« Finland から『SAKURA』のバッグ | トップページ | 昨日、桜の下で »

2006年4月 8日 (土)

指宿悟さんのグラス

Ibusuki_satoru_01

昨日の写真を撮るのに、桜の木の下で拾ってきた小枝。

思いつきで小さな手ふきのグラスに挿したら、なんという美しさ。

好きなものどうしがうまくぶつかると、どうしてこうも決まるのか。

PCのディスプレイで画像を編集しながら、

「なんてきれいなんだ。なんだかドキドキするよ」 と言ったら、

「博雅みたい」 と息子。

「博雅ってなに?」 と訊くと、

「源博雅だよ。陰陽師の安倍晴明の相方の。春になるとなんだか

 ドキドキするって言ってただけだけどさ」

夢枕獏の陰陽師か。この息子もなかなか変なヤツだ。

件の本を見ると、春に心が落ち着かないのも五行で言えばごくあたり

まえの気持ちだと、安倍晴明が博雅に説いている。

このグラス。指宿悟(いぶすき・さとる)さんの作品。

これも大昔のこと、原宿のファーマーズ・テーブルで見つけてひと目

惚れだった。小振りで華奢なカクテル・グラスみたいな形は特に使い

道を思いつかなかったけれど、冷酒を飲むのにもいいかもしれない

と(お酒も飲まないのに)思い、その年の結婚記念日用にペアで買っ

たもの。なのにあろうことか滅多に器を割らない私が、ひとつ割って

しまった。ペアのグラスの片方を割ってしまうなんて縁起でもないと、

すぐに買い足すつもりがその機会を逸したまま時が経ち、ついに買っ

た店から姿を消してしまった。

もう同じものを、もうひとつ手に入れることはないのかな。

自然が作り出す形はいつも完璧だけれど、それと同じように、完璧な

フォルムを作り出せる作家がいる。

彼は紛れもなくそういうタイプだと思う。

春を通り越して初夏になると、私はガラスが恋しい。

特に今年はガラスが気になるから、そのうち街に探しに行こう。

息子と娘と私の。これよりずっと不恰好で、かわいくて、思わず笑え

るようなやつ。それに麦茶やサイダーやアールグレーのアイスティー

を入れてガブガブ飲むんだ。

ちょっとポップに色ガラスが入っていたら、なお良い。

Ibusuki_satoru

|

« Finland から『SAKURA』のバッグ | トップページ | 昨日、桜の下で »

好きな器いろいろ」カテゴリの記事

コメント

グラスの透明感桜の柔らかな優しさ両方がマッチして美しいハーモニーを奏でています。この素材同士を合わせる感覚が絵心ともいえるのではないでしょうか。桜にグラス見事に一致していますね

投稿: itio | 2006年4月 8日 (土) 05:10

私もガラスが大好き。
私もお酒が飲めない。
飲めたらきっと素敵なグラスで、ちょっと一杯なんてやるんだろうな。

桜、いいですね~。こんな風に何気ない
かわいらしさが、結構好きです。
結局悪戯が居るうちは、買えないと思いつつ
悪戯は次々やってくる・・・
猫を取るか、繊細な物を取るかで、猫に
選ばれてしまっている私です。

来年は絶対鎌倉へ来てね。花見をしよう。


投稿: hanta | 2006年4月 8日 (土) 11:21

こうしてじっくり眺めると、可憐で清楚な花。
あやしいまでの妖艶さは、一塊にまとまって咲くからでしょうか。
朝、昼、ともに彩を変え、香りたつ色気さえ感じられて、夕暮れの薄墨色に染まる時は、ぞっとするような美しさ。
今日も人は桜に酔いながら、フラフラと歩いているのでしょうね。
soukichiさん、私などは腕力では負けるから箒を持って、息子と喧嘩しましたよ。今は優しくなりました。お互いに歳を重ねて・・・・・・。

投稿: みちこ | 2006年4月 8日 (土) 18:21

itio さま、
ありがとう。
私が感じたものをそのままわかってくださって。
わかってくれる人がいると単純に嬉しい。

テクスチャーの違うものを合わせるのはもともと好きです。
木と金属、皮と鉱物、備前とガラス・・・etc;
北欧スタイルが好きなのもそのせいだと思います。向こうの家具や
照明って、木とステンレスやアルミを合わせたものが多い。
木の温かさと自然、金属の冷たさと人工的なものが組み合わさると、とても気持ちのいいスタイリッシュができあがる。
明治の頃の家具調度、それからベトナムのインテリアなんかもそういう感じがしませんか?

投稿: soukichi | 2006年4月 9日 (日) 00:08

hanta さま、さんきゅー!
hanta さんは猫が至福の素なんだから、それでいいじゃない?
私だってもっと大切なものがみつかれば、なんだって手放すよ。
所詮モノはモノに過ぎない。
それに人は結局のところ、何かをチョイスすれば何かを失うようにできてるんだから。

繊細なものより温かいものが、今のあなたには必要なんだよ。
それはそれで、とても素敵なこと。

投稿: soukichi | 2006年4月 9日 (日) 00:14

みちこさま、
やっぱり歳を重ねないと駄目かしらね。
私なんて、あの子が小さい頃に悪いことしてぶったのをいま幼児虐待だなんて言われて責められてますから、箒なんか武器を持ったら何言われることやら。

桜は変幻の妙。
それに人は心惑わされるのでしょうか。
ある種の妖かしですね。

投稿: soukichi | 2006年4月 9日 (日) 00:19

ひたすら読書の今日この頃ですが・・・
梅安も最終巻まで読んでしまったところで、このそうきちさんの記事。
「おお、そういえば陰陽師の続編を読んでないな」と思い当たり、2巻目と3巻目の電子版を早速購入しました。
ふふふ、息子君と同じ趣味だね。
おかあさんとケンカする暇があったらおばちゃんと清明話でもするねん とお伝えくださいにゃ。
ちなみに藤木稟の「鬼一法眼」も陰陽師ものでオモチロイよ。

投稿: lehto | 2006年4月10日 (月) 02:27

lehto さま、おはよう!
そっちはまだ寝てるね。
lehto さんはひたすら読書? しかも電子版だなんて。
目が疲れないか?
I'm so sleepy !  私は春は眠い。
でも陰陽師は春に読むのにいいかもね。
移り変わる春の景色に端正な清明の姿を置いて。
宵には魑魅魍魎どもと宴、とか・・・
フィンランドの森にはそんなものはいないか。

投稿: soukichi | 2006年4月10日 (月) 09:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« Finland から『SAKURA』のバッグ | トップページ | 昨日、桜の下で »