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2005年10月20日 (木)

私のとっておき◆大倉陶園

okuratouen

私と大倉陶園との出会いはかなり古い。

叔父がホテル・オークラに勤めているので、その関係で見たのと、

あとは友人の家。彼女のことはいつかこのブログでも数回書いた

けれど、彼女は美術系のとても変わった雰囲気の人で、古い日本

家屋が大好きで、当時、荻窪界隈の古い一軒家に猫、数匹と住ん

でいた。和洋問わず骨董好きの彼女のその家は、古道具屋で買

った西洋と東洋の入り混じった家具調度が置かれ、お手製のオー

ガンジーのカーテンがかかる、ちょっと暗い畳の部屋で、分厚い木

のテーブルの上に出してくれた珈琲カップが大倉陶園だった。

最初に白地に金の縁取りの、シンプルだけどどこか貴族的で優雅

なフォルムのカップを見たときは、てっきり私はそれもアンティーク

かと思ったけれど、それは国産のブランドで大倉陶園のものだと

彼女が教えてくれた。それは大変に硬質で驚くほど軽く、白生地は

透き通るように滑らかで、金色は何重にも塗り重ねられてマットに

輝いていた。彼女は大倉陶園が陶器のメンテナンスもしてくれ、割

ってしまった時に買い足しができるように、同じ型を廃盤にしないで

何年も作り続けているようなメーカーなのだと話した。

実際にショップに行くと器の前に、この商品は2千何年まで製造し

ます、というような札が立ててある。百聞は一見に如かずで、一度

使ったその感触は私に残り、以来、大倉陶園は私にとっても憧れ

の食器となったけれど、残念ながらなかなか手にれる機会には恵

まれなかった。

写真のカップは数年前、たまたま伊勢丹百貨店に行った際に催事

場でやっていた、『大倉陶園 創業80周年記念フェア』というのに

遭遇してしまって、目の前で絵付師の人が手描きでバラの絵を描

いているのを見て、どうしても欲しくなってしまい、少々、無理をして

買ったもの。創業80周年のアニバーサリー・カップ。

友人のものとはだいぶ趣が違うけれど、家にある唯一の大倉陶園

である。ふだん家では備前のマグカップか、ロイヤルコペンハーゲ

ンの業務用のシンプルな白いカップ&ソーサーを使っているが、時

折り、とっておきの時にこのカップを使う。私はあまり甘々したデザ

インは好きではないけれど、このシンプルなバラのデザインは上品

で気に入っている。そしてやっぱり驚くほど軽い。

私はふだんは特に贅沢もせず、とても慎ましやかに暮らしているの

だが、ごくたまにこういうことをやってしまう。

誰の血か? 言わずと知れた母の血である。

若い頃は食器などもつい海外ブランドに目がいってしまいがちだが、

日本にだってこんなに素晴らしい食器があるのだ。それが証拠に

大倉陶園は国内より海外での評価がすごく高い。日本では宮内庁

御用達の食器ということで、つとに有名。

日本が世界に誇る高い技術について知りたい方は、以下のリンク

からご覧ください。

* 大倉陶園 良きが上にも良きものを

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好きな器いろいろ」カテゴリの記事

コメント

おはようございます!今日は快晴!さわやか〜!
雑貨好きは食器好き。
優雅ですね〜。きれいなフォルムです。あったかいアールグレイでも飲みたくなりますね。
私も器好きです。もちろん母譲り。カップはもうずっとフランスの業務用食器APILCO。厚さといい、重さといいお気に入りです。
皿もAPILCOをはじめコペンハーゲーンのデイリーものとか、名もない白い丈夫なやつ。
和食器は粉引きもんが多いかな。
ほとんどうちの食器はカジュアルですな(笑)。
でももう食器棚がいっぱいなので買ってません。もう充分だと思ってます。
よく、良い食器買って、ガラスの扉のある食器棚に入れて、使わないで飾ってる人がいるけど(私の母もそれ!)、良い食器は使ってこそ良さが分かるのにもったいないよね。その点そうきちさんは備前といい、きちんとデイリーに使ってる・・・。私はそういう人が大好きです。いいものは普段から使い続けてなければ目も感触も肥えないのだ!
さっ、私も今日は我が家の雄一のジノリのデミカップでエスプレッソでも飲もうとするか。

投稿: よしえ | 2005年10月20日 (木) 11:42

よしえさま、
ほんとやっと天気になったねー!
お陽様あったかいです。
家にいるのはあまりにもったいないので、いま早飯して、仕事の原稿持って外に行こうかと思っております。眼精疲労がひどいので、こんな日にまでPCに張り付いていたくないのだ。
うちの食器もカジュアルです。同じく食器棚が小さいのでもういっぱい。私もとうぶん買う気ないです。都内でも一番の品揃えの百貨店の食器売り場にいて、毎日、和食器やら洋食器やら作家物の器見ていて、あれだけ買わずにいられたのは私としては進歩かも。(単にお金が無かっただけ、という話もある。)まあ、この世界もキリがないからね。ただ器も一期一会で出会いと縁なので、もともと欲しいものが少ない私のスウィートスポットにヒットしてしまうものに出会ってしまって、たまたまそのとき買える状況だったら、やっぱり買ってしまうかもなあ・・・。というくらい、まあ好きですね。
私も買ったら日常的に使う派です。お客様にもいつもそう言ってました。使わないと器のほんとの良さはわからないし、特に作家物の和食器などは使うごとに景色(窯変の色あい)が変わってゆくものだから。使わないことこそ、もったいないね。

投稿: soukichi | 2005年10月20日 (木) 12:25

そうきちさん、おはにゃん。
ああー、私も本当は食器好き!でもこれは限のない贅沢だと分かってるから自分で稼ぎのないわたしは沈黙してるのです。
でも、若かりし頃は有田や伊万里が好きだった。
なけなしのお金を持って小さな陶器屋さんをまわりました。
やはり子供の頃実家にあった けっして触らせてもらえなかった香蘭社の茶器、その蒼い色が忘れられません。
わたしも手元にあったら使う派です。

投稿: lehto | 2005年10月20日 (木) 15:36

lehto さま、
みなさん、それぞれ思い入れのあるブランドは違っても、やっぱり女性はみんな器好きなのかなあ。毎日の食卓を担っている身ですものね。食器って生活と気持ちにゆとりが無いと買えないものだけど、でも毎日の食のことだから、ほんとは大事な部分よね。逆にそれが生活や気持ちにゆとりを生むことにもなるし。洋服なんかよりずっと生活に密着した、(家族がいれば)自分個人じゃなく家族のためのものだと思うんだけど。でもなかなか買えない。日本はずっと北欧ブームだから、フィンランドにも素敵な(そして日本より安くて良い)食器があるんではないかと推察いたしますが・・・

投稿: soukichi | 2005年10月20日 (木) 17:37

こんばんは。
恥ずかしながら、大蔵陶園知りませんでした。
このカップは、実にやさしく品のあるカップですね。手描きのローズとは、贅沢ですね。花柄のカップは一寸敬遠してしまうのですが、これはつい引き込まれそうです。まれにそういう出会いはあるけど、旦那の顔を思い出し、ぐっと我慢します。
 食器は好きですが、普段使いたいので、旦那に見せられないものは買えません。どうでもいい、引き出物の食器が、並んでいて、捨ててしまいたいです。(家の旦那はとにかく物を捨てるのを嫌うのです。私も資源の無駄使いだと思い気が引ける) 好きな器を普段使いのものだけでいいから、並べておいて、使いたいですよ。ご飯茶碗は子供のも、作家物をを使ってす。
 

投稿: angelseed | 2005年10月20日 (木) 18:56

知る人ぞ知る名店ですね♪
磁器かと思ってたけど陶器なんですね~
シンプルな中にも優雅さと上品さが備わっていて
とても素敵ですねーsoukichiさんが惚れこんだのも
判る気がします☆ いいモノを見る目を持ってますね!

投稿: hirary | 2005年10月20日 (木) 19:51

angel さん、
旦那様に気づかって欲しいものを買えない女性って多いよね。
その点、私は結婚前から(つまり結婚した相手と恋人時代から)一緒に食器を見たりインテリアを見たりして、価値観とか美意識の点では共通していた(彼は私の上いくロマンティストでしたが)ので、そういう不満を持ったことはなかったです。
私が黙って欲しいものを勝手に買ってしまうことはなかったけど、お伺いをたてて却下されたことは一度もないの。私は母がやっぱり好き嫌いがとてもはっきりした人で、引き出物の器などをそのまま使える人ではなかったし、彼もそうでした。そういう点は良かったと思います。
夫婦の間って、そんな些細な不満でも長年いろいろ蓄積すると、いつか修復不可能なことにも発展しかねないので、自分の願望はさりげなく、やんわりと旦那様に伝えてもいいんじゃないかしらね。私は不要なものは捨てるんじゃなくて、フリーマーケットとかに出してました。面倒だけど、タダ同然でも必要な人が買って行ってくれたらいいじゃない? 欲しい人にさしあげるとかね。

投稿: soukichi | 2005年10月20日 (木) 21:35

hirary さん、こんばんは!
大倉陶園はカオリンを主原料として高温で焼いた磁器です。
なんか読み間違えたかしら?
結婚当初ってお祝いでもらったりして洋食器で始めるけれど、年を追うごとに和食器が好きになるってないですか?
hirary さんもいつも素敵な器づかいをされていて、1人でもちゃんと暮らす、ということを私に教えてくれます。実を言うと私は1人で仕事に没頭していたら限りなく男みたいになっちゃうタイプです。自分ひとりなら何でもいいってタイプ。

投稿: soukichi | 2005年10月20日 (木) 21:45

soukichiさん、私はお天気のよい日は畑の様子を見に行きますので、朝がとても早いのですよ。ティーカップ、地色といい一輪のバラが和風的で、思わずお抹茶碗を連想しました。何か決断(あとから考えるとなんて事はない)する時、お気に入りの茶碗を出してきて、お薄を頂きます。毎日の生活ライフに自分の「こだわり」と言うか「けじめ」が大切なんだな~これが癒しで幸せなんだと思います。朝から少し堅いコメントになって。

投稿: みちこ | 2005年10月21日 (金) 06:17

みちこさま、おはようございます。
早起き、いいですね。
私は基本的に夜型の人間なんです。夜の方が落ち着くし集中できる。朝寝坊するわけではないので、常に寝不足です。ここ2週間くらいまたそんな感じで疲れが溜まってきました。良くないですね(^-^) 朝型に変えたいんだけど、長年の習慣はそうそう簡単には直らない。何か決断するときのみちこさん流のやり方、いいですね。落ち着いて正しい判断ができそうです。

投稿: soukichi | 2005年10月21日 (金) 08:06

 おはようございます。そう旦那様と価値観違うのよ。
それはそれで、仕方が無いんだけど、ロマンチストな旦那様だと、いいな~と思うときもあります。でも、あんまり語られちゃうと私、背中が痒くなっちゃうかな?だから丁度いいんだと思う。ただこの経済状態で、買えない物が多く、そこにお金を使ったと言うことで気が引けちゃうんだ。
 私もフリーマーケット、出してました。この頃のフリーマーケットがつまらなくなってしまったので、私も出店するの、やめました。売りながら、他を見て楽しんでたので、主婦が、半分、商売してるようなのが多くなりつまらないです。私もただでもいいから、荷物をからにして帰るのを目標に出店してたので、次があるから、安くしないみたいな、つまらない店ふえてて、残念です。東京は、掘り出し物ありそうですよね。いわきの初期から出ていた、面白いもの出してた人たちも、出店してないし、この頃は行かないのでなんともいえないけど、箱が無いものは、売れないし、学校のバザーにも出せないでいます。
 その内実家にでも盛っていって処分してもらうかな~。

投稿: angelseed | 2005年10月21日 (金) 08:27

angel さん、おはよう!
彼も語る人ではなかったですよ。むしろとても無口な人で、言葉が足りないくらいの人でした。ロマンティストって言ってもいろいろタイプがあるものね。みんな言葉に対するイメージがちょっと画一的過ぎるんじゃないかなあー
でもまあ、ご家庭がそれでうまくいってるならOK。私は家族それぞれが気持ち良く暮らすことが結果的に家庭円満につながると思ってます。実際のところ、なかなか難しいけどね。
不要なものを捨てるということは、私は単に資源の無駄遣いとは思いません。コンシャスに暮らすということの方が私にとっては大事。

投稿: soukichi | 2005年10月21日 (金) 08:57

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