんでしょう?」などとからかったりする人がいるけ

れど、それは言ってる方が思ってるより褒め言葉じゃないんですね。

私はふつうに主婦で母親やってます。

そして、彼女が飼っているこの猫の名前は、ピカソ。

Picasso_02

私の友人で猫を愛している人は多い。

そういえば犬を飼っている人はいないかも。

私はどちらが好きかと聞かれたら、すぐに即答できない。どっちも好

きだしかわいいと思うけれど、厳密にはどちらも飼ったことがないか

ら。ぱっと見て単純ストレートにかわいいと思うのは犬の方で、性格

的にも犬の方が好きだと思うけれど、私のライフスタイルや猫の性

質からしたら、猫の方が合ってるんだろうなあと思う。そして猫を飼う

なら昔から名前は決まっている。ヴァンサン。

犬なら? と考えてみたけれど、いまはちょっと思いつかない。

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2006年9月17日 (日)

陶芸日和・番外編

Tougeibiyori_08_2   

そして陶芸の後に友人が連れて行ってくれたのはおでん屋さん。

昨日も夜には雨がちょっとパラついて、半袖では少し涼しいようだっ

たからちょうどいい。私はおでん屋さんというと味が濃いのと魚臭い

イメージがあったのだけれど、ここは鰹だしが効いた薄味で、ところ

どころに柚子や山椒の香りがする上品な味。いくらでも食べられる。

それに厚く切った大根に大きながんも。ボリュームもたっぷり!

私のブログに食べ物の写真が少ないのは、私は出されたものはすぐ

に食べたい方だからなんだけれど、自家製ハスのさつま揚げが出て

きたときには、見た目のかわいらしさに思わず最初から全部写真を

撮っておけばよかったと思ったほどでした。

で、下は最後に頼んだ焼きおにぎりと、横に添えられているのは秋

田名物いぶりがっこ(燻したタクワン)。いぶりがっこって私は初めて

食べたのだけれど、なんとも言えない煙の香りがしておいしかった。

ここの女将は秋田出身で、いぶりがっこにカマンベールを挟んで食べ

るとおいしいと発見した人だそうだ。(確かにメニューにもあった)。

最初は友人も「え~? いぶりがっこにカマンベール?!」と思ったら

しいが、食べたらおいしかったそう。お酒のおつまみにはいいかも。

Tougeibiyori_09_1

焼きおにぎりには梅干とじゃことゴマが入っていて、表面のパリパリ

感が香ばしく、焼き具合もちょうど。焼きおにぎりというと私は小さな

ときに母が作ってくれた焼きおにぎりと、ただご飯を握って味噌をつ

けただけのおにぎりは、今でも食べたいと思う。ただそれだけのもの

が、なんであんなにおいしかったのか。いま自分でやっても全然違う

味がしそうで、自分では作らない。お漬物もこの美しさ。

Tougeibiyori_10_1

お酒を飲めない私はお腹いっぱい食べて、トータル12時間の陶芸日

和を満喫したのでした。

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陶芸日和

Tougeibiyori_3   

さて、昨日土曜日は仕事が入らない限りいつも午後からスイミングス

クールに行くのが私の最優先事項なのだけれど、昨日はスイミングも

お休みして、休日だというのに早起きして行ったのは友人の住む町、

豪徳寺。そして2人して向かったのは上の『まだん陶房』だ。

なにゆえ突然、私が陶芸教室に? 

というと、実はこのブログにもリンクさせていただいている『陶芸ブロ

グ・ぶらり』で10月に行われる『駿河オフ会』に参加したいがためな

のだった。もともとあるブロガーさんを通して知ったこのブログ、静岡

で陶芸教室を営む陶芸家 hashibamig さんの視点によって紹介され

る食と器と仲間たち、それとアートと、それにまつわるカフェなどの写

真が素晴らしく、いつかは訪れてみたいと思っていたところ。オフ会

のお知らせが載ったとき、そのあまりに魅力的な内容に、ふだん旅

には腰の重い私も思わず行きたくなってしまったのでした。陶芸なん

て全くやったことのない私だけれど、とりえず密かに参加規程である

楽焼だけでも作ってみようかと思った次第。

小さい子供がいるので駄目もとで hashibamig さんの熱烈なファンの

友人Mにメールで知らせたところ、「そんな、何にも考えずに『Yes』

と即答したくなるようなこと言わないで!」と言いつつも、残念ながら

その日は子供の運動会と重なっていてあえなく断念。それなら去年

しばらく陶芸にハマっていた友人T ならどうかと連絡すると、「楽しそ

う~」とすぐに返事が返ってきた。感度の良い友達に恵まれているっ

てしあわせだ。でも、「なら、すぐに作り始めるか」、と友人にあっさり

言われて少々たじろぐ私。

「A(私の旧姓)はどこで作るの?」と訊くから、「家だよ。ハンズで土

買って。hashibami さんの説明どおりにやるの。Tは?」と言うと、

「あたしはまだんに行ってやる。なんならAも一緒に行ってやる?」

と言うので、家で1人で作ることにいささかの不安を感じていた私は

渡りに船と一緒に行くことにしたのでした。

残念ながら写真は無いけれど、朝の教室は混んでなくていい感じ。

出迎えてくれた講師の女性も健康的な笑顔が良い感じだ。Tが癒し

系という李先生も出てらして。まず土を決めてもらって秤で土を量る

ところから。ミカンくらいの土を手にとって練って丸めて、手回しろくろ

の中心の小さな円にしっかり載せる。それから土の真ん中に親指で

穴を開け、両の親指を中に入れて、残りの指で外側を押しながら成

形してゆく。けれど最初から感覚がつかめるわけもなく、そうそううま

くはゆかない。器の中にある親指の力の方が強すぎて底が薄くなっ

てしまって李先生に土を足してもらったり。思うように土が立ち上がっ

てこなかったり。土はいじっている間に縁にひびが割れてくるので濡

らしたなめし皮で擦ったり。面白いのは自在に形が変わるので、いっ

たいどこでやめていいのかわからなくなるところだ。ずっとやっててい

いなら、きっと一日中でもやっていられると思う。でも、そんなこと言っ

てるといつまでたってもできあがらないので、ほどほどにしてとりあえ

ず完成。糸で切り離して板の上に置く。昨日は予報では雨かもしれ

ないと言われていたのだけれど、すっかりお日様も出てきたので、外

で乾かしましょうと外にゆく。この天気なら2時間くらいで乾くと言う。

よかった! これで今日中に終る!

「削りが楽しいのよ♪」と言うTとともに、まだんを後に。

上がTの作で下が私。私のはだいぶ小さい。

Tougeibiyori_01

そしてTの部屋でランチをご馳走になってのんびりしていたら、思い

のほか早く、まだんから電話が来た。もうそろそろ良さそうですよ、

とのこと。午後は削りだ。

手回しろくろの上に滑らないように小さな布を敷いて器を逆さに置き、

高台のあたりをつけて外周と内側を削る。私のは小さいぶん分厚い

ってことで、かなり削らなくちゃならない。私は丁寧にまあるくきれい

にきれいに削りたかったのだけれど、それじゃ面白くないので模様

をつけたらどうかと言われて、大胆にざくざく削り始める。成形同様、

自在に形が変わってゆくのが面白い。作っては壊し作っては壊して

ゆくこの感覚、いいなあ。去年ここの基礎クラスに通って下地もあり

今日は最初からペアのぐい飲みを作ることに意気込みを持っていた

Tと違って、単純にオフ会に参加するためだけに、やったことのないこ

とにチャレンジして楽しもうと思って来た(つまり完全に遊びの)私は

全然執着が無く、さっさと1個作り終えて2個めに。口当たりを考えて

みるあたり、さすがにTは酒飲み。

「Aのなんだか小さなお茶碗みたい」「うるさい。おだまり」などと会話

しながら、2個めともなるとお互い集中して黙々とやる。集中してやり

すぎてTは穴を開けてしまった! 補修 ・・・・・・

できあがった器に私はサインを、彼女は陶印を押して完成。

下が完成品。これはTの。

Tougeibiyori_02

Tougeibiyori_03

そして恥ずかしながら、これが私の。よこしまな私。

Tougeibiyori_06

上よりふた周り大きい縦じま。無骨な山。樹木をイメージ。

Tougeibiyori_05 

私のはぐい飲みとしてはかなり小さく、焼いたらもっと縮むことを考え

るとぐい飲みというより豆鉢のよう? まあ、それならそれで割れずに

焼けたら鍋をするときにスダチを割って入れる薬味入れにでもしよう。

作品の出来はともかく、一日じゅう土を練ったり形を作ったり削ったり

してるのってすごく楽しく、私にとってはすごく贅沢な時間だった。日

常からは考えられない時間の流れ。陶芸ってフィジカルで、指の感覚

で土の厚みを量ったり出来上がりの形を想像しながら削ったりするの

はとても右脳的。それに何も考えずに一心に何かをすることって全て

メディテーションなんじゃないかと思う私は、陶芸もまたメディテーショ

ンだと思った。何より執着を感じなくていいのがいい。作っては壊し作

っては壊し、というのは精神衛生上すごくいいんじゃないかな。陶芸

セラピー。今度はうちのチビすけも連れて一緒に来よう。

さて、これに釉薬をかけて焼いたらどうなるだろう? 楽しみだ!

hashibami さんに連絡しなきゃ・・・

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2006年9月13日 (水)

Water Colors

Water_colors_01

今日は急激に気温が下がって寒くなった。

9月に入って初めて7分袖の服に袖を通した。10月の陽気。

天気予報では最高気温が20度と言っていたけれど、実際には20度

切っていたんじゃないかと思う。こうなると、おとといまでブンブン回っ

ていた家の扇風機が妙に寒々しい。あさってからは気温はまた上が

るみたいだけれど、明日は今日よりも寒くなるとのこと。あまりに急な

気温の変化に身体も心もついていけない。

皆さまもどうかお風邪などひかれませんように。

そして今日も雨の中で咲く花ふたつ。上は萩。

下は、またしてもなんだかわからない。

Water_colors

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2006年9月12日 (火)

土の中の彼女の小さな犬

Murakami_haruki_2 

外は今日も煙るような霧雨だ。

雨も3日目ともなると、いささかうんざりしてしまう。

いま、自分のことを書こうとしてやめた。どう考えても時間がかかって

しまいそうだから。それでタイトルも変えた。代わりに私の頭に浮かん

だのは村上春樹の短編小説だ。『土の中の彼女の小さな犬』。

この小説の初出は1986年だから、ちょうど20年前のことになる。

20年前! たいした時間じゃないか。書き出しはこんなである。

『窓の外では雨が降っていた。雨はもう3日も降り続いていた。単調

で無個性で我慢強い雨だった』。3日も降り続く雨。私はなんて勘が

いいんだろう! ただしこの雨は6月の雨だ。

物語は冒頭の雨の描写から、物書きの主人公が毎年シーズン・オフ

に訪れるクラシカルなリゾート・ホテルで朝食をとるところから始まる。

彼は2週間前に仕事とデートをかねてこの海辺のホテルを5日間予

約した。けれどここに来る3日前、いろいろと不運が重なった日(実際

そういう日ってあるものだ。どこかボタンをかけ違ったまま進んでしま

うって日が)に些細なことでガール・フレンドと喧嘩をして、連絡がつ

かなくなったまま1人で家を出てきたのだ。そしてもう3日も雨に降り

込められているのだった。彼は仕事にもまったく手がつかないまま、

退屈しのぎにホテルの古色蒼然たる図書室に行き、本を読んでいる

ときに朝、食堂で見かけた一人旅の若い女から煙草を1本ねだられ

る。彼は読みたい本を見つけられずに退屈している女に自分が持っ

てきた文庫本をあげることにして、そのあと2人でラウンジで雨を眺め

ながら珈琲を飲むことになるのだけれど、弾まない会話に彼は早々

にこの場を切り上げるのが妥当と思いながらも、何かが引っかかって

(こういうこともある)その場にとどまる。そして退屈しのぎに、ちょっと

したゲームのつもりで女の素性を当て始めるのだが、彼の物書きとし

ての観察眼はなかなかのもので、おおかたそれは当たってしまう。

そして、そろそろ本当に切り上げようと席を立ったところで、彼は最初

に気にかかったことに思い当たって、迷った末にそれを口にする。

女にはある特徴的な癖があったのだ。

「どうしてあなたはいつも右手を眺めるんですか?」

それは女にとっては決定的とも言える質問で、彼女が少女の頃から

自分の胸だけに隠し持っていた秘密に直結するものだった。

・・・・・・・・・・・・

ストーリーの全容を明かしてしまうとつまらないのでこれ以上は書か

ないが、これを読んだ当時は、読み終わった後になんとも言えない

後味が残った。それはなんとなく小説のタイトルからも想像がつくか

も知れないが、犬も猫も飼ったことがない私より、実際に飼っている

人ならもっとリアルに何かを感じるかも知れない。それはそんなに良

い後味とは言えないものだが、今回読み返して思うのは、この小説

の良いところは、女が旅先で偶然話すことになったこの男に少女時

代から独りで抱き続けていた(彼女の癖になるほど彼女に染み付い

ていた)秘密を明かすことで、初めてやっとそれを手放して楽になれ

たことと、男もまたこの女と話すことで心に変化が起きて、いくら電話

をしても出ないガール・フレンドに、(それでもかまわないから)電話を

かけ続けようと思えるようになったことだと思う。出ない電話の前に彼

女がいるとはっきり確信するラストは、その後に彼がガールフレンドと

和解できるであろうことを示唆している。

人の心のしくみは複雑にして繊細だ。何がどこでどんな風に作用す

るかなんてわからない。でも、だから救いもある。

誰かにメールをしたら返事が返ってくる、誰かに電話をしたら声が聴

ける。それは当たり前のことではなくて、とってもスペシャルな素敵な

ことなんだってこと。

私は村上春樹のどこが好きかと言うと、人の心理描写もさることなが

ら、その自然の描写によるところが大きい。この小説では雨。

それはまるで自身で体験したことのように胸の引き出しにしまわれて

ある日突然出てくる。ごちゃごちゃの引き出しの中から突然むかしの

宝物が出てくるみたいに。良い文章とはそういうものだ。

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September Rain

Aqua_colors_02

東京は今日も雨。9月下旬の陽気。

外を歩くには半袖ではちょっと肌寒いくらい。

雨が降っていいのは色彩が瑞々しく鮮烈になること。

それは子供の頃の視点でもあって。

でもこれが1週間も続くなんて ・・・・・・ 嫌だ。

下は近所でよく見かけるメドーセージ。

上はなんだかわからない。

Aqua_colors_01

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2006年9月11日 (月)

また雨が降ってきた

Rain_2

今朝3時頃、激しい雷雨の音と稲光で目が覚めた。

今にも頭の上に落ちてきそうな、雷の怖ろしい轟き。

暗い家中を一瞬フラッシュのように照らす稲光。

まるで怪奇映画の中のいわくありげな屋敷ですごす怖ろしい一夜み

たいに、しばらく寝つけなかった。

今朝ラジオを聞いていたら、明け方の雷が家のコンセントに落ちて、

TVとパソコンとファックスをいっぺんに破壊されてしまった人の投稿

を読んでいた。幸い火事には至らなかったようだが、すごい破壊力。

人はいつだって自然の威力にはかなわないんだ。

今日は朝から一日暗い曇天だったが、いままた雨が降り出した。

私の部屋は資料が散乱するテーブルと、飲みかけの珈琲と、音楽

とともにある。

曇天から光が射してくるようなパウラ・モレレンバウムの声。

雨は浄化。雷も。

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2006年9月10日 (日)

十七夜

17ya_2

夜になって買い物に出たら、驚くほど大きな月が出ていた。

買い物袋を置いて取って返して月の写真を撮っていたら、犬の散歩を

している年配の女性から、「月の写真ですか?」と訊かれた。

「そうです」と答えると、「今夜は十八夜くらいじゃないかしらね。月が

上がってゆくときがきれいですよね」とおっしゃった。

いいね。日本人は。そんな会話が当たり前にできる。

8日が満月だったから、実際には今夜の月は17番目の月だ。

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晩夏の宵の過ごし方

Banka_no_yoi

今日も夏が戻ってきたかのように暑い1日だった。

夕方は名残のみんみん蝉とつくつくぼうしの合唱を聞いた。

それも日が暮れれば秋の虫だ。

昨日、同じイニシャルを持つ2人の男の人の夢を見た。

もうどんな夢だったかは定かじゃないが、見ているときは確か悪い夢

ではなかったと思う。そういえばもうすぐ彼の誕生日だったっけな。

思いもかけないときに思いもかけない人の夢を見ると、私は(勝手

に)その人に呼ばれたな、と思う。

昔、行きつけだった南青山にある『Grain』という店に半年も行かない

と、なぜか夢にそこのマスターが出てきて、店に行って「マスター、私

を呼んだでしょう?」と言うと、彼はすっとんきょうなとぼけた顔をした。

その顔が見たくて何度かその台詞を言った。その彼ももういない。

清里だかどこだかのジャズフェスティバルに行った帰りに、対向車線

から突っ込んできた車に正面衝突されて亡くなった。即死だったらし

い。彼は青学のOBで、どこか村上春樹に似た風貌だったけれど、死

に方まで、まるで村上春樹の小説みたいだと思った。

それを聞いたのもはや数年前の夏のこと。

私の住んでいるこの部屋は、朝よりも昼よりも夕暮れ以降がいい。

夏の記憶にひとりごちる宵は、照明を落として、買ってから使うことの

なかったキャンドルライトでもつけて、のんびりすごそう。

しばし自堕落に。

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2006年9月 9日 (土)

最後のひまわり

Saigono_himawari

夏のあいだ落ちることのなかった食欲が9月になったらますます旺盛

になり、私は最近お腹が空いて空いてしょうがないから、自分ではい

たって快調だと思っていたのに、今週になって口の中に口内炎がい

っぱいできて、どうやら夏の疲れがきているらしいと気づいた。

心が気づくより前に身体のほうが先に反応することってときどきある。

そうなると(精巧にできているぶん)人間って不便なもので、指先をち

ょっと火傷しただけでも、口内炎ができたくらいでもけっこうツライ。

どこかにちょっと不調が出るとわかるけれど、人間っていうのはトータ

ルバランスで良くて初めて健康体と言えるものなのだと思う。

おととい、あんまり痛いからネットで調べたら、『ケナログ』という塗り

薬が良く効くというので買ってきた。ビタミンBはいつも飲んでいる。

口内炎の原因は定かではないらしいけれど、疲れ、ストレス、睡眠不

足なんかでなるらしい。私はそこに『身体の冷え』がセットされるとい

つも病気になる。昨日の夜、だるい上に妙に身体が熱いなと思ったら

めずらしく微熱が出ていた。口内炎は風邪の前兆、という説もあるか

ら、昨日は葛根湯をお湯で溶かして(医者からこうすると早く効くと教

えてもらったのです)飲んで、PCを開けることなく休むことにした。

今日は8時間寝た。まず朝いちばんに脚踏みマットを踏んで、フルー

ツジュースを飲み、昨日、仕事の資料用に買ったボイストレーニング

の本の中にあったストレッチをやった。それからお風呂で筋肉を温め

てプールに出かけた。にもかかわらず、泳いでいる途中で左肩から

首がすごく凝っている感じがあって頭痛がしてきた。ゴーグルがまる

で孫悟空がしている緊箍児(きんこじ:頭にしている金の輪っか)みた

いに思える。毎週プールに行くたび自分の基礎体力の無さと、ごく簡

単なことが簡単にできない自分に嫌気がさすけれど、でもあきらめな

いこと。体力が無いなら無いなりに、自分の体力に合ったきれいで楽

な(つまり効率的な)泳ぎをマスターすればいいんだから。何によらず

あきらめたら終わり。

プールから帰って食事をして、1日半ぶりにPCを立ち上げたら、先日

一緒に海に行ったMからメールの返事がきていた。まじい。勝手に水

着写真を載っけたことがバレちゃった。他の人にもここのアドレスを教

えただってえ? やりにくくなるぢゃあ、ありませんか ・・・

ええい、ままよ。わたくし、ますますカミングアウト。

(上はプール帰りに見つけた元気なヒマワリ。もうほとんどのヒマワリ

がうなだれてるなかで、まだ夏を信じているような、まっすぐで素直な

ヒマワリ。)

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2006年9月 8日 (金)

夏の果て

Hakuro

立秋はとっくに過ぎてまもなく白露である

わたくしは昼間わかい母親が

赤ん坊を十四階の踊り場から投げ自分も後から空中に飛び

地上に激突して「ドサッ」と音がしたというニュースや

ポルトガルの左翼陣営が複雑に分裂して幹部がののしりあっている

という外電を

繰り返し細かく読んで

肉眼が眼鏡にくっついてしまったかのように疲れた

家人は安らかに眠っている

わたくしは闇の台所へウイスキーの水割りを作りにゆく

蛍光灯をつけると不意に

大きな虫が舞ってわたくしの睫にふれた

不器用で大ざっぱな飛び方でそれはゴキブリだった

ひどい夏の終わりじゃないか

わたくしはかっとなって包丁をにぎり

油地獄の人ごろしのようにそいつを追った

しかし彼は翅を収めるが早いか食器戸棚の裏へ消えた

あまりすばやいのでわたくしはぼんやりしてしまう

わたくしはからだじゅう花粉だらけになる蜜蜂や蜘蛛や利口な

蜘蛛が好きで

虫は虫でも何というひでえ虫だとゴキブリを呪った

暗い廊下を

水割りをこぼさないように気をつけて四畳半の部屋へ戻る

細かい水滴が霧のように蔽って涼しげなコップを

しばらくランプの灯に透かして見ている

雨戸をしめきって何とむし暑い九月の夜だ

あしたの予定をあれこれ考えていると無関係な一行がわたくしの

舌にのぼる

「ゴキブリの死はいつでも惨死」


(北村太郎 / 詩集『眠りの祈り』から『夏の果て』)

****************************************************

いまこれを読んでいる方は、ずいぶんと酷い詩を引用するとお思いの

ことだろう。

私もいまこれを打ちながら、『白露』という美しい言葉を遣ったもっと別

の詩があったはずなのにと思ったが、どうにも記憶の彼方で思い出

せない。けれどここには詩人、北村太郎の日常の生活感が見事に

リアリティーをもって描かれているし、私はまるで彼がまだ生きて目

の前にいるような錯覚さえ覚える。北村太郎特有の言葉のリズム。

詩人が生きているのはまごうかたなき現実の中だが、彼が見ている

のはその向こうにあるもののようだ。

家人とあるから、まだこの頃は家族(妻子)と暮らしていた頃だろう。

いや、まてよ、北村太郎はこの詩が収められた詩集『眠りの祈り』を

出した年の11月に、恋愛事件もあって25年間まじめに勤めた朝日

新聞社を辞めたんだった。さらに2年後、彼は家から出奔する。

家にいたその2年間はさぞかし針のむしろだったろうな。

命日でもないのに、いつも夏の終わりになるときまって北村太郎のこ

とを思い出す。現実にはまったく関わったことの無い人なのに、これ

も縁というのだろうか。

昨日の夕方、ラジオから流れるニュースを聞いていたら、「明日も日

中の気温は高くなり、夏が優勢の一日になりそうです」と言ってい

た。夏が優勢、か。

いまはヒマワリとワレモコウ、蝉と鈴虫が共存する季節だ。

いずれ気がつけばいつのまにか秋一色になっていよう。

今日、8日は白露。

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2006年9月 6日 (水)

バラが届いた

Old_rose

今日は久しぶりの雨だ。

落ち着いて仕事をするにはうってつけの日。

そう思っていたら玄関のチャイムが鳴って、出て行ったら宅配便のお

兄さんが立っていた。「バラです」と無愛想におっしゃる。

ここはエレベーターのない4階だから宅配便泣かせです。

週末くらいに届くのだろうと思っていたのに早い。それにやけに大き

な箱だなと思ったら、ひとつは開花株が入っていた。今の時期に苗の

販売をしているところは少なくて、送られてくるのも今年1月から2月

に接木されたものだというから、もっと小さい苗を想像していたのに、

開花株とは嬉しい。たとえ終りかけの花であっても花が付いていれ

ば目安になるし、苗を買ってすぐに花が見られるというのはそうそう

ないことだから。花が付いてないほうの株も小さいつぼみが上がって

きているから、今月中には最初の花が見られるだろう。

下は開花していたデュシス・ド・ブラボン(和名:桜鏡。明治・大正時

代に愛されたバラのようです)。咲き始めは濃いピンクで徐々に薄

く退色してゆくらしい。花弁が多く、クシュクシュした感じ。悪くない。

香りは淡いアップル香。

Old_rose_02_1

Old_rose_01

それにしても生産者というのは、プロとはいえ上手く作るものだなあ。

環境の違いは大きいとしても、私なんか全然まだまだだ。

今回オーダーしたのは初めて利用するプティローズさん。はるばる富

山県から送られてきました。梱包の状態もとても丁寧だし、この株な

ら価格としても良心的だと思う。思うにバラの値段というのは10数年

前とくらべてもほとんど変わっていない。人件費のことだけ考えても、

とても割りに合う仕事とは思えません。好きでなきゃできない。

今回オーダーした2株はともに四季咲きオールドのティー・ローズ。

これはプティローズさんのホームページから拝借しました。

 Archiduc Joseph (アルシュディック・ジョセフ)

 この、なんとも言えない花色に魅了された。

Archiduc_joseph_1

そして、Duchesse de Brabant (デュシス・ド・ブラボン)

Duchesse_de_brabant

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2006年9月 5日 (火)

今日、ローズカフェで

Rose_cafe

今日、そろそろ遅めのお昼ご飯を作ろうかと思っていたら、玄関のド

アが開いて閉まる音がして、うちのハリネズミが帰って来た。

なぜこんなに早く帰って来たのかと思ったら、今日は就職のための

説明会が行われるからだと言う。

このハリネズミは昨日の夜中に、癇癪を起こして手近にあった私が

大事にしているパワーストーンのブレスレットを力まかせに床に叩き

つけた。その瞬間にシリコンゴムが切れて石がバラバラとあたりに

散らばり、それだけかと思ったら驚いたことに絨毯の上だったにもか

かわらず、石は見事に粉々に砕け散っていた。謝罪を求めたけれど

ハリネズミは興奮していて謝罪どころかまだ悪態をつき続けていた。

こういうところ、彼の父親にそっくりである。最も悪いところが似ている

なんて、実にげんなりする。私はあまり長い間くどくどと怒るほうでは

ないけれど、さすがにこれには頭にきて、今度ばかりはきちんと謝ら

ない限り許さないと決めた。それで今朝からろくに口もきいてなかっ

たのである。それがこんなに早く帰って来るなんて。やれやれ!

こんなのとまた半日同じ家にいるとろくなことがないから、私はバッグ

に仕事の資料を詰めて家を出ることにした。外は今日も炎天だ。

炎天に世帯主の私がなぜ家を出て行かねばならないんだ、君が出

て行け、と心で思ったけれど、そんなこと言っても仕方がないので郵

便局で用事を済ませ、外で軽くランチをする。母親と息子というのは

こんな風にして徐々にセンティメンタルな気持ちを差し挟む余地もなく

親離れ子離れしていくものなのかもしれない。

本当はお昼を買って友人のところにでも行くつもりだったのだが、友

人はあいにく徹夜明けで絶不調なのだそうだ。出てくるときにうっかり

下駄なんか履いてきたのに気づいたが、いったん帰るのも間抜けな

のでそのまま電車に乗る。昔、ユーミンの歌に、こういう無防備なとき

によりにもよって元彼にばったり出くわしてしまって惨めな気持ちにな

る歌があったっけなあ。ちょうどゲラントの塩を切らしてしまったので買

いに行くついでにローズ・カフェに行くことにした。母は生前、塩だけ

は切らしちゃいけない、塩を切らすとお金も切れるからと言っていたけ

れど、あれって実に当たっている気がする。

バラの最盛期ではない今のローズ・カフェは空いていた。

それでもこの時期は何も咲いてないんじゃないかと思ったら、けっこう

咲いていた。

Rose_cafe_03_2

Rose_cafe_04_2

Rose_cafe_02_2

Rose_cafe_05_2

ローズヒップティーをオーダーして席に着き、しばらく本のコンテン

ツのためのブレインストーミングをしていたら、店のオーナーが来

て、しばらくバラ談義をした。高橋秀樹によく似た、俳優になった方

がいいくらいのハンサムな方だ。このお店をやる前には、屋上でな

んと500鉢ものバラを栽培、管理していたそうだ。それを数年やっ

たらバラの種類ごとの咲き方、シュートの出方、成長の度合いなど

様々な特性がよくわかって、それを事細かパソコンにデータとして

打ち込むことから、このお店とガーデンの構想が始まったのだそう。

男の人がいったんハマると、その懲り方も半端じゃありません。

男っぽいルックスからは信じられないほどもの柔らかなオーナーの

お話を聞いていたら、バラに対する尽きせぬ情熱と愛情を感じた。

本当に心底バラがお好きなのだと思う。初夏に初めてここを訪れた

ら、近くの坂を上る途中からふわあっとバラのフレッシュな香りがし

て、感動した、と言ったら、「そんなこと言われたの初めて。なんだか

涙が出るほど嬉しいなあ」と言われた。好きを仕事にするというのも

簡単なことではないけれど、これだけの素晴らしい環境を実現できて

毎日、大好きなバラに囲まれて仕事も生活もできるこのオーナーは、

とてもしあわせな方だと思う。

今まで1番大きな鉢で1番良い場所を占領していたオリーブの木を友

人に譲ることにして私のベランダもすっかり片づいたことだし、すでに

新しく欲しいバラも決まったし、そして今日オーナーから勝負肥料の

ことも聞いたことだし、私もまた初心に返ってバラと向き合おう。

すっかり気分転換して家に帰って洗濯物を取り込んでいたら、ハリネ

ズミから「ハイ」と紙切れを渡された。その場で開いて読んだら謝罪

文だった。どうしても口で言えなかったので文章にしたのだと言う。

こんなところも父親似だな。でもまだこんなことするうちはいい方なの

かな。少々、説教してから夕飯にした。

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ねむの木

Nemunoki

まるで真夏が戻ってきたかのような炎天に、午後の眠りを誘うかのよ

うに咲いていた、ねむの木の花。

見ているだけで脳からアルファー波が出てきそうだ・・・・・・

今日の最高気温33度。

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2006年9月 4日 (月)

うろこ雲と芙蓉

Urokogumo_1

まだ9月に入ったばかりで日中は30度を越す暑さだし、今日もベラン

ダで作業をしてすっかり日に焼けてしまった。

初秋と呼ぶには早い今は、まだ晩夏と呼んでいいのだろうか。

この時期に咲くピンクの芙蓉は夢のように美しいけれど、どこかちょっ

と退廃のニュアンスもあって、アンニュイな雰囲気。

Fuyou_2_1

Fuyou_01

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2006年9月 3日 (日)

ミニュチュア・スタンダード・ローズ

Standard_rose_1 

今朝はごく近くで鳴いているような、大きなみんみん蝉の声で目が覚

めた。いつもの休日より早い時間だったけれど、せっかく目が覚めた

から起きる。今日の東京上空は高気圧に包まれて、昨日同様いい天

気。気温は31度と高かったけれど、湿度が無いぶん爽やかだった。

春に天候不順でバラを数鉢駄目にしたかわりに秋にニューフェイスを

迎えるべく、今日はベランダをかたずけることにした。

駄目になったバラの鉢を4階から下の共同庭まで運ぶこと往復3回。

それだけで息切れ。それからドイトに腐葉土と肥料を買いに行く。

青空には大きな入道雲がぷかぷかいっぱい浮かんで、夏が戻ってき

たような強い陽射し。ドイトに行ったついでにミニチュア・ローズの新

作でも出てないかなあと思ったけれど、それにはどうやら早いらしく、

かわりに最終処分になったミニチュア・ローズを見つけた。ミニチュア

とはいえ、スタンダード・ローズが500円。枝ぶりも悪くないし病害虫

も出てないし、新芽も出始めている。四季咲きだからこれから楽しめ

てこれはお買い得。2鉢買う。家に帰って、株元の土を崩さないように

してさっそく植え替える。品種は匂宮(におうのみや)と御所桜。

こんな花みたいです。きれいに咲いたらまたアップします。

Niounomiya_1 Gosyozakura_1  

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2006年9月 2日 (土)

9月の薔薇

Kugatsu_no_bara_01

ここ数日で一気に朝晩の寒暖差が激しくなったからだろうか。

9月の薔薇は、その薔薇が持つ本来の色より濃く色が出ているよう

だ。上と下はジェーン・オースティンだけれど、本来この薔薇の色は

アプリコットイエローのはずなのに、こんなにピンクが強く出ている。

Kugatsu_no_bara_02

グラミス・キャッスルも純白ではなく、淡いピンクがかった花色。

Kugatsu_no_bara

昨日は雨のせいで肌寒いくらいだった。

ちょっと急過ぎやしないか?

秋薔薇の季節はゆっくり過ぎるといいな。

冬は遅く来て早く去れ!

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2006年9月 1日 (金)

acariocando/Ivan Lins

Acariocando_1

9月は一見、すました女の子のようにやってくる。

その肌にはまだ夏の太陽の余韻が残っていて、瞳は遠く彼方の水

平線を求めていて、胸には小さな痛みがある。それを抱いたまま、

彼女は秋の最初の風を纏って、あっさりと次の列車に乗る。

そんな夏の欠片と秋の最初の気配が混在する今の時期に聴くのに

ぴったりなのが、7月末に出たイヴァン・リンスの31枚目になるアル

バム、『acariocando』だ。これはカリオカとしてのイヴァンがリオデジ

ャネイロ、そしてサンバに捧げたアルバムで、いつもながら夏の夕暮

れの海を眺めているような美しいメロディーにあふれた曲が詰まって

いる。前回、イヴァン・リンスのプロフィールについて触れることができ

なかったのでここで少し書くと、彼は1945年、リオデジャネイロで生

まれた。父親が海軍のエンジニアでマサチューセッツ工科大学の学

生だったため、幼少期の数年をマサチューセッツ州ケンブリッジで過

ごした。ブラジルに戻ったあと、12歳のときに士官学校に入学。初め

ての音楽との接点は士官学校のブラスバンドだったという。自分の音

楽的才能に気づく前はプロスポーツ選手を目指していたとも書かれて

いるから驚きだ。そして更に驚くべきことには、カリオカとしては(そし

てミュージシャンとしても)遅すぎるとも思うけれど、18歳の時にボサ

ノヴァの洗礼を受け、なんと独学で(!)ピアノを学び始め、ボサノヴァ

やジャズを演奏するようになる。大学で工業化学を修了したイヴァン

は昼間は化学者として働き、夜に趣味で演奏するということをやって

いた。イヴァンの音楽的キャリアは大学の学園祭から始まり、大学を

修了する年にエリス・レジーナが歌った『Madalena』がヒットして一躍

名前が知られるようになる。どこかのサイトにあった文章を私流にア

レンジして書くなら、『この知的な顔立ちをしたシャイなティーンエイジ

ャーは、音楽という自由な翼を得て一躍スターになったのだった』と

いうことになろうか。

そして80年代になるとクインシー・ジョーンズに起用されたのを機に、

世界中の大物アーティストがイヴァンの曲をカバーするようになり、世

界的に有名な、そして世界で最も愛される作曲家の一人となった。

・・・ と、ここまで書いただけでもイヴァン・リンスが異色の経歴を持つ

ミュージシャンだということがわかっていただけると思う。まず18歳で

ピアノを始めて最初からやったのがジャズやボサノヴァというのも驚き

だが、そんな風に音楽を始めた年齢は遅かったものの、驚くべきは

18歳から始めて今年61歳の現在に至るまで、彼の作曲能力が全く

衰えないということだ。しかもほとんどと言っていいくらい駄作が無

い。誰もが彼をして、『魔術師のような』、『魔法使いのような』作曲家

だと言うのだ。あのマイルス・デイヴィスが生前イヴァン・リンスに惚れ

こんで、全曲イヴァン・リンスのカバーCDを制作するアイディアを持っ

ていたというのも充分に頷ける。もちろんプレイヤーとしても一流で、

ライブCDなどで実にリラックスして楽しげにやっているのを聴くことが

できる。まさにイヴァン・リンスにとって音楽は翼なのだと思う。

そしていろいろ書いたけれど、私が最も好きなのはイヴァン・リンスの

声だ。そのファルセットのスキャットのバリエーションは、ミルトン・ナシ

メントもお手本にしたという。私がイヴァン・リンスの声から感じるのは

人間的な優しさと温かさ、圧倒的な情熱、それと表裏一体にある繊

細さ、ロマンティシズム、豊かなエモーション、知的なユーモア、楽観

性、リラクゼーションなど。ああ、そして忘れちゃいけない、色っぽさ

といのも大事な要素だ。イヴァン・リンスの音楽を聴いていると、彼は

きっと涙もろい人なんじゃないかと思うし、一方で馬鹿笑いしてるとこ

ろなんかも目に浮かぶ。世の中に私を泣かせてくれる音楽は数ある

けれど、本気で笑わせてくれる音楽はイヴァンくらいじゃないかと思

う。そういった意味で私にとっては最高の音楽なのです。 

私はここに好きなアーティストについて書くときはたいてい死ぬほど

CDを聴いて、かなり膨大に人の文章を読んでから書くのだけれど、

ためしに『イヴァン・リンス』でネット検索すると、彼の熱烈なファンに

数多く出会えます。ちなみにイヴァン・リンスの曲を試聴できるサイト

を見つけたので聴いてみたい方はここをクリック → Ivan Lins

それからイヴァン・リンスのオフィシャル・サイト → ivanlins.com

私はサイトに飛んだ瞬間から音楽が流れてくるのって嫌いなんだけ

れど、さすがにイヴァン・リンスの場合は例外。このサイトに行くと私

の大好きな『アイランド』が流れてきます。ちなみにこの新譜のタイト

ル『acariocando』の意味について書いているところがないかと思って

探したけれど、残念ながらありませんでした。ついにポルトガル語の

辞書でも買うしかないかな。曲目は下記の通り。

聴くごとに好きな曲って変わっていったりするけれど、私はいま5曲

目の『Prece ao Samba』にやられています。黄昏ロマンスっていう

感じのほろ苦くもスウィートな曲。

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01 - A Gente Merece Ser Feliz
02 - Se Acontecer
03 - Acariocando
04 - Por Sua Causa
05 - Prece Ao Samba
06 - Passarela No Ar
07 - Ela E A Propria Vida (Funk Catarina)
08 - Lar, Doce Lar
09 - Renata Maria
10 - Deus E Mais
11 - Antidotos
12 - Diana Do Mar
13 - Lua Sagrada
14 - O Tempo Me Guardou Voce

****************************************************

追記:

以下は、先日(9/24)、このCDの最初の曲がJ-WAVE、夕方5時

からの番組『サウジ・サウダーヂ』で流れたときの、ナビゲーターの

小野リサによるコメント。

 [A GENTE MERECE SER FELIZ] (ア・ジェンチ・メレッシ・セール・

 フェリース/イヴァン・リンス)

 ホームタウンのリオに捧げたサンバ・スピリットあふれる新作から。

 タイトルの意味は「私たちは幸福になる価値がある」で、新しい時代

 を、明るい希望にあふれて生きようというとても前向きな歌。作曲は

 もちろんイヴァン自身、作詞はパウロ・セーザル・ピニェイロ。

 ブラジル大統領選に立候補している某女性候補者のキャンペーン・

 ソングに使われています。

大統領選に音楽(サンバ)が使われるなんて、さすがブラジル!

日本にもそんなことをしてサマになる大統領が早く現れて欲しいもん

だ。と、思うのは私だけ?(^-^)

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