息子が患っている潰瘍性大腸炎という病気は、何が原因で発症するのかもまだわか
っていないし、治療法も確立していないうえに完治する率はたったの20%だと言われ
ている。緩解と再燃を繰り返しながら、病気の治療は長期に及ぶ。
今年の6月、初めて医者から病名を言われた息子は帰るなり玄関で「一生、治らない
んだってさ」と言った。まだ20歳になったばかりの未来ある男子に、どうして医者は平
気でそういうことをあっさり言うかな、と思う。だから医者は嫌いなんだ。
だいたいにおいて何が原因で発症するかもわかってないなら、何が原因で良くなるか
だってわからないし、その点においては治る確率も治らない確率も50:50じゃないの
と、ロジカルな母親は言う。医者のそんなおかしなロジックに騙されちゃだめ、と言うと
「そうだね」と息子は淡々と言う。
それに、この世で医者が病気の原因としていることなんておよそ三次元的なことにす
ぎなくて、病の本当の根源はそんなとこにあるんじゃない、って、イハレアカラ・ヒュー
レン博士も言ってるよ。毎日にこにこ笑って暮らしてれば治るわよ、なんてことを言い
出す母なのだ。先日ミーティングした相手によれば私の考えも使う言葉も世間でいう
ところの『普通』ではなくニッチを超えてマイノリティーなんだそうだけど(自分では全然
そうは思ってない)、ま、それで話が通じるんだから、たしかにうちは変わってるのか
もしれない。
感心するのは息子が毎食後きちんと三度三度忘れずにきちんと薬を飲むこと。
それ以外、今のところ治療法がないのだから仕方ないとも言えるけれど、実際の副作
用を考えるとそんなことを何年もやり続けていいのだろうかとも疑問に思う。
この夏以来、食事に酵母を取り入れたり、毎日カスピ海ヨーグルトを食べたりして良く
なりつつあるかに見えた息子だけれど、それで調子に乗ってまた大好きな肉を食べた
りしていたら、ここのところまた悪くなってしまった。ふだん、お粥やうどんなんて嫌だと
言っている息子が、下血したらさすがにビビッたみたいで、しばらく肉は食べないと言
い出した。辛いもの、刺激物はもちろん、珈琲や甘いものも駄目なばかりか、普通は
身体に良いはずの繊維質のものも駄目なのだ。食べるものがありません。
そんなわけでこのところ、お粥やお雑煮、うどんなんかばかり食べています。
写真は梅うどん。
むかーし、小さな編集プロダクションで働いていた頃、新宿3丁目に『志村』という手打
ちうどん屋さんがあって、頑固そうな店の亭主がいつもガラス張りの座敷のなかで黙
々とうどんを打っていた。親父さんは頑固そうだったけれど店の人はみんな家族みた
いにアットホームで、うどんのつゆは関西風の上品な薄味で、ゆで上がったうどんは
ぴかぴかで、つるつるしこしこ美味しかった。今でもあるかなあ?
この手のつゆを作るときは、とにかく鰹節をケチケチしないでバサッと入れて、濃いめ
の出汁を作ること。そうすれば、たいがいおいしくできる。あさつきか小葱の刻んだの
おぼろ昆布に梅干しを添えて。もちろん、この梅干しはお手製です。製造から半年近く
経って、だいぶ熟成していい感じになってきました。でも、すごく酸っぱい!
シンプルだけれど、さっぱりしていておいしい梅うどんです。
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